溶融亜鉛めっき りん酸塩処理

A-7-13
鉄骨工事
Q&A集
溶融亜鉛めっき
制定
りん酸塩処理
2012年9月1日
改訂
Q. 溶融亜鉛めっき鉄骨の摩擦面にりん酸塩処理を行う場合の留意点は?
A. 摩擦面にりん酸塩処理* をする場合、留意すべき点は以下のようになります。
• 摩擦接合面のたれなど突起物を除く。
• 処理液と摩擦面との反応を阻害する油や汚れを除く。
• 外気温が氷点下の場合、処理面を加熱し、氷結水などを乾燥させると同時に、処理液も
10℃以上に加熱する。
• 塗布法の場合、刷毛で均一に塗布し、必要以上に厚く塗らない。
• 降雨時や降雪時に野外でのりん酸塩処理は行わない。
• 刷毛などで塗布したものと浸せきで処理したものの組合せを認めるが、異なる処理剤での
摩擦面の組合せとなってはならない。
• めっき面のアクリル樹脂系クリヤー(白さび防止処理剤)などは、りん酸塩処理する前までに
溶剤などを用いて除去しておく。
• りん酸塩処理の範囲はブラスト処理の場合と同様、下図に示す通りとする。
( * ) りん酸塩というのはりん酸と金属との反応生成物を表し、その金属が亜鉛の場合に反
応生成物はりん酸亜鉛となります。厳密には「りん酸亜鉛処理法」といいますが、通称として
「りん酸塩処理法」と呼ばれています。
薬剤
処理
フランジ部
ウェブ部
部材(母材)側 りん酸塩処理の範囲例
(添接板の接合する面は全面りん酸塩処理とする)
溶融亜鉛めっき後、摩擦面をブラスト処理に替えて薬剤処理することはめっき高力ボルト摩擦接
合においてはJASS 6でいう「特別な処理面」という扱いになり、基本的にはすべり試験を実施し
て所定の値(すべり係数0.4以上)を満足することを確認する必要があります。ただし、 「溶融亜
鉛めっき高力ボルト技術協会」の認定する「技術者」が、過去にすべり試験を実施していて、その
表面処理条件と当該摩擦面が同じと判断できる場合は、すべり試験は不要とできます。
接合部のすべり性能確認としてはJASS 6ではすべり耐力試験としていますが、摩擦面のすべり
係数を確認する必要がある場合(例えば上述の当該摩擦面が同じと判断できない場合や特記
仕様書に試験実施が記載されている場合等)にはすべり係数試験を行う必要があります。
出典:高力ボルト接合設計施工ガイドブック、鋼構造接合部設計指針
(日本建築学会)
JASS 6 鉄骨工事
(日本建築学会)
溶融亜鉛めっき高力ボルト接合 設計施工指針 2010 改定
(溶融亜鉛めっき高力ボルト技術協会)
日建連/鉄骨専門部会