地震がわかる。 朝日新聞社 総合科学専攻 佐藤紫帆 目次 地震列島近未来 研究最前線 阪神・淡路大震災の教訓 地震列島近未来 このテーマでは日本列島の中で特に危険な九つの地域が 紹介されている。東海地域はもちろん巨大な津波を伴う可 能性を持つ十勝沖・根室沖、地震空白域である秋田県沖、 宮城県沖、首都圏直下地震の危険性がある南関東、西日 本に大きな揺れと津波を引き起こす東南海・南海地域、起 こればM8になりえる伊那谷断層帯や糸魚川-静岡構造 断線断層帯、そして九州地方の代表的な活断層である布 田川・日奈久断層系である。そして地震調査研究推進本部 が選んだ98の活断層の分布図が載っている。 研究最前線 この章では地震が起こるメカニズムについてと、地盤の 観測や地震・津波のシミュレーション、活断層の発見等、 最近の地震研究について紹介されている。 1970年代後半から使われ始めた地震波トモグラフィー という、地表で発生させ地下深くから反射して戻ってきた 振動を地震計でとらえて地下断面を映像にする方法や、 GPS観測網の整備、シミュレーションシステムの向上が 日本の地震研究におおきく貢献している。 阪神・淡路大震災の教訓 ここでは1995年の兵庫県南部地震の被害状況から、こ れからの災害への教訓を提示している。災害伝言ダイヤ ルの仕組みや使い方、必要な防災グッズや心得の紹介、 防災マニュアルの確認のような個人での問題から、被災 者への支援策では何が重要であるか、原発震災の対策、 震災時の医療についてや震災に強い町づくりの方法など、 行政に対するものも数多く書かれている。 感想 テーマによって著者が違っていて、分かりやすく書かれ ているものもあったが、専門用語が多く使われていて、 いまいちよくわからない部分もあった。 地震研究は多くの研究分野を含む総合科学なのだと 感じた。 地震情報がわかるホームページの紹介や、日本の被害 地震年表、キーワードの詳しい説明など、初心者にも役 立つ様な情報がたくさん載っていた。
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