米 づ く り 技 術 情 報 NO.1 平 成 26年 5月 30日 活着は概ね良好。草丈はやや短く、茎数は並。 水交換で分げつを促進し、初期生育の確保を! 山形の米日本一推進運動本部 【気象・生育概況 気象・生育概況】 生育概況】 4月から5月前半にかけては、降水量が極端に少なく、日照時間が記録的に多くなり ました。5月後半は、一時的に低温傾向となりましたが、春作業期間全般においては、 概ね平年並みの気象で経過しています。 移植盛期は平年より1日早い5月18日となり、育苗期の高温傾向の影響等で、全般 的にやや徒長気味の苗となっています。活着は地域差がありますが概ね良好です。 5月30日現在の生育は、平坦部「はえぬき」で、草丈はやや短く、茎数・葉数は平 年並となっています。 平坦部はえぬきの生育(5月30日) 平年比・差 (概況) 項目 調査値 平年値 草 丈 17.8 cm 18.8 cm 95 (やや短い) 茎 数 109 本/㎡ 111 本/㎡ 98 (平年並) 葉 数 4.4 L 4.1 L 0.3 (平年並) (平坦部はえぬき平均:農業技術普及課調べ) ◎ 当面の技術対策 当面の技術対策 5月29日発表の1か月予報によると、向こう1か月の天候は、「気温は高く、期間 のはじめはかなり高くなり、降水量は平年並みか少なく、日照時間は平年並みか多い見 込み」とされています。特に、今後一週間は「気温が高い確率が50%」となっており、 十分注意が必要です。 本年も高品質でおいしい米を生産するため、以下のポイントに留意し、きめ細やかな 栽培管理を行いましょう。 (1)用水の更新で分げつ促進 (1)用水の更新で分げつ促進 ~土壌還元(ワキ)は早めに対処~ 土壌還元(ワキ)は早めに対処~ 今年の移植作業は順調に進みました。移植後の低温傾向から一転して高温が続き、 今後も高温の予報となっています。水田においては、表層剥離や土壌還元(ワキ) が散見されてきており、今後も増加してくることが懸念されます。 このため、このまま放置せず、用水の更新を行います。水を更新する場合は早朝 に灌水し、日中は止水して水温の上昇を図ります。特に、土壌還元(ワキ)が強い 場合は、速やかに田干しや夜間落水を行い、根圏環境の改善を図りましょう。 今年は、庄内地域を中心に乾土効果がかなり高いと見込まれています。初期生育 をしっかり確保し、早めに中干しができるように管理することが重要です。 (2)雑草防除 ~適期を逃さず適正使用~ 除草剤は県除草剤使用基準に基づき適正に使用します。散布に当たっては、3~5 cm程度の湛水状態で行い、散布後1週間は止水を徹底し、田面が露出しないよう に注意します。また、雑草の葉数を確認し適期に散布します。 SU剤抵抗性雑草(イヌホタルイ、アゼナ、オモダカなど)の発生が懸念される圃 場では、抵抗性雑草に効果のある成分を含む除草剤を使用します。 (3)病害虫防除 ~取り置き苗の処分~ ~取り置き苗の処分~ 水田に放置された取り置き苗は葉いもちの伝染源になります。忘れている場合があ りますので、圃場の見回りを行い、見つけたら直ちに適切に処分します。 県病害虫防除所の予察情報によると、斑点米カメムシ類は「やや多い」とされてお ります。常日頃から畦畔や農道等の除草を徹底し、カメムシ類の生息密度の低減に努 めます。 (4)直播栽培 ~苗立数の確認と適正な水管理 ~苗立数の確認と適正な水管理~ と適正な水管理~ 直播栽培は、播種期間の好天により、全般的に苗立ちが良好となっています。 湛水直播栽培では、適正な苗立数は、80~120本/㎡です。苗立数を確認し、 50~80本/㎡の場合、3葉期に窒素成分で1kg/10aを追肥し、浅水管理 で分げつを促進します。120本/㎡以上で、今後に生育過剰が懸念される場合は、 深水管理を行い、茎数を抑制します。 不耕起V溝直播栽培では、稲が2葉期になる6月上旬が入水時期の目安です。な お、入水前に乾燥が進み白乾亀裂状態になった場合は、走水を行い、出芽を促しま す。入水3~5日後は、湛水状態が落ち着いたら一発処理除草剤を散布します。 の生育と 生育と技術対策 「つや姫」は、各地域とも順調に田植えが行われ、現在の生育は、草丈が平年より やや短く、茎数は平年並で順調に生育しています。本年はデビュー5年目です。圃場 毎にきめ細かな管理を行い、全国トップブランドの地位を確立するために、更なる高 品質・良食味生産に努めましょう。 「つや姫」の生育概況 (5月30日) 項目 草 丈 茎 数 葉 数 調査値 平年比・差 平年値 cm 18.5 cm 97 18.0 109 本/㎡ 107 4.1 L 3.9 本/㎡ L 101 0.2 (概況) (やや短い) (平年並) (平年並) (「つや姫」展示圃平均値:農業技術普及課調べ) STOP!農作業事故 農作業事故防止運動春季強化期間
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