オリサストロビン剤(商品名:嵐箱粒剤,嵐粒剤)のいもち病,紋枯病

普及情報
分類名〔病害虫〕
オリサストロビン剤(商品名:嵐箱粒剤,嵐粒剤)のいもち病,紋枯病
に対する効果
古川農業試験場
1
取 り 上げた理由
げた理由
新規に開発されたストロビルリン系いもち病防除薬剤であるオリサストロビン箱粒剤及び同水面
施用剤のいもち病,紋枯病に対する防除効果を検討したところ,両病害に対する高い防除効果が明
らかになったので普及情報とする。
2
普及情報
1)葉いもちに対する効果は高く,穂いもちについても高い効果の得られる場合が多いことから,
穂いもち被害リスクの低い薬剤と言える(図1,2)。
2)紋枯病に対する効果は専用剤には劣るが,他のストロビルリン系の薬剤に比較して高い(図3,
4)。
発 病 穂 率 (%)
10
穂いもち少発年
いもち少発年 (2004年
2004年)
オリサストロビ
オリサストロビン
箱粒剤
80
カルプ
カルプロパ
ロパミド
ミド
箱粒剤
8
穂いもち多発年
いもち多発年 (2003年
2003年)
オリサストロビ
オリサストロビン
箱粒剤
カルプ
カルプロパ
ロパミド
ミド
箱粒剤
60
6
40
4
20
2
0
体系
単用
体系
単用
無処理
:枝梗いもち
枝梗いもち1/3
いもち1/3未満
1/3未満
0
体系
単用
:枝梗いもち
枝梗いもち1/3
いもち1/3以上
1/3以上
体系
単用
無処理
:穂首いもち
穂首いもち
注)体系:
体系:箱粒剤移植当日処理+
箱粒剤移植当日処理+茎葉散布剤穂揃期散布(
茎葉散布剤穂揃期散布(フェリムゾ
フェリムゾン・フサライド
フサライドフロアブ
フロアブル)
単用:
単用:箱粒剤移植当日処理
図1 オリサストロビン箱粒剤
オリサストロビン箱粒剤の
箱粒剤の単用及び
単用及び体系処理による
体系処理による穂
による穂いもち防除効果
いもち防除効果
3
利活用の
利活用の 留意点
1) 耐性菌出現の危険性を避けるため,ストロビルリン系薬剤の連用をしない。また,いもち病
は種子伝染するので,自家採種はしない。
2) 同様の理由により,採種ほ場ではストロビルリン系薬剤を使用しない。
3)箱施用剤は,嵐プリンス箱粒剤6,嵐プリンス箱粒剤10,嵐ダントツ箱粒剤の混合剤3種,
水面施用剤は嵐粒剤の単剤1種である。
問い合わせ先:古川農業試験場作物保護部部
- 101 -
電話0229-26-5108)
4
背景となった
背景 となった主要
となった 主要な
主要な 試験研究
1)研究課題名及び研究期間
新農薬による病害虫防除試験(平成10年から18年)
2)参考データ
a適用作物・病害虫と使用方法
薬 剤 名
作 物 名
稲
適
用
病 害 虫
使用量
使用方法
育苗箱
50g/箱
育苗箱の上
から均一に
散布する。
いもち病
嵐箱粒剤
(箱育苗)
紋 枯 病
本剤の
使用時期
オリサストロビン
使用回数
移植3日前
~移植当日
2回以内
1回
いもち病
嵐 粒 剤
稲
葉いもち初発10日
前~初発時まで
3kg/10a
(但し,育苗箱は
1回以内,本田で
は1回以内)
湛水散布
紋 枯 病
出穂前日まで,但
し収穫21日前まで
b防除効果に関するデータ
80
60
40
度
40
20
害
防除価
防除価(
(葉いもち
いもち発生最盛期病斑数
発生最盛期病斑数
発生最盛期病斑数)
)
100
0
オ リサ スト ロ ヒ ゙ ン
ヒ ゚ ロ キロ ン
フ ゚ ロ ヘ ゙ ナソ ゙ ール
M BI - D
80
10
60
0
メトミノストロヒ ゙ ン
オリサストロヒ ゙ ン
フラメトヒ ゚ ル
無処理
図3 オリサストロビン箱粒剤
オリサストロビン箱粒剤の
箱粒剤の紋枯病に
紋枯病に対する防除効果
する防除効果(
防除効果(2003
年:ひとめぼれ)
ひとめぼれ)
40
注)オリサストロビンは移植当日施用,メトミノストロビンは葉いもち初
発時水面施用,フラメトピルは出穂2週間前水面施用
20
20
0
100
オ リサ スト ロ ヒ ゙ ン
ヒ ゚ ロ キロ ン
フ ゚ ロ ヘ ゙ ナソ ゙ ール
M BI - D
15
60
害
度
80
40
被
防除価
防除価(
(穂いもち
いもち被害度
被害度
被害度)
)
20
被
防除価
防除価(
(葉いもち
いもち上位
上位
上位3
3葉病斑数
葉病斑数)
)
100
30
10
5
20
0
0
オリサ スト ロ ヒ ゙ ン
(6 )
ヒ ゚ ロ キロ ン
(6 )
フ ゚ ロ ヘ ゙ ナソ ゙ ール
( 4)
M BI- D
(12)
12)
メトミノストロヒ ゙ ン
シメコナソ ゙ ール
オリサストロヒ ゙ ン
フラメトヒ ゚ ル
無処理
図4 オリサストロビン粒剤
オリサストロビン粒剤の
粒剤の紋枯病に
紋枯病に対する防除効果
する防除効果(
防除効果(2006年
2006年:
ひとめぼれ)
ひとめぼれ)
図2 各種箱施用剤の
各種箱施用剤の葉いもち及
いもち及び穂いもちに対
いもちに対する防除効果
する防除効果
(平成10年
年:農薬委託試験,()
平成 年~18年
農薬委託試験,()内
,()内はサンプル数
サンプル数)
3)発表論文等
特になし
- 102 -
注)各薬剤とも水面施用剤での効果。
オリサストロビン,メトミノストロビンは葉いもち初発時水面施用
シメコナゾール,フラメトピルは出穂2週間前水面施用