農地の塩害と除塩 農村振興局

機密性○情報
○○限り
農地の塩害と除塩
農村振興局
塩害のメカニズム
◇発生原因
台風、高潮、津波などによる農地の冠水、地盤沈下や地下水への海水の浸入などにより発生。
農地への海水の飛散、浸入
◇農地や農作物への影響
○ 土壌中に塩分が過剰に存在すると、土壌溶液の浸透圧が増加して、植物の根の吸水機能
土壌中に塩分が過剰に存在すると 土壌溶液の浸透圧が増加して 植物の根の吸水機能
の低下や植物体外への水分流出が起こり、水分不足(生育障害)となって植物が枯死。
○ 海水が土壌中に浸入すると、土壌の単粒化や緊硬度を高め、土壌の透水性が著しく低下。
排水不良による作物の根腐れが発生。
○塩害のイメージ
○生育障害による枯死
浸透圧による
植物体内の
水分低下
塩分濃度上昇
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除塩の仕組み
◇塩分の分離・除去
○ 土中に浸入した塩分を土粒子から分離するため、石灰系土壌改良資材を投入し、真水を地
下浸透させることによって、塩分を洗い流す。
○ この作用を促進するため、耕作土の耕起、反転・切り返し、砕土を併せて実施。
○ また、排水を促進するため、弾丸暗渠の施工や必要な排水施設を整備。
真水の湛水
(P4 ⑥参照)
(P4 ③参照)
石灰等の施用
(Na+とCa2+の置換)
Ca2+
Ca2+
Ca2+
Ca2+
弾丸暗渠
Ca2+
(P4 ④参照)
耕起・反転・切り返し
耕起
反転
り
(P4 ⑤参照)
Na+
Na+
Na+
Na+
塩分の洗い流し
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除塩の作業手順
①排水条件の改善
②石灰等の施用
③耕起・砕土
④塩分の洗い流し
農地表面の湛水や耕
土壌中の塩分濃度や
NaイオンとCaイオンの
土壌中の塩分の排出
作土中の過剰な水分
除塩後の営農計画を
置換反応と地下水排
状況に応じて 湛水
状況に応じて、湛水、
を排除し、作業機械
勘案し、石灰系土壌
除促進のため、耕起・
排水作業の繰り返し。
の走行性を確保する
改良材を施用。
砕土し土壌改良材を
ため、水切溝の設置、
混合。弾丸暗渠等を
排水路の掘り下げ。
併せて施工。
湛水除塩
排水路
用水路
農地
塩分(海水由来)
排水溝
弾丸暗渠
※ 被害農地の状況に応じて、①~④を組み合わせて実施。
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施工事例
①海水浸入による
塩害農地
②仮排水路・
水切溝の設置
③石灰系土壌改良
資材の投入
⑦完了・営農再開
⑥湛水除塩
⑤反転耕起・砕土
④弾丸暗渠の施工
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