第2次)鳥取県産材利用推進指針(PDF 3,627KB)

平成23年9月改定
鳥
取
県
-
目
次
-
1 「鳥取県産材利用推進指針」策定の趣旨 ------------------------------------------------------- 2
2 鳥取県産材 --------------------------------------------------------------------------------- 3
(1)
鳥取県で育まれ鳥取県で製材・加工された木材を『鳥取県産材』と呼びます ----------------- 3
(2)
鳥取県産材を利用する意義について ---------------------------------------------------- 3
3 鳥取県産材の利用の現状と課題 --------------------------------------------------------------- 4
(1)
利 用 ------------------------------------------------------------------------------ 4
(2)
製材・加工 -------------------------------------------------------------------------- 5
4 鳥取県産材の利用に向けた目標 --------------------------------------------------------------- 5
5 目標実現に向けた4つの重点施策 ------------------------------------------------------------- 7
(1)
鳥取県産材にこだわった利用をすすめます----------------------------------------------- 8
(2)
鳥取県産材を県外等へ売っていく取組を応援します------------------------------------- 11
(3)
鳥取県産材の良さをアピールします -------------------------------------------------- 12
(4)
市場ニーズに対応した製品を供給する取組を推進します--------------------------------- 13
6 鳥取県産材利用の推進体制 ----------------------------------------------------------------- 14
7 目標の達成に向けた主な事業 --------------------------------------------------------------- 15
※毎年度、当初予算に併せて、掲載内容が変わります
8 参考資料--------------------------------------------------------------------------------- 18
- 1 -
1 「鳥取県産材利用推進指針」策定の趣旨
鳥取県には、県土面積の 74%にあたる 26 万 ha の森林があり、そのうち戦後に植林された 11 万 8 千
ha の人工林が成長し伐期を迎えようとしています。しかしながら、年間の森林成長量の 7 分の 1 程度
しか木材として利用されていないのが現状です。
木材は太陽の光と二酸化炭素と水で生産される天然素材で、環境にやさしい優れた材料です。利用と
植林を繰り返せばいつまでも利用が可能な資源です。
私たちは、鳥取県で育ち鳥取県で加工した『鳥取県産材』の需要拡大をとおして、地域の森林の保全
や地域産業の活性化、循環型社会の構築に貢献したいと考えています。
この「鳥取県産材利用推進指針」は、県民の皆さんや林業・木材産業関係者、行政機関と連携して『鳥
取県産材』の利用を進めていくための、県としての基本的な考え方や取組の方向を明らかにしたもので
平成 20 年度に策定しましたが、平成 22 年度に本県の「鳥取県 森林・林業・木材産業再生プラン」が
策定されたことを踏まえ、平成 23 年度~平成 26 年度までの 4 年間の方針として改定するものです。
また、平成 22 年 10 月 1 日に施行された「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」及
び国の基本方針(10 月 8 日)に基づき、今回、県の方針として位置づけるものです。
国や県のプランと本指針との関係
国の森林・林業再生プラン
鳥取県 森林・林業・木材産業再生プラン
低コスト林業
人材育成
県産材利用拡大
鳥取県産材利用推進指針
<公共建築>
公共建築のための鳥取県
産材活用推進プログラム
所管:総務部
県民と森林づくり
鳥取県産材利用推進本部
本部長:統轄監
部員:関係部長、各総合事務所長
<公共土木>
県産木材率先活用行動プ
ログラム
<公共土木のうち林道>
農林水産部公共事業にお
ける県産材使用指針
所管:県土整備部
所管:農林水産部
<住宅・民間施設>
住宅・民間施設の建築に
対する支援
所管: 生活環境部
農林水産部、各部局
公共建築物等木材利用促進法
- 2 -
2 鳥取県産材
(1) 鳥取県で育まれ鳥取県で製材・加工された木材を『鳥取県産材』と呼びます
鳥取県内の森林で育ち伐採された原木を、県内で製材・加工された木材を『鳥取県産材』と呼びます。
~ 鳥取県産材産地証明制度 ~
鳥取県産材を使った住宅など県産材の活用をすすめる事を目的に、平成14年に林業・木材・建築設
計の関係者により設立された「鳥取県産材活用協議会」
(事務局:鳥取県森林組合連合会)が、
「鳥取県
産材」の産地証明を行っています。
(2) 鳥取県産材を利用する意義について
① 環境にやさしい行動です。
◆木製品は加工エネルギーが小さい!
木材を製材する際に消費するエネルギ
ー量は、鉄の40分の1、アルミニウムの
70分の1と格段に少ない消費量です。
◆鳥取県産材は、輸送過程で排出される二酸
化炭素の排出量が少ない!
木材の生産地から消費地までの距離が
短いほど、輸送過程で排出される二酸化炭
素の排出量が少なくなります。県内で鳥取
県産材を使えば、二酸化炭素の削減につな
がり地球温暖化防止にも貢献できること
となります。
② 地域の森林が守られます。
鳥取県産材を使うことは、
「植える」→「育てる」→「収穫する」→「使う」→「植える」
という循環利用が可能となります。この結果、間伐などの森林整備が進み、地域の森林を守ること
につながるのです。
③ 地域産業の活性化に貢献します。
鳥取県産材を使うことは地場の林業や木材産業、住宅関連産業等の地域産業の活性化にも大きく貢
献することにもなります。
- 3 -
~ 木材の特徴 ~
木材は「軽くて強い」
「熱を伝えにくく、暖かさを保つ」
「環境とひとにやさしい」など、とても良
い材料ですが・・・
「個体差が大きい」
「周囲の温度・湿度条件で変化する」
「腐る」
「燃える」
という特徴も持っています。
しかし、一見欠点に見えるこの特徴も、実は木材の良さにつながっているのです。
●個体差である木目や木肌は、工業製品にはない美しさを醸し出します。
●周囲の温度・湿度条件で変形(伸び縮み)する性質が調湿機能につながっています。
木材には、湿度の高いときには湿気を吸い、湿度の低いときは放出する働きがあります。
●腐る性質により自然に分解されます。
木材は廃棄しても微生物によって分解される循環型の素材です。
●木材の燃える性質を使って燃料に利用します。
マキやペレットなど木材を活用した木質燃料は、環境にやさしい自然エネルギーのひとつです。
3 鳥取県産材の利用の現状と課題
鳥取県産材の『利用』及び『製材・加工』における現状と課題は次のとおりです。
(1) 利 用
【現 状】
鳥取県内で製材・加工された製材品は主に建築用に利用されます。県内の木造建築物の割合を見
てみると、住宅は平成 19 年度 60.1%に対して平成 21 年度は 73.2%、住宅以外の民間施設では平成
19 年度 37.4%に対して、平成 21 年度は 43.5%といずれも木造化率が伸びています。
住宅用の木造化率が高いのは、新築住宅の木造化を好む地域性や県独自の支援制度などが主な原
因と考えられます。一方、産業用の木造化率は、県、建築士及びその他関係団体との連携が不十分
であったり、木造化への取り組みが遅れていることもあり、半分に満たない状況となっています。
なお、年々成長する木材資源を有効に活用していくためには、合板やパルプ用チップだけでなく、
原木や製品の海外輸出や木質バイオマスエネルギーなど鳥取県産材を大量に利用する新たなシス
テム作りが必要となっています。
【今後の課題】
<建築物>
◆公共建築物や民間施設での鳥取県産材の利用促進
◆住宅関係者に対する技術情報の提供
<木材資源の利用>
◆海外への輸出
◆木質バイオマスエネルギーへの利用促進
- 4 -
(2) 製材・加工
【現 状】
木材産業は、山から切り出された木材を製材・加工し、様々な産業や人々に供給していくという
重要な役割を担っていますが、鳥取県内で製材・加工された製材品の出荷量は平成 18 年度の
62,000m3 に対して平成 20 年度は 49,000m3 と 21.0%も減少し、製材品の利用が低調な状況が一層
進んでいます。この主な原因として、他県産材製品や外材製材品に比較して、安定供給、品質、価
格の面で競争力が十分ではないということがあげられます。
【今後の課題】
◆製材品の安定供給、品質の向上、低価格化
◆製材品の新たな販路開拓・商品開発
◆製材品の流通体制の整備
4 鳥取県産材の利用に向けた目標
鳥取県産材の現状と課題をふまえ、鳥取県産材の利用を進めるための目標を定めました。
この目標は、平成23年度から平成26年度までの4年間で実現することを目指しています。
区
分
県が行う公共建築物の整備
現状(H20)
目標(H26)
原則、木造化かつ
原則、木造化かつ
鳥取県産材の使用
鳥取県産材の使用
県が行う公共土木工事等
木製品及び木工事は原則
木製品及び木工事は原則
鳥取県産材の使用
利
用
製材・加工
鳥取県産材の使用
住宅着工件数に対する木造化率
66.7%
80%
民間施設の木造化率
40.4%
50%
海外への輸出
53m3/年
5,000m3/年
製材品出荷量
49,000m3
64,000m3
乾燥材生産比率
27%
50%
JAS 製品出荷比率
13%
20%
- 5 -
鳥取県産材の利用の推進イメージ
原木の伐採
原木の伐採
原木の伐採
燃料等による
木質バイオマス利用
製材工場等
LVL・合板工場・チップ
県や県民等による
鳥取県産材の利用拡大
公共工事(建築・土木等)での利用
個人住宅での利用
商業施設での利用
インテリアでの利用
県外等へ販路拡大
原木や製材品の輸出
ブランド化された県産材や家具等
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5 目標実現に向けた4つの重点施策
鳥取県産材の利用に向けた目標を実現させるため、4つの施策に重点的に取り組んでいきます。
①公共建築物及び公共土木工事への利用
●建築工事・公共土木工事における利用
●市町村の施設に対する支援
●市町村や国の地方機関との連携
②民間施設への利用
●新築や改築等の住宅に対する支援
●民間施設の建築に対する支援
③木質バイオマスのエネルギーや製品への利用
利
県産材にこだわった利用を
すすめます
●ペレットボイラーなど燃料への利用
●家具への利用
④家庭や企業で県産材の木製品を使用する木づか
い運動の展開
●全国的規模のイベント等で木製品等の良さを実感の
機会を提供
⑤試験研究や製品開発による新たな用途の開発・
技術相談
●新たな技術開発の試験研究など
①原木や製材品等の国内外への販路開拓
県産材を県外等へ売ってい
く取組を応援します
用
●国内市場における見本市への参加などを支援
●テスト輸出や海外バイヤーの招へいなどの支援及
び原木や製材品等の輸出の促進
①県産材を使った建築物・家具等の情報発信
●県産材を使った県内施設や家具等の情報発信
●木造住宅の情報発信
鳥取県産材の良さをアピー
ルします
②木材や住宅等関係団体と連携した情報提供
●ホームページ等を活用した製品情報の提供
●各種イベントでの情報発信
③家庭や企業で県産材の木製品を使用する木づかい運
動の展開(再掲)
④試験研究や製品開発による新たな用途の開発・技術
相談(再掲)
製 材 ・加 工
①品質の確かな製品を供給できる企業の応援
市場ニーズに対応した製品
を供給する取組を推進しま
す
●乾燥 JAS 材の生産・販売の強化
●融資制度
②木材産業の生産・流通改革
●品質の確かな製材品の供給
●人材確保
③公共建築物の整備に向けた木材供給体制の確立
●木材業者との連携
- 7 -
(1) 鳥取県産材にこだわった利用をすすめます
① 公共建築物及び公共工事への利用を推進します
県が整備する公共建築物は、原則、鳥取県産材を使用した木造化とするとともに、公共土木工事
は鳥取県産材を使用した木材利用を進めます。
ア 県が行う公共建築物の整備における木材利用の推進について
●県が整備する公共建築物は、原則として「木造化」とします。
ただし、法的規制(例:防火地域)や用途(例:研究施設)等によっては、工法やコスト面か
ら木造化は困難と判断する場合があります。
なお、実施に当たっては、
「公共建築のための鳥取県産材活用推進プログラム」によってすす
めます。
●県が整備する公共建築物は木造化できない場合にあっても、床や壁など原則として「内装等の
木質化」に努めます。
イ 県が行う公共土木工事における木材利用の推進について
●県が発注する建設工事のうち、転落防止柵や枠工などは木材利用を進めるとともに、原則鳥取
県産材を使います。
なお、実施に当たっては「県産木材率先活用行動プログラム」などによってすすめます。
(参考)
<公共建築のための鳥取県産材活用推進プログラム>
○施設整備において使用する木材は原則として全て県産材とします。
○建物は主要構造部を木造とする事を基本とします。
○建物の内外装材、家具等に積極的に県産材を使用し、県産材の特性や魅力を発信します。
<県産木材率先活用行動プログラム>
○施設の機能と木材の特性に配慮した県産材、木材工法の率先活用の推進
・転落防止柵等への積極活用
・河川の特性に応じた木製在来工法による川づくり
・治山・砂防での創意工夫による間伐材の積極的な活用
○各年度の活用計画の作成と情報提供及び県産材使用実績の検証
※農林水産部においても、
「県産木材率先活用行動プログラム」に準じた県産材使用指針を策定
ウ 市町村等が行う公共建築物の整備及び公共土木工事における木材利用の推進について
●市町村における鳥取県産材利用の取り組みを推進するため、市町村施設の建設や公共土木工
事に当たっては鳥取県産材の利用の協力を求めるとともに、鳥取県産材の利用に対して必要
な情報の提供、技術的な助言その他の支援を行います。
また、県が市町村や企業へ補助金を交付する場合は、鳥取県産材の利用の協力を求めます。
●公共建築物等利用促進法に基づき、全市町村が市町村方針を策定するように要請します。
●市町村や国の地方機関と相互に連携して、鳥取県産材の利用を積極的にすすめていきます。
- 8 -
② 民間施設への利用を推進します
●戸建て住宅の木造化を推進するために、鳥取県産材を使った新築又は改修に対して支援を行います。
●環境に優しい木材を積極的に利用するため、省 CO2、省エネ等環境負荷の低減に配慮した住宅づく
りを推進する「建築環境総合性能評価システム(通称 CASBEE)
」の普及を図るとともに、本県の気
候・風土等にマッチした『鳥取県型環境配慮住宅(鳥取エコハウス)
』の取り組みを推進します。
●住宅以外の民間の建築物(老人ホームや病院など)の木造化を積極的に推進するとともに、鳥取
県産材の利用に対して支援を行います。
小規模作業所
グループホーム
③ 木質バイオマスのエネルギーや製品への利用を推進します
●伐採した樹木の枝や、製材工場などから発生する端材
やのこ屑などのほか、住宅の解体材や街路樹の剪定枝
など「木質バイオマス」を利用して、ストーブ、ボイ
ラーなど地球環境にやさしい木質バイオマスエネル
ギーへの利用をすすめていきます。
西部総合事務所のペレットボイラー
●木材は再使用や再利用できるとともに、森林から再生産することができるなど環境を守ることにつ
ながります。経済性を優先して石油製品などへ代わった様々な製品(例:ベンチや机)の利用の見
直しや新たな用途の取り組みを支援していきます。
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●消費者のライフスタイルが多様化する中で、鳥取県産材を使った新たな家具等の開発に取り組んで
いきます。
屋外用ダイニングチェア
杉のブラインド
④ 家庭や企業で、鳥取県産材の木製品を使用する木づかい運動を展開します
●全国植樹祭や全国都市緑化フェア等の全国的規模のイベントと連携し、鳥取県産材や鳥取県産材
を使用した木製品の良さ、技術の高さを実感していただく機会を提供し、各家庭や企業での使用
につなげていきます。
平成 23 年度県植樹祭で県産材ベンチを使用
⑤ 試験研究や製品開発によって新たな用途の開発をすすめるとともに技術相談をおこない
ます
●鳥取県産材を使った製品の品質向上や新たな用途の開発を支援します。
- 10 -
●県林業試験場は森林・林業・木材産業分野の研究・技術等の拠点として情報発信や技術相談をサポ
ートします。
林家等を対象とした技術相談
スパン表作成による鳥取県産材の強度試験の公開
(2) 鳥取県産材を県外等へ売っていく取組を応援します
※
※
原木や品質の安定した製品(製材品 、LVL など)を県内外に販売していくための仕組みづくり
をすすめます。
① 原木や製材品等を国内外へ販路開拓する取り組みをすすめます
●国内市場において鳥取県産材の販売をすすめるために、大消費地で開催される見本市等の参加や県
外での住宅施工による県産材のPRを行う企業に対して支援するとともに、木材関係者の皆さんと
協力して鳥取県産材の認知度を高めます。
●海外での木材需要は高く、特に隣国である韓
国や中国では大量の原木や製材品を輸入し
ています。本県はこれらの国と比較的距離が
近いため、鳥取県産材の新たな販売先として、
バイヤーの招へいやのテスト輸出を行う企
業に対して支援します。また、近隣の府県と
の連携も視野に入れて、県内の港湾からの輸
出に取り組んでいきます。
原木輸出は、1回(隻)当たり 2,000~3,000m3 で行われる。
※製材品:製材所で製造・加工された柱や板。
※LVL:ベニヤの繊維方向をそろえて接着したもので、寸法精度が高く、柱や梁などに利用される。
- 11 -
(3) 鳥取県産材の良さをアピールします
県民の皆さんに鳥取県産材を使った建築物を紹介するとともに、
関係団体と一緒に鳥取県産材の良さ
を積極的に紹介していきます。また、全国的規模のイベントを契機に、木製品等の良さを実感してい
ただき、家庭、企業での木製品使用につなげていきます。
① 鳥取県産材を使った建築物や家具等の情報発信に取り組みます
●県内にある鳥取県産材を使った公共建築物や民間の施設をホームページ等で紹介します。
境港市の水木しげるロードにある県内LVLを使った建物
● 鳥取県産材を使用した木造住宅を対象にしたコンクールを開催し、木造住宅の良さや工務店等を
様々なイベントやホームページ等で県民の皆さんに紹介します。
平成 21 年度のコンクール最優秀賞
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② 木材や住宅等関係団体と連携した情報提供に取り組みます
●鳥取県木材協同組合連合会や一般社団法人鳥取県木造
住宅推進協議会などと一緒に鳥取県産材を使った建築
物の良さを、様々なイベントやホームページ等で情報
提供します。
木の住まい住宅フェア
(4) 市場ニーズに対応した製品を供給する取組を推進します
市場ニーズに対応した製品を供給するために、
「乾燥 JAS 材」の生産体制を強化するとともに、
「含水
率」や「ヤング率」の表示による確かな品質の鳥取県産材の供給を推進していきます。
① 品質の確かな製品を供給できる企業を応援します
※
●鳥取県乾燥材生産促進協議会 と連携しながら乾燥 JAS 材の生産・販売を強化するため、
「木材乾
燥機の導入」や「JAS 乾燥材の認定取得」などへ支援します。
乾燥材の良さ
僕を使うとこんなに
・ちぢみ(収縮)やまがりによる木材の狂いが少なく
①クロス切れ、壁や建具のすき間、床鳴り等の発生が少ない。
②柱のひび割れ等が少なく、外観が良い。
・虫の害やカビの発生が少なく、耐久性がある。
・加工精度が高く、工期が短縮できる。
・乾燥材は強度がある。
・柱や梁、桁の構造材の狂いが少なく、家が丈夫である。
メリットがあるよ!
乾 燥 材
※鳥取県乾燥材生産促進協議会では独自の規格として「鳥取県ブランド乾燥材」を生産・販売しています。
※
●強度計測するグレーディングマシン を導入する製材工場
等に対して支援することにより、強度等を表示した品質の
確かな鳥取県産材の普及を進めます。
※グレーディングマシン:製材品の強度(曲げの力)を自動的に計測
右の写真では、E110・130 と印字
(SD15 は仕上げ材の含水率)
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提供:アイジースタイルハウス
●「木材産業等高度化推進資金」や「企業自立サポート融資制度」など各種融資制度により、高品質
な製品を供給できる企業を応援します。
② 木材産業における生産や流通改革を推進します
●地域資源である県産材の活用による木材産業の振興を図るために、優秀な人材を雇用し、工場の基
本的研修及び販売営業方法についての人材育成を実施する製材工場等に対して支援します。
●木材市場や製材所が製材品を共同して県外へ出荷する取り組みに対して支援します。
●素材生産者、製材所、建築士、施工業者が一体となった家づくりの取り組みをすすめていきます。
③ 公共建築物の整備に向けた木材の供給体制の確立を推進します
●公共建築物の建築に用いる鳥取県産材の円滑な供給を図るため、木材業者の連携等による品質の確
かな乾燥材等の安定供給をすすめます。
6 鳥取県産材利用の推進体制
県における鳥取県産材の利用を全庁的に進めるために、部局横断的な組織である「鳥取県産材利用推進本部」
を設置します。
また、各年度で国・県・市町村が整備した公共建築物及び公共土木工事での鳥取県産材の使用量などをホーム
ページ等で公表します。
<鳥取県産材利用推進本部>
連携
●本部長:統轄監
●本部員:関係各部局長、教育長、各総合事務所長
幹事会(関係課)
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市町村や国の地方機関等
7 目標の達成に向けた主な事業(平成 23 年度)
※毎年度、当初予算に併せて内容が変更します。
■ 県産材の利用
区
分
県が自ら行う
事業主体
県
取組み
事 業 内 容
1 県営施設の木造の建築・改修計画
湯所交番(建て替え)
、穴鴨駐在所(建て替え)
、砂丘事務所(改修)
2 県産材を使った建築物・家具等の情報発信
○ 木の住まいづくりコンクールの実施(継続)
木造建築物の普及促進のため、優れた木造建築物に対して知事表彰
する。
県が支援する
取組み
1 県産材を使った建築への支援
個人
○ 環境にやさしい木の住まい助成事業(継続)
個人住宅の新築又は改修に対する支援
・ 県産材:2 万円/m3
(新築:上限 40 万円、改修:上限 20 万円)
・ 県産JAS製材:9 千円/m3(上乗せ)
(新築:上限 18 万円、改修:上限 9 万円)
・ 2 種以上の伝統技術を活用する新築住宅に、定額 15 万円を上
乗せ助成
(手刻み・外壁下見板張り・左官仕上・日本瓦葺・木製建具)
・ 「CASBEEとっとり戸建」の評価において一定の環境性能
を満たす新築住宅に、定額 7 万円を上乗せ助成
建築士事
務所
○ 民間の木造施設建設支援事業(新規)
1 件あたり 30 万円を上限に、民間木造建築の設計に対する支援
・ 構造材:6,500 円/m3
・ 県産JAS製材:900 円/m3(構造材上乗せ)
・ 内装材:1,000 円/㎡
市町村等
○ 鳥取県緑の産業再生プロジェクト事業のうち、木造公共施設等整備
(継続)
・ 地域材を活用した公共施設等の整備
公民館 2 カ所
※市町村の予算化が必要です。
市町村、
私立学
校、福祉
施設
○ 「木づかいのすすめ」普及モデル事業(継続)
「木育」活動に対する支援
・ 教育・保育・福祉関係施設が、県産材を使った机・イス・テー
ブル・本棚等を購入する経費に対して県 1/3、市町村 1/6(私
立学校等の場合)を助成
※市町村の予算化が必要です。
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県が支援する
農業者、
取組み
生産組織
等
○ 鳥取県林農連携間伐材活用事業(継続)
1 棟あたり 50 万円を上限に、畜舎や農産物加工所の整備
・ 県産材:2 万円/m3
・ 県産JAS製材:9 千円/m3(上乗せ)
2 販路拡大への支援
○ 県産材需要拡大支援事業(継続)
県産材のPRや県外等への販路拡大の支援(補助率 1/2)
団体
・ 講演会の開催、木製遊歩道、木製看板等の整備に対して 250 千
円を上限に助成
団体、企
業
中小企業
・ 県外等の見本市への参加、共同出荷、県外での住宅施工、製品
の研究開発等に対して、100 万円を上限に助成
○ 海外チャレンジ補助金(継続:財団法人鳥取県産業振興機構が実施)
海外への販路開拓の支援(補助率 1/2)
・ 見本市やテスト輸出などに対して 1,000 千円を上限に助成
中小企業
○ 地域資源活用事業(継続:財団法人鳥取県産業振興機構が実施)
製品の研究開発や販路開拓の支援(補助率 2/3)
・ 農林水産物等を不可欠な原材料又は部品として行われる製品
の研究開発又は販路開拓などに対して 6,000 千円(2 ヶ年の合
計額)を上限に助成
荷主、物
流企業
○ 境港利用促進事業(継続:境港貿易振興会が実施)
境港を利用した輸出の支援
・ コンテナや国内陸送経費等に対して 100 千円~300 千円を上限
に 5 千円~10 千円を定額助成
3 木質バイオマス
木質バイオマスのエネルギーや製品への利用
日南町木
質バイオ
○ 木質バイオマス発電・熱供給等事業化調査・実証試験事業(継続)
事業化調査、実証試験の取り組みへの支援
マス活用
協議会
- 16 -
■ 県産材の加工・製材
区 分
事業主体
県が支援する
取組み
事 業 内 容
1 生産体制の強化
木材関連
企業
○ 鳥取暮らし農林水産就業サポート事業(木材産業雇用支援事業)
(継
続)
工場の基本的研修及び販売営業方法についての人材育成を実施する
製材工場等が支給する研修経費(給与、雇用保険料、労災保険料、手当
て等)への支援。
・ 研修費助成:上限 137,000 円/人・月
・ 住居や通勤手当助成:上限 33,000 円/人・月
2 融資
木材関連
企業
○ 木材産業等高度化推進資金(継続)
造林・育林、素材生産、製材、木材卸売等の事業を行う組合、会社、
個人の方々への制度資金
・ 運転資金貸付限度額:1 億円
・ 償還期限:短期資金 1 年以内 長期資金 5 年以内
木材関連
企業
○ 企業自立化支援資金(継続)
中小事業者への運転資金・設備資金の支援
・ 貸付限度額:1 億円
・ 償還期限:運転資金 7 年(据置 1 年)以内
設備資金 10 年(据置 1 年)以内
3 品質の確かな製品供給への支援
鳥取県乾
燥材生産
促進協議
○ 乾燥JAS材推進事業(継続)
県産乾燥材のブランド化に取り組む事業者団体の活動の支援
・ 乾燥 JAS 認定取得、乾燥マニュアルの作成、乾燥材のPR
会
4 公共建築物の整備に向けた木材の供給体制の整備
鳥取県森
林組合連
合会
○ 県産材流通改革モデル支援事業(新規)
地域の原木を一手に集荷・選別し、需要先への大量一括輸送を行うた
めの中間土場をモデル的に設置し、県産材の安定供給体制の確立を目指
す鳥取県森林組合連合会に対して国の支援「地域材供給倍増事業」と協
調支援
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8 参考資料
■ 「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」の要旨
Ⅰ.趣旨
木材の利用の確保を通じた林業の持続的かつ健全な発展を図り、森林の適正な整備及び木材の自給率の向上
に寄与するため、農林水産大臣及び国土交通大臣が策定する公共建築物における国内で生産された木材その他
の木材の利用の促進に関する基本方針について定めるとともに、公共建築物の建築に用いる木材を円滑に供給
するための体制を整備する等の措置を講ずる。
Ⅱ.法律の内容
1 国の責務
国は、木材の利用の促進に関する施策を総合的に策定し、実施するとともに、自ら率先してその整備する公
共建築物における木材の利用に努めなければならない。また、木造の建築物に係る建築基準法等の規制につい
て検討を加え、その結果に基づき、必要な法制上の措置その他の措置を講ずるとともに、木材の利用の促進に
関する国民の理解を深めるよう努めなければならない。
※ 公共建築物とは、次のものをいう。
① 国・地方公共団体が整備する公共の用等に供する建築物
② 国・地方公共団体以外の者が整備する建築物で①に準ずるもの
2 地方公共団体の責務
地方公共団体は、国の施策に準じて木材の利用の促進に関する施策を策定し、及び実施するよう努めるとと
もに、その整備する公共建築物における木材の利用に努めなければならない。
3 基本方針の策定
農林水産大臣及び国土交通大臣は、国が整備する公共建築物における木材の利用の目標等を内容とする、公
共建築物における木材の利用の促進に関する基本方針を定めなければならない。
4 都道府県及び市町村における方針の策定
都道府県知事及び市町村長は、それぞれ、当該都道府県及び市町村が整備する公共建築物における木材の利
用の目標等を内容とする、公共建築物における木材の利用の促進に関する方針を定めることができる。
5 公共建築物の建築に用いる木材を円滑に供給するための体制の整備
(1)木材の製造を業として行う者は、公共建築物に適した木材を供給するための施設整備等に取り組む計画(木
材製造高度化計画)を作成し、農林水産大臣の認定を受けることができる。
(2)木材製造高度化計画の認定を受けた場合には、林業・木材産業改善資金助成法の特例等の措置を講ずる。
6 公共建築物における木材の利用以外の木材の利用の促進に関する施策
国及び地方公共団体は、住宅における木材利用、公共施設に係る工作物における木材の利用及び木質バイオ
マスの利用の促進のために必要な措置を講ずるよう努める。
Ⅲ.施行期日
平成 22 年 10 月 1 日
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■ 「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」の国の基本方針の主なポイント
1 公共建築物における木材の利用の促進の意義及び基本的方向
○ 公共建築物における木材の利用の促進が、林業の再生や森林の適正な整備、地球温暖化の防止等に貢献す
ること
○ 過去の非木造化の考え方を、公共建築物については可能な限り木造化、内装等の木質化を図るとの考え方
に転換
2 公共建築物における木材の利用の促進のための施策に関する基本的事項
○ 建築基準法その他の法令に基づく基準で耐火建築物とすること等が求められない低層の公共建築物につ
いて、積極的に木造化を促進
○ 木造化を促進する対象としない施設の例(災害応急対策活動に必要な施設等)
○ 木造化が困難な場合でも内装等の木質化、備品や消耗品としての木材の利用、木質バイオマスの利用を促
進
3 国が整備する公共建築物における木材の利用の目標
○ 国は、その整備する公共建築物のうち、積極的に木造化を促進する公共建築物の範囲に該当する低層の公
共建築物について、原則としてすべて木造化を図る
○ 高層・低層に関わらず内装等の木質化、備品や消耗品としての木材の利用を促進するほか、暖房器具等へ
の木質バイオマス燃料の導入に努める等
4 基本方針に基づき各省各庁の長が定める公共建築物における木材の利用の促進のための計画に関する基本的
事項
○ 各省各庁の木材の利用の方針・目標の設定、推進体制等
5 公共建築物の整備の用に供する木材の適切な供給の確保に関する基本的事項
○ 公共建築物の整備に適した木材の円滑な供給の確保
○ 合法木材の供給・利用の促進
6 その他公共建築物における木材の利用の促進に関する重要事項
○ 都道府県方針又は市町村方針を作成する場合の留意事項
○ 維持管理を含む公共建築物の整備等においてコスト面で考慮すべき事項
○ 関係省庁等連絡会議の設置
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