農作物病害虫発生予報 10月

平成26年
10月2日
農作物病害虫発生予報
10月
~目
山口県病害虫防除所
山口県農林総合技術センター
次~
Ⅰ
Ⅱ
予報の概要
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
予報
【主要病害虫】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【その他の病害虫】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Ⅲ 参考(予報の見方、気象予報)・・・・・・・・・・・・・・・・
Ⅰ
1
2
7
8
予報の概要
作物名
カンキツ
病 害 虫 名
予想発生量
現
況
平年比
前年比
かいよう病
やや少
やや少
前年並
ミカンハダニ
やや多
やや多
多
果樹全般
カメムシ類
やや多
やや多
前年並
キャベツ
コナガ
平年並
平年並
平年並
野菜全般
ハスモンヨトウ
少
少
少
平年並
平年並
少
オオタバコガ
作 物
担当者
普通作
福原(病害)中川(虫害)
果 樹
唐津(病害)殿河内(虫害)
野 菜
唐津(病害)溝部(虫害)
- 1 -
お問い合わせ先
TEL (083)927-4006
FAX (083)927-0214
E-mail [email protected]
Ⅱ
予報
【主要病害虫】
カンキツ
1 かいよう病
(1) 予報内容
予想発生量
現 況
平年比 前年比
防除時期
やや少
やや少 前年並
台風の襲来前
(2)
予報の根拠
ア 下旬の巡回調査では、発生ほ場率10.0%(平年22.4%)、発病果率1.4%(平年3.
2%)、発病度0.3(平年0.9)で、平年に比べやや少なかった。
イ 気象予報では、10月の気温は高く、降水量は平年並み(±)。
(3) 防除対策
<防除判断>
すでに発病しているほ場やあまなつ、いよかん等発病しやすい品種では、台風
の襲来前に薬剤防除を実施する。事前に防除ができなかった場合には、台風通過
後、なるべく早く防除を行う。
<耕種的防除等>
ア 秋に形成された病斑(潜伏病斑を含む)は翌年の有力な伝染源となるので、
本病の発生しやすい夏秋梢はできるだけ除去する。
イ 防風樹や防風ネットを整備し、枝葉や果実への感染を防ぐ。
<防除のポイント>
温州みかんなどかいよう病に比較的強い品種でも、伝染源が近くにある場合
には多発することがあるので注意する。
- 2 -
2 ミカンハダニ
(1) 予報内容
予想発生量
やや多
現 況
平年比 前年比
やや多
多
防除時期
防除の目安を超えたとき
雌成虫数の寄生葉率30~40%以上
または雌成虫1葉当たり0.5~1頭以上
(2)
予報の根拠
ア 9月下旬の巡回調査では、発生ほ場率は45.0%(平年24.2%)、寄生葉
率は6.9%(平年3.9%)で平年に比べやや多かった(+)。
イ 気象予報では、10月の気温は高い(+)。
(3) 防除対策
<防除のポイント>
こまめにほ場を見回り、収穫期まで多発させないよう注意する。
果樹全般(カンキツ)
1
果樹カメムシ類(チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシ)
(1) 予報内容
予想発生量
現 況
平年比 前年比
防除時期
やや多
やや多 前年並
園地への飛来を確認した時
(2)
予報の根拠
ア 予察灯の誘殺数(県内5か所、8月21日~9月20日合計)は、444頭(平年3
19頭)で平年に比べやや多かった(+)。
イ 気象予報では、10月の気温は高い(+)。
(3) 防除対策
<防除判断>
例年被害の発生するほ場や山沿いのほ場では飛来状況を確認して防除する。
- 3 -
キャベツ
1 コナガ
(1) 予報内容
予想発生量
現 況
平年比 前年比
防除時期
平年並
平年並 前年並
若齢幼虫期
(2)
予報の根拠
ア 9月下旬の巡回調査では、発生ほ場率11.1%(平年6.5%)、10株当たり虫
数0.1頭(平年0.2頭)で平年並みであった(±)。
イ 気象予報では、10月の気温は高く、降水量は平年並み(+)。
(3) 防除対策
<防除のポイント>
薬剤抵抗性を発達させないため、同一系統の薬剤の連用は避ける。
野菜全般
1 ハスモンヨトウ
(1) 予報内容
予想発生量
少
現 況
平年比 前年比
少
防除時期
少
若齢幼虫期(10月上~中旬)
(2)
予報の根拠
ア 9月下旬の巡回調査では、キャベツでの発生ほ場率11.1%(平年41.2%)、寄
生株率0.2%(平年3.8%)で平年に比べ少なかった(-)。
イ 県内のフェロモントラップ(6か所)における8月21日~9月20日の誘殺数
は4,113頭(平年16,169頭)で平年に比べ少なかった(-)。
ウ 気象予報では、10月の気温は高く、降水量は平年並み(+)。
(3) 防除対策
<耕種的防除等>
ア 地域により発生時期・発生量にばらつきがあるので、ほ場をよく観察し、若
齢幼虫が集中している葉を見つけ次第、捕殺する。
イ イチゴ等の施設栽培では、ビニールハウスのパイプ等の比較的高い位置に産
卵することが多いので、ほ場を見回り、黄褐色の毛に覆われた卵塊を見つけ次
第捕殺する。
<防除判断>
10月上旬から中旬にかけて若齢幼虫が発生すると考えられるので、定期的にほ
場を観察し、必要に応じて防除を実施する。
<防除のポイント>
ア 中~老齢幼虫には薬剤の効果が劣るので、若齢幼虫期の防除を徹底する。
- 4 -
イ
薬剤抵抗性を発達させないため、同一系統の薬剤の連用は避ける。
5
H26年
H25年
平年
4
寄
生 3
株
率
(
%
) 2
1
0
9月下旬
10月中旬
10月下旬
11月中旬
11月下旬
ハスモンヨトウの発生推移(キャベツ)
500
H26年
H25年
400
平年
( )
誘
殺 300
虫
数
頭 200
100
0
7 月
8 月
9 月
1 0
月
ハスモンヨトウのフェロモントラップ誘殺数(山口市大内:移動平均)
2 オオタバコガ
(1) 予報内容
予想発生量
平年並
(2)
現 況
平年比 前年比
平年並
防除時期
少
若齢幼虫期
予報の根拠
ア 9月下旬の巡回調査では、キャベツでの発生ほ場率0%(平年6.2%)、寄生
株率0%(平年0.5%)で平年並みであった(±)。
イ 山口市大内のフェロモントラップにおける9月の誘殺数は、60頭(平年54.9
頭)で平年並みであった(±)。
ウ 気象予報では、10月の気温は高く、降水量は平年並み(+)。
- 5 -
(3) 防除対策
<耕種的防除等>
定期的にほ場を観察して早期発見に努め、幼虫を見つけ次第捕殺する。
<防除のポイント>
ア 生長点を食害されると被害が大きいので、特に結球前の薬剤散布を徹底す
る。
イ 中齢以降の幼虫は結球内に食入するので、若齢幼虫期の防除を徹底する。
ウ 薬剤抵抗性を発達させないため、同一系統の薬剤の連用は避ける。
5
H26年
H25年
4
平年
(
寄
生3
株
率
%2
)
1
0
9月下旬
10月中旬
10月下旬
11月中旬
11月下旬
12月中旬
オオタバコガの発生推移(キャベツ)
40
H26年
H25年
誘殺虫数 (頭)
30
平年
20
10
0
7 月
8
月
9
月
10 月
フェロモントラップにおけるオオタバコガ誘殺数(山口市大内:移動平均)平成26年9
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【その他の病害虫】
作物名
病害虫名
キャベツ ハイマダラ
ノメイガ
ウワバ類
野菜全般 アブラムシ
類
シロイチモ
ジヨトウ
現
況
発生ほ場率
本年 平年
(%)
(%)
0
5.8
予想
発生量
平年比
前年比
平年並
平年並
前年並
平年並
平年並
前年並
0
12.5
多
多
多
-
-
山口市の黄色水盤によ
る9月の誘殺数は平年
に比べ多かった。
平年並
平年並
平年並
-
-
山口市のフェロモント
ラップによる9月の誘
殺数は平年並みであっ
た。
- 7 -
備考
Ⅲ
参考
1 予報の見方
(1) 病害虫発生量の基準(原則として過去10年間の発生量と比較)
ア 平年比
多
過去10年間で最も多かった年と同程度以上の発生
少
〃
で最も少なかった年と同程度以下の発生
やや多
〃
で2~3番目に多かった年と同程度の発生
やや少
〃
で2~3番目に少なかった年と同程度の発生
平年並
〃
で標準的にみられた発生(上記4項目を除くもの)
(注:過去の発生量との比較を表わすもので、被害や防除の必要性とは異なる)
イ 前年比
多
平年比の5段階評価で区分し、前年の評価より多い発生
少
〃
前年並
〃
(2)
前年の評価より少ない発生
前年の評価と同等の発生(上記2項目を除くもの)
予報根拠における発生要因の評価基準
+
発生を助長する要因
±
発生の助長及び抑制に影響の少ない要因
-
発生を抑制する要因
2 気象予報
(1) 1か月気象予報(9月25日福岡管区気象台発表)
高 い(%)
低 い(%)
予
報
平年並(%)
少ない
多 い
気
温
20
30
50
降 水 量
30
40
30
日照時間
30
40
30
週ごとの気温傾向
予
報
1 週 目
2 週 目
3~4週目
低 い(%)
20
30
20
平年並(%) 高 い(%)
30
40
40
- 8 -
50
30
40