星川 剛議員 [ PDF 72.4KB] - 尾花沢市

平成 19 年 12 月定例会 星川 剛議員 一般質問
◎ 議 長(菅 原 信 博 議員)
次に、3 番星川剛議員の発言を許しますので登壇を願います。
星川剛議員。
〔3番 星川 剛議員 登壇〕
◎3番(星 川
剛 議員)
先に通告いたしました数点につき質問いたしますので、明確なる御答弁をお願いを致します。
質問の第一点は、教育問題であります。先般全国一成テストが行われましたが、本市の小中学校生徒の
成績はどんな状況であったのか教育長にお尋ねいたします。
第 2 点は、ゆとり教育と少子化問題であります。21 世紀の日本では人口が急激に減少してまいります。
2004 年頃に 1 億 2748 万人ピークとしてその後一貫して減り続け 2050 年には 1 億人を割り 2100 年には
4473 万人にまで落ち込んでしまいます。これは国立社会保障人口問題研究所 2002 年 1 月の推計でありま
す。つまり今世紀末には現在の 35%になるのであります。人口が減少すれば衣食住などの需要が減り労働
力も減りますから、需給両面で経済活動は縮小しGDP国内総生産も当然落ちてきます。人口が減る以上
供給面ではより少ない労働力で従来の生産を維持するには一人当たりの労働生産性を上げなければなりま
せん。そこでロボットやコンピュータなど急進するハイテク技術を徹底的に駆使して一人の労働者が 1.5
人ないし 2 人の分の仕事をこなす体制が必要になります。需要面ではお客が減って売り上げが落ちていき
ますから収益を維持するためにはより高価な商品やより沢山の商品、更には全く新しい値打ちを持った商
品を作り出し、新しい機能や優れたデザインなど高付加価値商品を開発しなければなりません。もう一つ
重要なことはごさい分業の進む 21 世紀の世界で、日本がどのような産業を分担していくかという問題で
あります。これまでの日本は先進工業国の一つとして家電や自動車という高品質で経済的な製品を世界中
に輸出して、
資源や食料を輸入するという、
所謂加工貿易体制によって高度な経済成長を遂げてきました。
90 年代以降急速な経済成長で中国が日本経済に大きな影響を及ぼしています。衣料品・生活雑貨から家電
製品・IT備品まで安い工業製品の輸入拡大で国内の商品価格も大幅に下落されております。韓国・台湾・
マレーシア・シンガポールなどのアジアの工業国からも同じように廉価な工業製品の輸入が急増しつつあ
ります。こうした傾向は 21 世紀が進むにつれて益々拡大し欧米の工業先進国との間ではIT・バイオテ
クノロジー・ナノテクノロジーなど所謂ハイテク商品の開発競争を激化させていくことになります。それ
に対抗するには様々なハイテクを応用して全く新しい商品を作り出し先進国間の製品競争を制し途上国の
追い上げを振り切ること、また新しい値打ちを持った商品を作り出すことです。以上のように研究開発の
技術なくして日本国民の経済的安定は図れなくなるのであります。つまり学問を基礎として教育の力、科
学技術の開発が日本の国力を左右することになるのです。経済協力開発機構OECDが 2006 年 57 カ国・
地域の 15 歳約 40 万人を対象にした生徒の学習到達度調査PISAと略しておりますが、その中で日本の
高校生は数学的応用力で 2000 年には 1 番であった。2003 年度には 6 位になり 2006 年には 10 番まで落
ちてしまった。読解力では 2000 年には 8 番 2003 年は 14 番 2006 年は 15 番、科学的応用力では 2003 年
が 2 番 2006 年が 6 番、実施した 3 分野で全て順位ガが低下し前回に続き高校 1 年生の学力低下傾向が明
白となっております。韓国や台湾、香港よりも劣っております。科学技術創造立国を目指す日本にとって
将来に大きな不安を残す結果となっております。学力低下問題はその根底に日本社会の夜型化、テレビ・
ファミコン等による睡眠不足が大きな要因であるとされていますが、学習指導要領の朝令暮改的な変遷に
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も問題があると思います。1990 年指導要領の改訂にあたって現在のゆとり教育の出発点と言うべき新学力
観が新学習指導要領の要になりました。個性尊重、自ら学び自ら考える子供を育てるという新学力観のな
か、計算ドリルや漢字の書き取り、練習音読など江戸時代から続いてきた読み書き計算の反復練習はむし
ろ子供の個性を殺す悪しき鍛錬主義だとして避けられる。できないのも個性だと、というような指導の仕
方がもてはやされてまいりました。90 年指導要領より更に内容が 3 割も削減された 2002 年新学習指導要
領、所謂ゆとり教育が実施されたのであります。数学者の藤原昌隆先生はこのゆとり教育は日本の基礎的
な学力を無視したこのような実質授業時間の少ない教育は日本の教育を駄目にするとして反対しておりま
す。また、あの百マスドリル教育で有名な山口県の陰山英男校長は中学の数学週 3 時間英語の週 3 時間は
少なすぎるとして基礎学科充実を主張しております。また、生活慣習の改善の上で読み書き計算の反復学
習は子供たちの学力を向上させる上で極めて有効であるとしています。中教審教育課程部会はこの 11 月
30 日中学理科・外国語を 3 割増にするなど小中学校で主要教科の授業時数を増やして総合的な学習の時間
の大幅な削減を盛り込んだ審議のまとめを大筋で了承し実質的な審議を終了しました。早ければ 2011 年
度から実施される改定学習指導要領に盛り込まれるということになっております。2007 年の 11 月 13 日
の山形新聞紙上にお茶の水女子大の名誉教授外山滋比古先生が人間力を高めるのは教育の目標であるから
ゆとり教育の学習指導要領改訂に反対していると反対であるとそんなに急激に変えるもんではないと申さ
れている先生もおります。国際競争に負けない教育の水準を維持するためゆとり教育について今までのよ
うな論点からどのように考えられるか教育長よりお聞き致します。
県下市町村の広域合併についてであります。県はどのように考えどのように指導されるのか、県職員と
して長らく勤務された副市長は充分ご理解されていると思うので副市長にお尋ねしたいと思います。
合併に伴う財政諸問題と新鶴子ダム償還金延伸問題についてであります。国の三位一体の改革によって
移譲財源は少なく地方交付税は削減され財政力指数の低い本市にとっては新年度の予算編成上苦しいやり
くりをしなければならない現状であります。ましてや広域合併を視野に入れた場合尚一層行財政改革を推
進しなければならない。行財政改革を断行し行政効果を上げるには市民のため何をやり何を廃止すべきか
これは市長の政治的判断によるものであります。例を挙げれば雪対策問題であります。克雪と利雪とどち
らを選んで行政効果を上げる施策を実行するかという問題であります。一方で積雪は本市住民にとって、
雪の除排雪等大きな金銭的負担と肉体的労働力を強いられる。大量の積雪は天災である。是非特別交付税
を交付すべきであると主張する一方、雪はエコエネルギーである。雪を利用して雪冷房や食品を冷蔵して
付加価値を付けるとして通産省の補助を受けている。誠に中途半端であります。県も農林省も財務省も陳
情しても説得するわけにはまいりません。二兎を追うものは一兎も得ず、昔から諺にあります。財政的に
余裕のある時は利雪も結構であります。財政緊縮のときは市民のためどれが必要か、利雪か克雪か一方を
選択することが政治的決断であります。雪の災害を強く主張して、雪下ろし雪の除排雪への援助、流雪溝
の整備等市民の暮らしを守るため特別地方交付税の交付を国に要求すべきであります。財源確保の手段と
して、市職員の本給 2%から 3%のカットを 19 年度実施しましたが、その実施に当たって単年度というこ
とでありましたが平成 20 年度は実施しないのか市長にお尋ねいたします。人件費の削減は定数減・NPO
法人の活用・民間に移譲すべきは民間に早急に対策を実施すべきで、最も簡単な市職員の俸給カットは行
うべきではありません。多額の報酬ならばよろしいですけれどラスパイラス指数 89.3、県下 35 市町村中
最低、これでは生活給をカットすることは無理ではありませんか。種々手当のカットはいたしかたないと
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しても本俸だけはカットすべきではありません。将来に向けて種々問題がありからであります。今人員を
削減し職員の英知を結集しおおいに能力を発揮してもらわなければならないこのときに報酬カットなどの
暗い一面の助長だけはすべきではありません。市長の御所見をお伺い致します。
次に、新鶴子ダム償還金延伸問題についてであります。この前頂きました総務課から頂いた資料は誠に
立派なものであります。市の財政の推移を的確に判断しながら、正確な資料の分析のもと償還金延伸を求
める財政的根拠が明確に示されております。事務的には県の農林部も財政当局も十分に理解したことと思
います。あとは知事の決断一つであります。知事の決断を促すのは事務的な対処のみだけでなく、市長の
腹を割った説得以外にはないのであります。知事は広域合併を推進しようとしています。広域合併を円滑
に行うには単位市町村も準備が必要であります。本市にとっての緊急の課題は、一番目に、保育園・小中
学校の統廃合。二番目として、積雪寒冷地のためインフラの整備、流雪溝をつくり市道の整備を促進しな
ければならない。三番目に、歴史と伝統を失わないため地区コミュニティーの形成のために核としての市
役所の支所を建設する。そして中心市街地の活性化を図って尾花沢のコミュニティーを維持するというこ
とが重要であります。四番目に、今働く若い夫婦が住めるような駐車場付の低家賃のアパートが尾花沢に
ありません。
尾花沢に勤めておっても私の知っている事業所なんかでは 11 名のうち 6 人もよそから通って
いる職員がいることを知っております。是非ともこういった政策を実施する。これが合併前に尾花沢が尾
花沢として残るために広域合併のために条件整備をしなければならない。その財源がない。その財源とし
てダム償還金の延伸をし、
その余裕を財源とするしか方法がない、
こういうふうに知事を説得すべきです。
市長のお考えをお聞きしたい。
壇上からの質問を終わります。
◎ 議 長(菅 原 信 博 議員)
市長。
〔市長 小野紀男君 登壇〕
◎ 市 長(小 野 紀 男 君)
星川議員にお答えを申し上げます。
本市の今後将来に託せる街づくりを進めるためには公正公平で市民が主役のまち作りを基本理念とし、
本市の特性特色を生かしながら、第 5 次総合振興計画に示された「人と自然がおりなすふれあいの里」の実
現を図ることが私に課せられた任務であると理解しております。
また、
市民の声をいかに行政に反映させ、
国や県に対し、市のおかれている現状を訴えながら要望を実現することが大事であると考えております。
そうした中での合併の推進でありますけれども、合併を目前にしまして大石田町との合併が白紙になった
ことは、今思えば、大変残念なことであります。
現在の財政状況や、少子高齢化あるいは行政サービスの維持向上を図るために、更には、本市活性化の
ため建設された多くの施設の維持や、或いは老朽化が著しい庁舎建設など視野にいれるとき、広域的な合
併を推進すべきと考えており、他市町の動きを重視しながら、今後市民の皆さまや議員の皆様と議論をす
べきだろうと考えているところであります。
行財政改革と併せまして新鶴子ダム負担金の償還延伸対策についてでありますけれども、国営村山北部
土地改良事業負担金の償還は、本市の財政を大きく揺るがすものとしまして、これまで議会の皆様方とと
もに国や県に対し、軽減・緩和措置を幾度となく要望してきたところであります。その成果としまして、
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交付税による財政措置をはじめ、償還額の平準化、さらには償還利率の引き下げなど、各種の軽減策を実
施していただきまして、現在に至っているものであります。平成19年度からは償還利子の助成制度が改
正されまして、助成される利率に変動金利制が採用されたところでありまして、今年度は 1.92%を超える
分について助成さることになっています。ご指摘の「償還期間の延伸」についてでありますが、県の農林
水産部を窓口として、県財政当局更には知事に対しまして、延伸についてお願いをしてきたところであり
ます。しかしながら、県の財政も大変逼迫し財政健全計画を推し進めている最中であることや、他市町村
とのバランス、本市のさらなる行財政改革が望まれていることなどから、議員各位にもご説明いたしまし
たとおり、
県当局からは現時点での償還延伸は困難である旨の回答を得ているところであります。
しかし、
このような中にも今後も行財政改革を強力に推し進めながら、県に粘り強く働きかけを行っていくことが
肝要と考えております。議員各位におかれましても特段のご協力をお願い申し上げる次第であります。
新年度の予算編成についてでありますけれども、平成19年度に基金を3億円取り崩したのを最後に、
基金は庁舎建設基金を除き底を突いた状態になっております。行財政改革は2年目に入りようやくその効
果を上げ始めまして、今年度は人員削減等で特別会計を含め1億2千万円の削減効果があった訳でありま
すけれども、その分は公債費や扶助費の伸びで消えた形になっております。新年度も積極的に行政改革を
進め、その効果は今年度と同じように医療費や扶助費などの法定負担や公債費などの増加に対処出来るも
のと思っております。しかし、3億円の基金で対応した財源不足は、新年度においては見込めず、これま
で以上の歳出削減で対応せざるを得ない状況であります。職員給与の削減についても、執行者としては大
変忍びないことでありますけれども、職員労働組合の理解をえながら来年度も実施せざるを得ないと考え
ているところであります。
行財政改革の推進にあっては、これまで、行財政改革大綱に沿いまして、財源の確保のための施設利用
料の見直しや、効率的な行政運営を図るための組織機構の見直し、歳出削減を図るための人員削減など、
あらゆる角度から行政を推進してまいりました。事務事業の見直しについても、事務改善委員会において
340の事業について補助金や各事業の廃止、縮小について見直しを進めてきたところであります。更な
る改革を図るために、今年度新たに内部に「事務事業評価委員会」を立ち上げ、全事業についての必要性、
有効性、達成度、効率性について検証作業を進めております。内容につきましては議員の皆様にもお示し
しながら行政改革本部会に諮ってまいりたいと考えております。また、議員後提言の市民への公表等につ
きましても、外部委員による評価を踏まえながら対応してまいりたいとこのように思っています。
多くのご提言がありましたけれども、その中に雪対策のことがありました。星川議員仰せのとおり尾花
沢市にとって豪雪対策・克雪対策はどの政策にも優先しながら取り組んでいかなければならない大きな問
題だと認識しています。これまでも国に対して県に対して色々克雪対策についてご要望をしてまいりまし
た。これからも引き続き要望をしていくわけでありますけれども、その中にありまして、それではその雪
をどのように利活用するかということにつきましても非常に大事な問題だと理解をしているところであり
ます。件のほうでも北庁舎に特別この北村山地区の雪対策について克雪・利雪の総合的な取り組みをしよ
うということでプロジェクトを編成しているようであります。尾花沢市においても利用雪についてはネド
の補助事業によりまして色々やっているわけでありますけれども、まもなくこのネドの補助事業において
も終了する予定になっております。克雪と併せまして利雪のあり方についてこれからも特と研究していく
ことが尾花沢市の雪対策に繋がっていくのではないかなとこのように認識をしておりますのでご理解のほ
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平成 19 年 12 月定例会 星川 剛議員 一般質問
どをお願いを申し上げます。
以上でありますけれども、あとは副市長・教育長からの答弁にお願いしたいと思います。答弁足らずの
点がありましたらまた再質問によって答えさせていただきます。ありがとうございました。
◎議 長(菅 原 信 博 議員)
副市長。
◎副市長(笠 原 憲 治 君)
合併に対するご質問をいただきましたので、お答えを申し上げます。
先程、伊藤議員さんのご質問に対しまして市長の方からも答弁がありましたけれども、県では 18 年 3
月、所謂昨年の 3 月に山形県市町村合併推進構想というものを策定しまして、県内 6 つの枠組みを示され
たところでございます。この枠組みにつきましては、これまでの地域の歴史的な文化的な特性、また通学
なり通勤・買い物などの日常生活圏そして環境や病院など、所謂行政サービスの協同事業などとの状況を
踏まえた上で、県の方で策定されたもので、県としましては合併を強力に推進するという視点で、その議
論を進めるためにこの構想を示された、出されたというふうに理解しております。このため、現在県の方
では知事を囲んでの県内ブロックごとのお話し合いや、また村山地域7市7町からなります「村山地域の
将来と市町村合併を考える懇談会」などを開催されておりまして意見の交換などが行われておるところで
ございます。会議におきましては、合併の必要性は充分理解するものの、枠組みの問題また時期の問題な
どについて、いろんなご意見が出されているというふうにお聞きしております。
現時点におきます県の考え方についてでございますけれども、構想での枠組みというものを提示してい
るわけでございますけれども、これにこだわることなく合併可能な市町村から進めてほしいというような
考えでありまして、来年度の予算編成についても合併に対する予算の支援策について相当意を用いた要求
になっているとうかがっております。
今後、人口の減少なり少子高齢化の問題、また過疎化の問題等が進むわけでございますけれども、市民の
皆様方の今後とも安定した行政サービスを提供していくためには、広域的な合併、県の方でも推進してい
ます合併につきまして避けては通れない問題だと私なりに認識しているところでございます。今後そうい
った意味で、国や県に対しまして、合併を進めるための環境整備、また合併に対する支援策を強く要望し
ていきますと共に、合併に関する各種会議などに積極的に参加していくべきものだというふうに考えてお
るところでございます。以上でございます。
◎議 長(菅 原 信 博 議員)
教育長。
◎教育長(鈴 木
忠 君)
お答えいたします。文部科学省による全国学力調査が実施されまして、更に現行の学習指導要領が改定
するときにあたりまして、教育の方向性を見据えて実践をしなければならない時期に、大変貴重なご提言
をいただき大変ありがとうございます。
全国学力調査については佐藤主幹の方からお答えを申し上げ、私のほうからは今後の教育の方向性につ
いてお答えを申し上げます。
特に、
ゆとり教育と基礎学力についての考え方を申し上げたいと思いますが、
現行の学習指導要領は、以前の詰め込み教育、それから児童生徒の受身の教育の弊害を是正するために実
施されており、
「ゆとり」教育と称されているところでございます。
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平成 19 年 12 月定例会 星川 剛議員 一般質問
ゆとり教育の趣旨は、単なる知識や技能を中心とした学力ではなく、子供たちに自ら課題を見つけ、自
ら考え課題を解決するという「自己教育力」を身につけさせることをねらいとして、その力が基礎学力
を習得することに結びつくというふうな考え方でございます。
従いまして、本来は「ゆとり」か「基礎学力」かという2者択一の概念ではなく「ゆとり」の中で「基
礎学力」を養うということをねらいとしているわけでありますが、新しく教育課程に導入された「総合
的な学習の時間」の活用のあり方やそれから完全学校週5日制のより新たに休業日となった土曜日の過
ごし方などに問題がありまして、本来身につけていなければならない基礎学力が十分に身についていな
いというご批判をいただいているところだと思います。また、先程星川議員さんからもありましたよう
に、経済協力開発機構によります国際的学習到達度調査の結果に現れ、小中学生の学力、特に学習した
知識や技能を実生活の中で活用していく力が劣っているとのご指摘をいただいておりますし、また先日
公表されました高校の成績におきましても、読解力・数学的な基礎理解力・科学的な理解力の3領域に
おいて、全て前回よりも順位が低下して、学力の下降傾向が懸念されているとことでございます。
このような状況を受けまして文部科学省では来年3月までに新学習指導要領を改訂し告示する予定にな
っております。
ただ、改定された新学習指導要領でも教育の基本的な考え方に大きな変更はないとされておりますの
で、先に申し上げました「自己教育力」の育成をめざしながら、週1∼2時間と予想されていります学
習時間の増加及び教科と密接な関連をもたせた総合的な時間の実施などにより基礎学力、特に理科・数
学・外国語等の教科の充実を図っていきたというふうに考えております。
また、基礎学力は学校の努力のみで身につくものではないというふうに思います。ある先進国の中学校
2年生の家庭学習の状況調査の結果を見ますと、日本の中学生の家庭学習時間は最下位に近い状態でござ
います。むしろ、これだけの少ない学習時間で国際的な調査である程度の成績を収めていることの方が不
思議でもあり、日本の学校教育がしっかり行われている結果ではないかと思います。
北村山地区のある中学校では、家庭学習のあり方まで含めた指導の研究に取り組んでいる学校も出てき
ておりますが、保護者の方々からも協力をいただきながら家庭でもきちんと学習に取り組む習慣を小学校
の時期から身につけさせていきたいとこんなふうに考えております。以上でございます。ありがとうござ
いました。
◎議 長(菅 原 信 博 議員)
教育指導主幹。
◎教育指導主幹(佐 藤 淳 一 君)
それでは私の方からは今年行われた学力テストの結果について申し上げたいと思います。今年実施され
た全国学力調査及び児童・生徒の家庭生活や学校生活をアンケート形式で調査しました学力状況調査の結
果が10月に文部科学省から公表されております。
山形県は小・中学校とも全国平均を大きく上回るや異変優れた成績でしたけれども、本市でも受験した
小学校6年生、中学校3年生の国語・算数数学のすべての項目で、国のみならず県の成績と比較してもご
安心していただける成績でした。
すでに、個々の児童生徒の学力調査の成績につきましては、面談などを通して手渡しておりますし、本
市の詳細な成績や生活状況の分析も終了し、それを基にした各小中学校の分析結果も校長名で全保護者に
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平成 19 年 12 月定例会 星川 剛議員 一般質問
通知しております。
当然のことですけれども、今回の検査は学校教育活動の一部の評価であることを認識し、この成績に一
喜一憂することなく今後も指導にあたっていきたいと考えているところです。以上です。
◎議 長(菅 原 信 博 議員)
企画課長。
◎企画課長(渡 辺
修 君)
」
星川議員にお答えを致します。先程、雪の利活用のことで、現在進めておりますネドの共同開発により
ます実証試験のことにつきましての考え方が示されたところであります。基本的には市長が申し上げたと
おりでございますが、若干補足をさせていただきたいと思います。
このネドの事業につきましては、現在も実証試験を行っているところでございますが、16 年から 20 年
までの 5 ヵ年に渡る実証試験ていうふうな形で、ネド 50%市が 50%とういことで事業をさせていただい
ております。大変厳しい財政状況の中で市費を投じて今利雪をどうするのかということで実験をやってい
るわけでありますが、当然克雪を重点的に進めるということも大変確かに大事かというふうに思っていま
すし、ただ利雪についても先程市長の答弁にもありましたように大事な課題だということで、いかに利用
していくかということで実験を致してございます。これまでの実証試験につきましては、湿度がかなり削
減をできる。それから冷熱効率が本来ですとホームエアコンで 1 台ないし 2 台の削減効果が見られるとい
うことでの環境面なんかの効果も出てきておりますし、今現在各企業さんにおいてこういうふうなネドの
データを使って企業の方に設置をしたいというふうなお話がなされているように聞いております。これか
ら大変厳しい財政状況を踏まえまして 20 年度までの事業になっておりますが、できるだけ経費を削減を
いたしまして、契約終了後におきましてはきちんとした整備されたものもありますので、それはネドさん
の方から寄贈を頂くような仕組みもなってございますのでそのへんの有効活用も当然していかなくちゃな
んないのかなと思いますが、そのへんの金額等の経費等の問題もございますので充分検討して参りたいな
というふうに考えてございます。以上でございます。
◎議 長(菅 原 信 博 議員)
星川議員。
◎3番(星 川
剛 議員)
大変、全国一成テストの問題教育長並びに課長からお聞きしまして、大変安心しました。というのは尾
花沢ではあまりにも少人数過ぎ複式教育が、学習が殆ど、まあ半分くらい行われているわけです。そうい
う面で学力テストの結果がどうなのかという心配しておりましたけれども、只今の説明を聞きまして非常
に安心し現場の先生方各位に対しまして大変感謝を申し上げるものであります。
次に、所謂事業の問題であります。今年度はスイカが良いために非常に農家の方々も明るい。街全体も
活気がついております。こういう一つのこと、スイカという生産物の良好なことによって街自体が明るく
なる。市の行政も何億という予算を使って行政効果を上げるために努力をしているわけなんだ。何でもか
んでも財源がない皆削って、そして市民のための明日への希望も建設的な意欲もなくす、ましてや市職員
の給料カットもそうであります。簡単である。簡単に 6 千万も財源を得ることができる。これは良いでし
ょうけれども、そういう簡単なことばかりやっていたのではいつまでたっても改革にはならない。来年度
実施して再来年はこの 6 千万の財源が余分に入る、市職員の報酬をカットしなくても良いだけの財源が収
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平成 19 年 12 月定例会 星川 剛議員 一般質問
入として見込めるというならばそれは結構でありますけれど、そういう見込みがないと思う。総務省あた
りでも地方交付税は今後 10 年間は伸びないということを言明しております。だから今の中で財政運営の
中で何とかしていかなければならない。そのために余計なものは、余計とは言いませんけれども、余裕の
あるものは切り捨てる、こういうことを私は申し上げているんです。利雪と克雪、どっちが市民にとっと
大きな問題点であるか。余裕があるならば財政的に余裕があるならば利雪も結構であります。しかし、今
のように財政が緊縮していれば、そういう予算もこれはむしろ民間団体等に民間の有志団体に委任すべき
であります。現に翁塾なんかは一生懸命やろうとしている。市でなくて民間団体にそういうものは移して
しまう。そしていくらかでも予算の有効近い道を検討していく、これが重大だというんです。市長は何か
言いますとすぐ第5次振興計画に基づき、一つ覚えのように第5次振興計画と言っております。第5次振
興計画なんかは机の上の唯作文であります。財政的な予算的な裏づけがあるわけはない。だから尾花沢で
事業するにはそういうなは駄目なんだ。もっと例えばこの間質問したように流雪溝の整備問題でも、市長
はそう急に言われてもなかなかできないんだこう。
流雪溝もずーっとこう計画を立ててやっているんだと。
そう言うのでなくて今の現状を見てみますというと、その地域の要望されたところ、または国・県でやっ
てやるといったところ、そういう所を重点的にやっているわけであります。私が言うのはそういうんでな
くて、尾花沢というのは雪が多いんだから特殊地帯なんだから、尾花沢全体のしかもダムというものがあ
る。新鶴子ダムという水源がある。その水源を利用して尾花沢全地に流雪溝を整備する計画を立て、それ
を国に行って認定してもらって、予算的な措置をしてもらってしかもそれを実行するんだと、こう申し上
げているんです。だから全然その感覚的に違う方向をいっている。こう思うのであります。花にしてそう
であります。非常に余裕のある時なら尾花沢花いっぱい運動が結構でございます。それも大変よろしいこ
とでございます。しかし今財政状態が厳しくて、市の職員の本給まで 1%ないし 2%カットしなければな
らない。そういう時に何が花であり何が雪なんですか。そういう余裕のあるものを遊び心のあるものは余
裕のある時。行財政上に余裕のある時にこそにそれはやるべきなんです。しかし今非常に毎年毎年削減し
なければいけない。
もう今度は財政調整基金は 8 千万円くらいしか残ってないし、
何もないわけですから、
あとは虎の子のようにしている庁舎建設基金に食い込む。
これは今年雪が少なければ良いんですけれども、
豪雪で雪が多くなれば何としてでもこれは取り崩しをするというような考えが当局から提案されてくると
思います。それが財政調整基金、そういうものがなくなって、庁舎建設基金だけになったとそれがあるか
ら新鶴子ダムのダムの償還金延伸には応じられないと県では言うと。そうでなく合併するから、合併する
ためにコミュニティーを無くさないために、尾花沢という歴史と伝統を残すために、市の中心地に市街地
に支所的役割、議会棟も作る必要もないわけですから、支所的なものを 10 億円ぐらいだったら出来ます
充分に。そういうものを建設するんだというふうにして、やっぱり県を県知事を納得させなければいけな
い。やっぱり県知事を納得させるにはそれだけの資料を持っていかなければ、財政的な資料は立派です本
当に。私は感心しました。これだけ立派なものがとにかく尾花沢の市の職員は作れるんだ。それを持って
いってなおかつ県のほうで納得できないとするならば、あとは知事の腹一つだと。さっき伊藤議員の質問
にもあったように、県では合併した市町村には特別な恩典を与えようと、予算的にそれを取り込もうとし
ている。だから尾花沢でも合併を推進するんだと。尾花沢が中心になって 3 市 2 町の県で示されたブロッ
クのリーダー格となってそれを推進していくんだと。その推進していくためにはこうこうこういうことが
条件的に必要なんだと。そのために尾花沢はダムの償還金を延伸してもらいたいんだと言う説得をしなけ
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平成 19 年 12 月定例会 星川 剛議員 一般質問
れば駄目なんです。陳情っていうのは、唯お願いします、何とか頼みますお願いしま、こんなことではな
らない。相手をちゃんと説得しなければ。知事であろうが財務省であろうが、言ってやっぱり理解しても
らうだけの説得力が必要なんです。それによって市民の声も充分に反映させることができる。市長がすぐ
第 5 次振興計画とか市民の声を聞いてとか、ということ言いますけれど、市民の声を聞いてそれを施策に
実行するのは市長の政治的手腕なんです。それをなくして尾花沢の発展性はありえない。この点について
もう一つお願いします。
◎議 長(菅 原 信 博 議員)
市長。
◎ 市 長(小 野 紀 男 君)
大変貴重なご提言ありがとうございました。職員にはですね大変厳しい財政状況でありまして、先ほど
から申し上げているとおり職員の給与カットまで今実施しているわけでありますけれども。そういった厳
しい財政状況の中でも夢のある街づくりをしましょうということで呼びかけておりまして、花の街づくり
にしましてもネドによる事業にしましても、そういた将来の尾花沢市の夢のある街づくりを遂行するため
にいろいろな事業をやっているんだということを是非ご理解を願いたいと思います。星川議員が力説をし
ております克雪対策についてもですね、
ご案内のとおり今鋭意この事業が進んでいるところでございます。
新鶴子ダムの水の利用につきましても、ようやくですね国のほうでも、尾花沢市長が常に言っていること
にも一理あるということで理解を示しているようなんです。まだまだ議員の皆さん方と強力な運動を展開
していけば、新鶴子ダムの冬場の流雪溝による水の利用も実現可能になってくるとこのように思っており
ます。常に県にも国にも尾花沢市の実情を訴え続ければこそ、活力のあるふるさとが生まれるものだとい
うことを肝に銘じながら、これからも要望活動をやってまいりたいとこのように思っておるところであり
ます。知事さんとの話でありますけれども、特別この前知事のほうから時間を取っていただき、かなりだ
いぶ前になるんでありますけれども、星川議員が仰せのようなことも含めながら知事のほうに尾花沢市の
実情、それから合併に向けた考え方などをお話を申し上げてまいりました。知事もだいぶ尾花沢市のこと
については理解を示されているようでありますけれども、いかんせん県のほうの財政事情は、新聞紙上で
みればですね危機的状況にあるというなことでありまして、新年度におきましても 90 億円を越す歳出削
減をしなくちゃならないというなことも知事のほうからお話をいただきました。そのような中で、合併を
推進していくための一つの方策としてのダムの償還金対策の延長、それから庁舎問題の対する取り組み方
必要性、まさに星川議員が仰せのことを中心にしながら申し上げてまいりました。先ほど申し上げている
とおり、知事のほうもだいぶ理解を示されまして、それでは再び県のほうの財政支援プロジェクトのよう
なものがあるわけですけれども、その皆さん方にも話をしておくから、特とこれから話を進めていくよう
にというようなことでありました。償還期限の延長だけでなくて、何かその延長にこだわらずいろいろな
ことがあればそれも含めながら、これから検討させていただきましょうというようなお話もありました。
先ほどから申し上げているとおり、粘り強く運動を展開をしてまいりたいとこのように思いますのでよろ
しくお願いします。ご提言ありがとうございました。
◎議 長(菅 原 信 博 議員)
星川議員。
◎3番(星 川
剛 議員)
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平成 19 年 12 月定例会 星川 剛議員 一般質問
どうもいろいろご答弁ありがとうございました。続きはこの次の議会でやりますんで、この場合これで
終わります。
◎議 長(菅 原 信 博 議員)
以上で、星川剛議員の質問を打ち切ります。昼食のため午後 1 時まで休憩いたします。
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