阪神淡路大震災で認定工法の露出 形式 ケイシキ の 柱脚 チュウキャク

A-8-2
制定
鉄骨工事
Q&A集
工作
露出柱脚
2011年8月1日
改訂
Q. 阪神淡路大震災で認定工法の露出形式の柱脚は被害がほとんどなかったが、何故か?
A. 震災のあった平成7年以前は、在来工法による露出柱脚のモデル化をピン(回転自由)として設計
した場合、柱脚には曲げが生じないことから、脚部の摩擦でせん断力が伝達できるとすれば、アン
カーボルトの負担がないため、アンカーボルトを少なくすることができました。
しかしながら、実状としては少なからず柱脚に固定度(回転拘束)があるため、曲げが発生しアン
カーボルトには引張が作用することになります。この引張によりアンカーボルトには伸び・引き抜きが生
じて被害が出ることとなりました。
これに対し認定工法の露出形柱脚は、柱脚の固定度を半固定とし、アンカーボルトの径・本数等から
回転剛性を求め、構造計算に反映させて脚部の曲げ応力を算定しアンカーボルトの設計を行ってい
ました。そのため、施工上の不具合や想定外の事象が起こらなかった部位については、柱脚部
にほとんど被害は生じませんでした。
現在、アンカーボルトの材料として塑性変形能力に優れた建築構造用アンカーボルトの規格がJISで制
定されており、在来工法でも使用されています。
固定度があり
曲げを考慮
N
N
M
Q
Q
軸力とせん断力のみで設計
在来工法 露出柱脚
曲げを考慮して設計
認定工法 露出柱脚
露出柱脚脚部に生じる設計応力の違い
日建連/鉄骨専門部会