農作物病害虫発生予報 4月

平成27年
農作物病害虫発生予報
4月
4月1日
~目
Ⅰ
予報の概要
Ⅱ
予報
次~
1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
【その他の病害虫】
Ⅰ
山口県農林総合技術センター
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【主要病害虫】
Ⅲ
山口県病害虫防除所
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
参考(予報の見方、気象予報
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
10
予報の概要
作物名
病害虫名
カンキツ
かいよう病
ナシ
果樹全般
(ウメ、モモ)
タマネギ
イチゴ
作
物
予想発生量
現況
平年比
前年比
平年並
平年並
前年並
そうか病
平年並
平年並
前年並
黒斑病
やや少
やや少
前年並
カメムシ類
平年並
平年並
少
白色疫病
平年並
平年並
前年並
べと病
平年並
平年並
前年並
うどんこ病
平年並
-
前年並
アブラムシ類
平年並
-
前年並
ハダニ類
平年並
-
多
担当者
普通作
西見(病害)中川(虫害)
果
樹
岡崎(病害)殿河内(虫害)
野
菜
岡崎(病害)溝部(虫害)
- 1 -
お問い合わせ先
TEL (083)927-4006
FAX (083)927-0214
E-mail:[email protected]
カンキツ
1 かいよう病
(1) 予報内容
予想発生量
平年並
(2)
現
況
防除時期
平年比 前年比
平年並 前年並
開花前
予報の根拠
ア
3月下旬の越冬病斑調査では、発生ほ場率10.0%(平年18.1%)、発病葉率
0.4%(平年1.8%)、発病枝率0.7%(平年2.6%)で平年並みであった(±)。
イ
(3)
気象予報では4月の気温は高く、降水量は平年並み(±)。
防除対策
<耕種的防除>
ア
病斑のある葉や枝の剪除を徹底する。
イ
防風樹や防風ネットを整備し、強風による枝や葉の付傷を防ぐ。
<防除のポイント>
ア
かいよう病にかかりやすい品種(アマナツ、イヨカン等)や本年及び前年発
生が認められた園では、春葉への感染防止対策として開花前に薬剤防除を実施
する。
イ
新梢伸長期にICボルドー66Dを散布する場合、パラフィン系展着剤(ア
ビオンE等)を加用することで、新梢の薬害を軽減できる。
2
そうか病
(1)
予報内容
予想発生量
平年並
現
況
防除時期
平年比 前年比
平年並 前年並
発芽始め(新梢が1cmの頃)
- 2 -
(2)
予報の根拠
ア
3月下旬の巡回調査では、発生ほ場率0%(平年4.1%)、発病葉率0%
(平年0.1%)で平年並みであった(±)。
イ
(3)
気象予報では、4月の降水量は平年並み(±)。
防除対策
<耕種的防除>
病斑のある葉や枝の剪除を徹底する。
<防除のポイント>
ア
越冬病斑が認められるほ場では、防除を必ず実施する。
イ
薬剤防除は新梢が1cmの頃に行うと効果が高い。
ウ
ベンゾイミダゾール系薬剤(トップジンM剤、ベンレート剤等)の耐性菌が
一部のほ場で発生しているので、同剤を散布しても効果の認められない場合は
使用を中止し、ストロビー剤、フロンサイド剤、デラン剤等を用いる。
エ
減農薬栽培ほ場では多発することがあるので、発生に注意する。
ナ
シ
1
黒斑病
(1)
予報内容
予想発生量
やや少
(2)
現
況
防除時期
平年比 前年比
・りんぽう脱落期
・開花直前
やや少 前年並 ・3分咲頃
・人工交配終了後
・落花後
予報の根拠
ア
3月下旬の巡回調査では、発生ほ場率22.2%(平年37.4%)、発病芽率0.0
%(平年0.2%)、発病枝率0.3%(平年0.4%)で平年に比べやや少なかった(-)。
イ
(3)
気象予報では、4月の気温は高く、降水量は平年並み(±)。
防除対策
<耕種的防除>
萌芽期から開花までに、伝染源となる枝病斑の封じ込めと病芽の切り取りを
徹底し、伝染源を少なくする。
<防除のポイント>
ア
開花期から小袋掛けの終わる4月中旬から5月中旬までが特に重要な薬剤防
除時期である。
イ
耐性菌の出現を回避するため、同一系統の薬剤を連用しない。なお、ポリオ
キシン剤の耐性菌が県下全域で発生しているため、銅剤と混用して使用する。
- 3 -
果樹カメムシ類(ウメ、モモ)
1
カメムシ類(チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシ)
(1)
予報内容
予想発生量
現 況
平年比 前年比
平年並
(2)
平年並
防除時期
少
園内への飛来確認時
予報の根拠
ア
果樹カメムシ類の越冬量と相関の高い前年のスギ、ヒノキの花粉飛散量は平
年並みで、果樹カメムシ類の越冬量は平年並みと考えられる(±)。
イ
クサギカメムシの隙間トラップによる越冬量調査(県内9か所)では、1ト
ラップあたり8.9頭(平年11.8頭)で平年並みであった(±)。
(3)
防除対策
<耕種的防除>
常発園では、ネット(網目4mm以下)で園全体を覆い侵入を防ぐ。
<防除判断>
通常、果樹へは5月以降飛来するが、4月でも気温が20℃を超えると昼間に
飛来することがあるので、モモ、ウメなどで被害を受けることの多い園では、
特に気温の高い日は園内を観察し、飛来を確認したら防除する。
タマネギ
1
白色疫病(平成27年3月2日付け技術資料第8号を参照)
(1)
(2)
予報内容
予想発生量
現 況
平年比 前年比
防除時期
平年並
平年並 前年並
発生初期
予報の根拠
ア
3月下旬の巡回調査では、発生ほ場率7.1%(平年8.0%)、発病株率
0.1%(平年0.7%)で平年並みであった(±)。
イ
(3)
気象予報では、4月の気温は高く、降水量は平年並み(±)。
防除対策
<耕種的防除等>
ほ場の排水を良好にする。
<防除のポイント>
発生しているほ場は、治療効果のある薬剤(リドミルゴールドMZ剤、プロ
ポーズ剤等)を用いて直ちに防除する。
- 4 -
2
べと病(平成27年3月2日付け技術資料第8号を参照)
(1)
(2)
予報内容
予想発生量
現 況
平年比 前年比
防除時期
平年並
平年並 前年並
発生前~発病初期
予報の根拠
ア
3月下旬の巡回調査では、発生ほ場率は0%(平年1.6%)、発病株率は0%(平
年0.2%)、1a当たり越年り病株数は0.0株(平年0.8株)で平年並みであった
(±)。
イ
二次感染株の初発生は3月31日に認められ、平年(平年初発生3月25日)に
比べ遅かった(-)。
ウ
(3)
気象予報では、4月の気温は高く、降水量は平年並み(±)。
防除対策
<耕種的防除等>
ア
早期に越年り病株の抜き取りを実施する。
イ
ほ場の排水を良好にする。
<防除のポイント>
ア
これまでに薬剤による予防防除が未実施の場合は、直ちに実施する。
イ
二次感染株が確認された場合は、治療効果の高い薬剤(リドミルゴールドM
Z剤、プロポーズ剤等)により直ちに防除を行う。ただし、これらの薬剤は耐
性菌が出現しやすいことから、同一薬剤の連用は控える。
- 5 -
イチゴ
1
うどんこ病
(平成26年11月4日付け平成26年度農作物病害虫発生予察注意報第5号参照)
(1)
予報内容
予想発生量
平年並
(2)
現
況
防除時期
平年比 前年比
-
前年並
発病前または発病初期
予報の根拠
ア
3月下旬の巡回調査では、発生ほ場10.0%(前年5.0%)、発病株率0.5%(前年
1.8%)、発病葉率0%(前年0.6%)、発病果率0.1%(前年0.4%)で前年並み
であった(±)。
イ
(3)
気象予報では、4月の気温は高く、降水量は平年並み(±)。
防除対策
<耕種的防除等>
被害果や被害茎葉は伝染源となるので、施設外に持ち出し処分する。
<防除のポイント>
ア
発病前の予防散布及び発病初期の散布を徹底する。
イ
古葉を除去し、通風をよくすると共に、葉裏への薬液の付着を高める。
また、薬液が葉裏や新芽に十分にかかるよう丁寧に散布する。
ウ
薬剤の中には、一部で感受性の低下した菌が出現しているものが認められる
ため、使用後は必ず防除効果を確認し、防除効果が劣る場合は使用を控える。
エ
薬剤散布後は防除効果を確認し、その後も発生が認められる場合は、約7日
おきに1回~2回薬剤を散布する。
オ
薬剤耐性菌の発達を避けるため、同一系統薬剤の連用は避ける。
- 6 -
2
アブラムシ類
(1)
予報内容
予想発生量
平年並
(2)
現
況
防除時期
平年比 前年比
-
前年並
-
予報の根拠
下旬の巡回調査では、発生ほ場率10.0 %(前年10.0%)、寄生株率0.6%(前
年0.2%)で前年並みであった(±)。
(3)
防除対策
<防除のポイント>
ア
薬剤散布時は、葉裏までムラなくかかるよう十分な量の薬液を散布する。
イ
薬剤抵抗性を発達させないため、同一系統の薬剤の連用は避ける。
ウ
薬剤散布を行う場合は、ミツバチに影響の少ない薬剤を使用する。
(山口県農作物病害虫・雑草防除指導基準-ミツバチの訪花活動に対する農薬の
影響-を参照)
http://www.nrs.pref.yamaguchi.lg.jp/hp_open/a1720160/00000008/10-6mitubachi.pdf
14
H26年
12
( )
寄
生
株
率
%
H25年
平年
10
8
6
4
2
0
9月下旬
10月下旬
11月下旬
12月下旬
1月下旬
イチゴ アブラムシ類の発生推移
- 7 -
2月下旬
3月下旬
4月下旬
3 ハダニ類
(1) 予報内容
予想発生量
平年並
(2)
現
況
防除時期
平年比 前年比
-
多
-
予報の根拠
下旬の巡回調査では、発生ほ場率30.0%(前年25.0%)、寄生株率12.9%(前年6.1
%)で前年に比べ多かった(+)。
(3)
防除対策
<防除判断>
ア
ハダニ類は体長が0.5㎜程度と小さいため、ルーペを使用して葉裏を確認す
る。ナミハダニは体色が薄緑色で、体色が赤いカンザワハダニに比べ確認しに
くいため、より注意が必要である。
イ
摘除した下葉10枚程度を白い紙袋に入れ、室内に1日おくと翌日にはハダニ
は新鮮な葉を求めて移動し、紙袋の上部に集まるため容易に観察できる。
ウ
ハダニ類は部分的に発生することがあるので、ほ場全体をよく観察し、発生
を認めたら直ちに防除を行う。
<防除のポイント>
ア
サンマイト剤及びニッソラン剤は県内全域で感受性が低下している。また、
マイトコーネ剤、コロマイト剤、カネマイト剤は、一部で感受性が低下してい
るため、使用後は必ず防除効果を確認し、防除効果が劣る場合は使用を控える。
イ
不要な下葉を除去した後、薬剤を丁寧に散布する。
ウ
気門封鎖剤は卵には効果がないため、7~10日間隔で連続散布する。
エ
薬剤抵抗性を発達させないため、同一系統薬剤の連用は避ける。
オ
薬剤散布を行う場合は、ミツバチに影響の少ない薬剤を使用する。
(山口県農作物病害虫・雑草防除指導基準-ミツバチの訪花活動に対する農薬の
影響-を参照)
http://www.nrs.pref.yamaguchi.lg.jp/hp_open/a1720160/00000008/10-6mitubachi.pdf
20
H26年
H25年
15
平年
( )
寄
生
株 10
率
%
5
0
9月下旬
10月下旬
11月下旬
12月下旬
1月下旬
イチゴ ハダニ類の発生推移
- 8 -
2月下旬
3月下旬
4月下旬
【その他の病害虫】
作物名
タマネギ
現況
発生ほ場率
病害虫名
予想
発生量
平年比
腐敗病
やや多
やや多
少
3.6
1.1
軟腐病
平年並
平年並
前年並
0
0
ボトリチス属菌によ
平年並
る葉枯症(白斑葉枯病)
平年並
前年並
0
1.3
前年比 本年(%) 平年(%)
コナジラミ類
やや多
-
多
55.0
-
アザミウマ類
平年並
-
前年並
50.0
-
イチゴ
- 9 -
備
考
Ⅲ
参考
1
予報の見方
(1) 病害虫発生量の基準(原則として過去10年間の発生量と比較)
ア 平年比
多
過去10年間で最も多かった年と同程度以上の発生
少
〃
で最も少なかった年と同程度以下の発生
やや多
〃
で2~3番目に多かった年と同程度の発生
やや少
〃
で2~3番目に少なかった年と同程度の発生
平年並
〃
で標準的にみられた発生(上記4項目を除くもの)
注:過去の発生量との比較を表わすもので、被害や防除の必要性とは異なる)
イ
前年比
多
少
前年並
(2)
平年比の5段階評価で区分し、前年の評価より多い発生
〃
前年の評価より少ない発生
〃
前年の評価と同等の発生(上記2項目を除くもの)
病害虫発生時期の基準(原則として過去10年間の発生時期と比較)
早 い
遅 い
やや早い
やや遅い
平年並
過去10年間の平均値より6日以上早い
〃
より6日以上遅い
〃
より3~5日早い
〃
より3~5日遅い
〃
を中心として前後2日以内
注:ウンカ類は1971年以降、コブノメイガは1985年以降の初確認日と比較(半旬毎)
(3)
予報根拠における発生要因の評価基準
+ 発生を助長する要因
± 発生の助長及び抑制に影響の少ない要因
- 発生を抑制する要因
2
気象予報
(1) 概要
1か月気象予報(3月26日福岡管区気象台発表)
予
報
気
温
降 水 量
日照時間
低 い(%) 平年並(%) 高 い(%)
少ない
多 い
10
30
60
30
40
30
40
30
30
週ごとの気温傾向
予
報
1 週 目
2 週 目
3~4週目
低 い(%)
10
30
40
平年並(%) 高 い(%)
10
40
30
- 10 -
80
30
30