2.5 地震の予測

2.5 地震の予測
総合科学 4年 佐野輝美
目次
はじめに
海溝型地震の予測
活断層で起こる地震の長期予測
強震動予測
確率論的地震動予測地図
はじめに
ほぼ同じ地域に同程度の規模をもつ地震
が、繰り返し起きている(例;南海地震)
将来の地震について予測可能
ただし、10~30年程度の確率を
用いた不確定な予測
海溝型地震の予測
海溝型地震・・・ 海溝付近の地震
(主にプレート間地震)
宮城県沖、千島海溝沿い等の長期的な
海溝型地震活動について、予測する。
例えば・・・
2003年3月に十勝沖でM8.1前後の地
震が発生する30年確率を60%と公表
大地震が発生してから次の地震が発生
するまでの間隔は、共通のしくみによっ
て決まると考える。
地震発生後にはいつも同じ(新しい)状況
に戻るという考え
更新過程
今後30年以内に発
生する確率を求める
・確率分布を決める
パラメータ
・最後の地震発生時
発生確率とは
条件付き確率。最後の地震発生時から
現在までその地震が発生していないと
いう条件のもとで30年以内に発生する
確率のこと。
活断層で起こる地震の長期予測
活断層・・・ 将来そこで地震が起きると考えられ
ている断層。
長さはマグニチュードと関係。
日本の活断層での地震は繰り返しの
感覚が長く、短くても1000年程度。
歴史資料では不十分
地表地震断層
地表に現れた震源
断層。
このようなズレが累積し、活断層になる。
活断層の過去の活動を知るには・・・
トレンチ調査法;過去の地表地震断層が地
下に埋まっている場所を掘り、上下の地層
の年代を求める事で地震発生年代やずれ
の量を測定。
地震発生確率はトレンチ調査に
よる繰り返し間隔と最新の活動時
期から計算。
1995年阪神・淡路大震災の原因となっ
た野島断層について、30年以内の発生
確率は0.02~8%程度
数%の確率は決して低
くなく、むしろ可能性が
高い
強震動予測
強震動予測・・・特定の地震が発生し
た場合の各地の揺れの予測
強震動(地震の強い揺れ)に備える
にはあらかじめどのような揺れにな
るのか、わからなければならない。
①論理的手法
②半経験的手法
③経験的手法
強震動を決める3要素
①震源
②地震波の伝播
③地盤
経験的手法について
マグニチュードが大=揺れも大
一定のマグニチュードに対して、震源からの距離に
よってどのように揺れが小さくなるか表した式
=距離減衰式
経験的手法は距離減衰式から揺れの程
度を予測
しかし、経験的手法から得られる予測値
はある一つの想定に対し、かならずしも
よい予測ではない
半経験的手法
(短周期地震波予測)
=小地震の記録を重
ね合わせ、大地震の
記録を作り、予測する
論理的手法
(長周期地震波予
測)
=コンピュータ内に
地下の構造モデル
を作り、揺れを計
算
ある一つの想定に対し、精度の高い
予測を与えるが、実際の状況がその
想定からはずれているかもしれない
確率論的地震動予測地図
確率論的地震動予測地図
不確定な現象を確率
で表す
=各地の将来の揺
れの予測を地図とし
て表したもの
特定できる震源(大地震)とできない
震源があり(大地震以外)、できない
震源予測手法について紹介していく。
現在の地震活動利用方法
・なめらかな地震活動分布を得る手法
・地震地体構造区を用いた予測手法
地下の状況がほぼ同じであり、地
震活動も一様だと考えられる地区
確率論的地震動予測値図の3つのパラメータ
①今後何年以内に見舞われる揺れを考
えるか
②どの程度の揺れの強さを考えるか
③どの程度の確率を考えるか
以上を考えるうえで、ハザード曲線
を得ることが重要になる。
確率論的地震動予測値図には
①期間をきめて、特定の強さの揺れ以
上となる確率
②特定の確率で見舞われる揺れの強さの
最小値
を示す図が用いられる。
各地でハザード曲線が得られれば、ど
んな揺れの強さも、確率も、容易に図
を作ることができる。