ロボット技術を応用した 運動性細胞を顕微鏡観察するための ステージ制御技術およびシステム 東北大学大学院 情報科学研究科 橋本浩一 モチベーション • 運動性細胞を用いた計測と制御 – 細胞の持つ優れたセンサ機能とアクチュエータ機能を利用できないか? – 細胞の状態をできるだけ自然に保ち、刺激に対する反応を見たい – 細胞内部の状態を高倍率・高時間分解能で観測 • 簡単に言うと… – 逃げる敵(細胞)をロックオンできる顕微鏡 ロボット制御技術(ビジュアルサーボ) ロボット制御技術(ビジュアルサーボ) Lock-On Tracking of Paramecium High Speed Visual Feedback (780 [frame/s]) 高速視覚システム 制御用計算機 微生物 ステージ位置 XYステージ トルク指令値 センサロボットとしてのゾウリムシ • 繊毛運動により高速に移動 • 走性 – 機械刺激 --- Escape (rear), Avoid (front) – 重力 --- Negative (swim upward) – 電気刺激 --- Negative (swim toward cathode) – 温度 --- 25 degree C. Controllability front ∼200µm rear アクチュエーション … 走電性 アクチュエーション … 発生力 細胞位置制御機能つき蛍光顕微鏡システム 画像特徴量 Indo-1 が発する RT-Linux PC 制御情報 位置情報 XYZ ステージ 細胞位置制御機能付き蛍光顕微鏡システムの全体像 細胞位置制御用カメラ ジーオングベース KSオリンパス 蛍光観察用カメラ XYZステージ Evaluated Ca2+ concentration Raw image 蛍光(Ca2+解離) 蛍光(Ca2+結合) Evaluated Ca2+ concentration [nM] Ca解離 ÷ Ca結合 細胞内Ca2+観察・トラッキング結果 対物20倍 細胞内Ca2+観察(トラッキング)結果 電場印加せず 電場印加あり トラップされた細胞のCa2+蛍光観察 Calcium Green-1をマイクロインジェクションしたのちにシリコンオイルにトラップ Result Stimuli Estimation --- On-Off Sensor ステージ技術の特徴 1. 高速ビジュアルフィードバック a. 1msビジョンシステムを用いて高い時間分解能を実現 i. ii. 運動する微生物の継続観察 … ロックオントラッキングシステム 蛍光観察との併用 … ロックオン蛍光観察 b. 画像処理の柔軟性 i. ビジョンシステムはプログラミング可能 ii. 高速性を生かした画像処理簡単化 iii. ビジョンベースフォーカシングアルゴリズム(Z軸制御) 2. ステージ構成の自由度 a. さまざまな顕微鏡観察手法と組み合わせ可能 i. 正立・倒立、明視野・暗視野、微分干渉 b. XYZステージは細胞の運動能力に合わせて設計変更可能 i. ii. 高速大ストローク ⇔ 低速高分解能 制御アルゴリズムの自由度 c. お手軽サーチ i. ii. ロックオントラッキング以外にもさまざまな用途 解析対象の自動検索 想定される用途 • 動く細胞を見たい – 細胞の運動を止めずに – 3次元的に動く対象のフォーカスを保つ – 高い時空間分解能 • 細胞内反応を見たい – 一般的には蛍光観察 – 蛍光観察とロックオントラッキングは併用可能 • 見たい細胞を探す手間を自動化したい – ロックオンだけではなく、スケジュール化された運動も可能 – 高速ビジョンを用いれば高速サーチが可能 実用化に向けた課題 • ステージの多様化 – ゾウリムシのような、高速運動する大型細胞をロックオンするために大 掛かりな装置となっている • 高速ビジョンシステムの低価格化 – 現在用いているビジョンシステムは並列処理タイプであるために高価 – 高速CMOSイメージセンサで十分 • 画像処理アルゴリズムの安定化・ロバスト化 本技術に関する知的財産権 • • • • 発明の名称:顕微鏡装置 出願番号:特願2007−125077 出願人:JST 発明者:小原健、五十嵐康伸、橋本浩一 細胞位置制御方法(3次元) 対物レンズ 焦点面 対象物 対物レンズ 対象物 焦点面
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