シチリアの夕べ 家・長本和子さんが、シチリア貴族の落日を 店のオーナーでもあるイタリア食文化研究 まずシチリアの歴史と食文化を解説。続いて のテーマ音楽とともに入場した濱野さんが、 夕べ﹂が開かれた。映画﹃ゴッドファーザー﹄ 昌子さんプロデュースの食事会﹁シチリアの カシーナ カナミッラ﹂で、料理研究家・濱野 加者たちは大いに酔いしれていた。 メニューの数々に、個室まで満席となった参 だけにシェフたちがアイデアを凝らした特別 んなエンターテインメントと、この日のため ツォーネの独唱もあるなど、実に盛りだくさ た。バリトン歌手・中西勝之さんによるカン 真似たシチリア庶民の料理も同時に紹介され ースメニューが次々にお目見え。貴族料理を いよいよ、﹃山猫﹄の舞踏会料理を再現したコ 出演の映画にもなった有名な作品だ。そして ﹃山猫﹄ の朗読と舞踏会料理と カンツォーネに酔いしれた 月 日に東京・中目黒の﹁リストランテ 描いた小説﹃山猫﹄の食事シーンを朗読。ル キノ・ヴィスコンティ監督、アラン・ドロン text & construction : Akiko Matsuda photo : Kazue Shibuya 008 NOVEMBER 2011 松田亜希子 ・文/構成 渋谷和江 ・写真 8 9 1 入り口に飾られた洒落たポスター。2 かつて劇団にいた こともあるという長本さんの朗々たる朗読を聴きながら、 19世紀後半のシチリア貴族の最後の栄華に思いを馳せる。 3 この日のために用意されたシチリアワイン。 右はドンナ フガータ社の 「タンクレーディ」 。 左は 「マルサラ」 。4 参加者 たちと談笑する濱野昌子さん。5「オーロラのような光を放 つガランティーヌ」 など、 『山猫』 の時代にモンズーと呼ばれ る貴族のお抱えコックが作っていた多様な前菜を再現。6 プリモ・ピアットは 「パスタを使った貴族のティンバッロ」 と 「米を使った庶民のティンバッロ」 。7『オー・ソーレ・ミオ』 や 『帰れソレントへ』 など有名なカンツォーネを歌い上げる “庶民が真 中西勝之さん。8 セコンド・ピアットのテーマは 似たモンズーの料理” 。 「小鳥の代わりにイワシを使ったベ 「カシーナ カナ ッカフィーコ」 など。9 濱野さんに紹介される 小西達也さん (左) と岩坪滋さん (右) 。 ミッラ」 の2人のシェフ、 5 6 7 熱気にあふれた当日の 「カシーナ カナミッラ」 店内。 長本和子さんの朗読のあと、 スプマンテで乾杯した。 4 1 2 3 4 9
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