数理統計学 第24回 西 山 前回のポイント • 検定の要点 → 帰無仮説と対立仮説 • 第1種の過誤と第2種の過誤 • 検出力 → 間違い(異常)を発見できる確率 検定の目的は間違い(異常)を発見すること 検出力は高いほど良い 判断ミスに二通りあり 必要のない検査をした 意味では生産者危険 欠陥車に気が つかないので 消費者危険 検査結果 正常 真 相 異常 第1種の 正常(H0) あいまい 過誤(α) 異常(H1) 第2種の 過誤(β) 検出 検出力の考え方 右側対立仮説のケース 帰無仮説(H0)を決め 限界値を出し 対立仮説をとって 検出力を求める 復習問題【1】 無作為に20台の自動車を抜き取りブレーキ性能検査をす る.60Km/hからの停止距離の基準は60メートルになって いる.停止距離が平均で2メートルも基準値を超えているな ら、直ちに工場を停めて原因を探る調べる必要がある.限 界値をいくらに設定して検査をすればよいか?また検出力 はいくらか?但し、ブレーキを踏むタイミングなどから、停止 距離の測定値は2メートルの標準偏差でばらつく. H 0 : 元の平均() 60 vs H 1 : 元の平均() 62 正常 異常 復習問題【1】の考え方 ① 帰無仮説(μ=60)を真と前提して、サンプルの平均値の分布図を 描きます.中心とばらつきを書き入れます.⇒棄却域を定義します ② 限界値を求めます ③ 対立仮説(μ=62)が真のとき、サンプルの平均値が限界値を超え る確率を求めます 練習問題【2】の解答 22 限界値 60 1.645 60.74 20 P X 60.74 | H 1 60.74 62 P Z 4 / 20 P Z 2.82 0.0024 1から引くと 検出力は 0.998 復習問題【2】 前回の復習問題【2】に関して、検出力を求めなさい.但し、 全体の平均(=母平均)は65点に上がっているとして計算 しなさい. 再掲:復習問題【2】 統計学の試験のあと5人の学生をランダムにとって得点を調べると、 78、 61、 96、 83、 52 だった.履修者全体の平均(=母平均μ)は60点を超えていると判断していいか. 但し、得点分布の標準偏差は毎年20点前後で安定している.今回も20としよう. ヒント: 平均=74、分散推定=308.5 復習問題【2】の考え方 全体平均が65点のとき、5人の得点から 『 平均は60点でなく65点だな』と分かるかど うか、ということ. 1. 限界値をいくらにして検定していますか? 2. 全体平均が65点のとき、サンプルの平均が限界 値を超える確率はいくらですか? 復習問題【2】の解答 検出力1 P X 74.7 | 母平均 65 X 65 74.7 65 P 8.94 8.94 PZ 1.09 0.13786 検出力はたった 14%
© Copyright 2024 ExpyDoc