Taro-校長式 辞 - 新潟県立新津高等学校

式
辞
本日ここに、新潟県教育委員 教育庁高等学校
教育課長轡田勝祐様、新潟市秋葉区長小黒和弘 様
をはじめ、多数のご来賓、並びに同窓会員、親師会
員の皆様方のご臨席を賜り、かくも盛大に新潟県立
新津高等学校創立九十周年記念式典を挙行できます
ことは、学校としてこの上もない喜びであり、教職
員、生徒一同、心より感謝申し上げます。
本校は、大正十年に、地域の熱烈な要望の中、県
下六番目の県立の高等女学校として設立されました。
その当時の我が国は、国民教育の充実を図るべく教育改革が行われており、本校も「国
民道徳ノ養成ニ力メ婦徳ノ滋養ニ留意スヘキ」とする改正高等女学校令を受けて、人間
錬成を目指す学校として誕生しています。
開校当初は、五十二名の生徒が五名の教職員と共に、新津町立尋常小学校の仮校舎で
勉学に励んでおりましたが、翌年には、八学級四百人規模の学校に指定され、大正十二
年、現在の自然環境に恵まれた、秋葉丘陵の中腹に校舎を新設移転し、爾来、「山の学
校」と呼ばれて「学ぶは高き人の道」の校歌と共に地域発展の一翼を担って参りました。
戦後は昭和二十年の学制改革により、新潟県立新津高等学校と改称され、男女共学の
実施、定時制課程の設置及び五つの分校の設置が行われました。昭和二十五年には、普
通科、商業科、被服科の三学科を置く総合制高校となり、地域の期待を一身に担う大規
模校に発展していきます。
時代の変化により、昭和五十七年に定時制課程が閉課程され、さらに平成十一年には
被服科が、平成十五年には商業科が相次いで閉科されることとなりますが、本校は上級
校への進学を目指す普通科全日制課程のみの学校として、新たな役割を期待され今日に
至っています。
思えば本校開校以来の大正、昭和、平成にわたる九十年間は、我が国が発展・成熟し、
大きく変化していく時代であり、その変化は現在加速度を増し、少子化、情報化、国際
化など、新たな社会的課題への対応を我々に求めています。
本校もこの十年間、新津市と新潟市の合併、県立高等学校の学区廃止などの相次ぐ変
化に対応して、特進クラスの設置や授業時数の変更等の学校改革を行って参りました。
そして、激しく変化する時代であるからこそ開校以来脈々と受け継がれてきた徳育を重
視する校風こそを大切にして参りました。
東日本大震災という国難とも言える状況を抱え、我が国が社会システムの転換を迫ら
れている今、国家社会に貢献する気概と実力を身に付けた人間を育成する責務が私たち
にはあります。本校の徳育の校風は、これからの時代に更に輝きを増す者と確信し、こ
れまで先輩諸氏が幾度となく引用されてこられた不易の伝統精神「学ぶは高き人の道」
を、本日の式典を以て校訓と定め、本校発展の礎にする所存です。
さて、在校生の皆さん、皆さんは今日、本校の輝かしい歴史の一ページに立ち会うこ
ととなりました。
開校以来、本校は、文武両道の学校として知られまた、心優しく穏やかで、目標を持
って努力する生徒との評価を得てきました。
皆さんはこれからも、三万二千有余名の先輩が残された歴史と伝統を引き継ぎ、「秋
葉の学徒」としての使命を自覚して、学業に励み、心身錬磨に努めてください。
時代が移っても、自然豊かな秋葉の岡辺を友と相いざない、将来の夢を語りあう新津
校生の姿は今も校歌そのままであります。そして今後どんな時代が来ようと、「秋葉の
学徒」はその高き道徳心とともに、健在であると信じてやみません。
最後になりましたが、新潟県、秋葉区、そして同窓会、親師会をはじめ関係各位のこ
れまでのご尽力に深く感謝申し上げるとともに、本日の記念式典が、創立百年に向けて
新たなる飛躍の第一歩となるよう、職員一同全力で教育に取り組んで参りますので、一
層のご支援を賜りますようお願い申し上げ、式辞と致します。
平成二十三年十一月五日
新潟県立新津高等学校長
小 林 篤 子