【血痕の識別 -ルミノールによる発光試験-】 ルミノール反応の実験は

【血痕の識別 -ルミノールによる発光試験-】
ルミノール反応の実験は知識の整理がなされないまま、ただただ発光現象の観察のみで終わ
ってしまう学生が多いと感じられたので、本日の実験の内容理解とレポート作成時における復
習に利用できるように以下の復習問題を解いてみてください。
復習問題 その1
・ルミノール反応は、ルミノールがジアザキノン中間体を形成することで高エネルギー状
態であるフタル酸ジアニオンを生成した後、より低エネルギーで安定した状態の 2-アミノ
フタル酸ジアニオンを生成する反応である。この高エネルギー状態のことを
状態と呼び、低エネルギー状態のことを
・ルミノールの発光試験は、
状態と呼ぶ。
状態から
状態へとエネルギー準位
が低下する際に発せられる光を観察したものである。
・ルミノール反応は、ルミノールから自動的に 2-アミノフタル酸ジアニオンへと変化する
反応ではなく、ルミノールと活性酸素が反応することによって生じる
反応の
一種である。
・活性酸素は過酸化水素が分解されることによって生じる非常に不安定な物質であり、物
質を( 酸 化 ・ 還 元 )させる性質がある。この過酸化水素から活性酸素への分
解を促進し、反応自体をより早く起こすための触媒として血痕の場合は赤血球のヘモグロ
ビンに含まれる
※
が利用されている。
このプリントおよび最後の考察の解答は全ての班が衛生薬学実習を終えた段階で公開します。何か質問
がある際は教員ではなく衛生・毒性学講座の松本(4111114)まで。また解答を公開するサイトは左の QR
コードからどうぞ(他にもルミノールの説明に使用したスライドの PDF ファイルなども公開しています)
QR コードを読み取れない方は http://matsuken-eisei.seesaa.net/ へ
復習問題 その2
・以下の表の空欄を埋めよ(得る or 失う)
電
子
酸
素
水
素
酸 化
還 元
・酸化剤とは自らが( 酸
化 ・ 還 元 )され、相手を( 酸 化 ・ 還 元 )
する物質のことである。
・FeCl3 は( 二 価 ・
・FeSO4 は( 二 価 ・
三 価 )の鉄イオンと塩素イオンから成る。
三 価 )の鉄イオンと硫酸イオンから成る。
・ルミノールはどちらか
【column】
ルミノールと過酸化水素の酸化反応による発光と同じく、ホタルの発光もルシフェリン
という発光物質がルシフェラーゼによって酸化されることにより起こる。これらの光は蛍
光と呼ばれるもので、文字通り蛍の光もその 1 種なのである。
考 察
考察 1 : 大根でルミノール反応が出るのはなぜだろう?金属のせい?
考察 2 : 酸化剤にも還元剤にもなる物質を調べて、その反応式を見てみよう。
考察 3 : ペットボトルのお茶に含まれるビタミン C は何のために入っているのか?
考察 4 : 考察 1 とは違い、金属を含有することでルミノール反応を示す食品を調べ、
さらにその食品は加熱すると反応を示すか調べよう。