大地の躍動を見る 第2章 歴史から見た地震

大地の躍動を見る
第2章 歴史から見た地震
総合科学4年 小山研究室
3031ー6023 谷村 麻由子
紙の裏から現れた鯰
・昔の地震の記録
信用できるものとしては地震直後に書かれたもの。
1.「いつ、誰が、どのようにして」記録したのかを調べる
2.それらの被害がどこに起きたかを調べる
3.現在の地図と当時の被害の様子をまとめ、最近起こった地
震の被害の様子を比べて、震源の位置や規模を推定する
・「眼光紙背に徹す」→本や文章が表面的に示すことだけでなく
その裏の深い意味まで読み取る、という意味のことわざ
本当に紙の裏から重要な発見あり!!
(例)「勘仲記」(鎌倉時代後期の公卿藤原兼仲の日記)に
大鯰が描かれている→日記に使われている紙をはがし、紙
の
裏に書かれている文字から、それまで1099年に近畿地方で
起こったと考えられている地震が、実際は紀伊半島沖から
南海地震(紀伊半島から四国沖)
・繰り返し起きるので区別するため
に発生した都市の年号をつけて昭
和南海地震、安政南海地震と呼ば
れる。
原因 図2-1①
この地域でフィリピン海プレートがユー
ラシアプレートの下への沈み込みによ
る。紀伊半島四国沖合100~200km
にある南海トラフから日本へ沈みこんで
いる。→その時に接している日本のプ
レートを引きずり込む。
図2-1②
海へ突き出た半島が毎年数mmの割
合で沈みこんでいる一方で半島の付け
根あたりの場所では、わずかに上昇し
ている。
図2-1③
ユーラシアプレートとフィリピン
海プレートが合わさったところ
が破壊して、元に戻るときに地
震が発生。
半島は、地震前に比べて陸側
に大きく傾斜し、先端部は上昇
して、付け根部分が沈む。
・1946年昭和南海地震
室戸半島の付け根部分にあたる高知県
高知市では、土地の沈み込みで海水が
浸る。
室戸半島の先端の室戸岬では、土地が
1m以上上昇
繰り返す南海地震
・記録として、日本書紀から日本三代実録に地震について書かれ
ている。
・古代の日本の大地震は多く記録されているが、中世には、京都
や鎌倉などを除き、失われている。
地震考古学
寒川旭(地質研究所)が開拓
1498年 7月9日 明応南海地震 発生
・近畿地方と日向灘を襲った地震として知られている
が、中国の歴史地震資料から上海付近で津波あったと考えその
原因が、南海地震であると結論。
1498年9月20日 明応東海地震 発生
・これまでは東海地震が先に起こり、南海地震が起こる例ばかり
だったが、逆転して起こった。
1944年 昭和東南海地震 発生
震源域は紀伊半島の東の沖に位置し、東海地域は、ずれずに
残った。この残った部分がそのうちにずれずはずで、これが
「東海地震」である。1854年の安政東海地震から150年近く経過
しているのでひずみも限界ではないか。
活断層の不思議さ
・地震は震源断層のずれによっ
て起こる。大きいと地震によって
地表にでてしまうことがある
→地表地震断層
・1995年兵庫県南部地震にお
いて淡路島北部にある野島断層
が出現し、土地に段差が作られ
た。(図3)
・活断層のほとんど同じ場所が
繰り返しずれる。
図3
→断層の弱面は破壊を起こして
ずれ、地震の波をだす。いったん
破壊された弱面がまたくっつき、
強くなって力が蓄えられ、無理な
力が大きくなってくるとついに」耐
えることが限界となって同じ場所
が再び壊れてずれて地震を引き
起こすと考えられる。
地震の長期予測
1995年兵庫県南部地震以降、活断層の調査が進
められている。
トレンチ調査…活断層のある場所に数メートルn浅
い穴を張り、昔の地震の傷痕を調べ、いつ地震がお
こったかを知る調査。
・図4の上は、日本中の活断層、下は、過去400年
間に陸域で起きたマグニチュード7以上の地震。
これらの地震は、活断層で起こる地震と考える
・今後30年間に起こる可能性がどの程度か調べた
結果が、断層ごとに公表されるようになった。
(例)
糸魚川ー静岡構造線 松本市牛伏時断層 14%
・昔起こった地震を調査し、今後の地震に備える。
長期予測の研究は一つ一つの謎を解決して、いく
ことで発展していく。
図4