フーコー 言説の機能 I. 言説は、話を管理する。 客体に関する話・実践に関する話・あるトピックに関する話・ 誰がある話ができるかを管理する機能をもつ。 「管理」ということは、 • できる話、できない話(内容によって)。 • ある話ができる状況、できない状況。 • ある話ができる話し手、できない話し手 。 1 フーコー 言説の機能 II. 言説は、知識を管理する。 知識体系から他の知識を取除く、濾過する、 選抜する機能を持つ。 これに加え、 言説は知識体系によって濾過される、選抜される。 例は、制度である学問の専門分野・科学・医療科学など。 • 前コペルニクス天文学 • 前メンデルの生物学 2 フーコー 言説の機能 III. 「知識」を管理する方法論 言説は真理を探す→特定する→決める→正当化する。 真理として認可されていないことを「虚偽」にする。 • 真理への「意志」、真理の「成立」に、 歴史(経緯)がある。つまり、伝達されてきた知識体系には 構築された真理があり、こうした真理が継続する。 3 フーコー 言説の機能 • 「真理」にしたいことに、裏づける・証明する方法論を 決める(「科学的方法論」、「客観的な証明」、 数値計算法など)。そうでない(主観的、定性的、 質的)方法を取除く(=排除する)。 • 「真理」を発信する(伝達する)形態を決める制度: 出版制度や編集、メディアの流通領域や流通方法な ど。 • これらの方法を通して「真理」として認可されてきた ことを、「知識」にする。 4 フーコー 言説の機能 IV. 近代化している社会の中に信じられていることは、 「知識」やその構成と伝達は民主的で、透明感がある、 真実であることである。 知識体系が他の知識を排除している・禁止している。 が、こうしたことは、言説によって隠されている。 5 ブルデュー、フーコーの復習 「言説」は、社会(又は社会の中の諸集団)で流行している 規範を表す、すべての表現する(解釈される)物を指摘する。 ・ブルデューによると、言説はこれらの規範を日常的な様々 な状況でそれぞれに現す。 ・フーコーによると、言説を可能にするのは社会規範であり、 言説は規範を強化する・維持して行くものである。 6 ブルデュー、フーコー、サイードの復習 他者とのやり取りやその中に機能する「権力」関係 は、言説の意味や内容を決める力を持つからこそ 「権力」又は「象徴的な権力」と呼ばれる。 ブルデューによると言説は「観ずる対象そのものを 生起させる」権力も持つ。 7 ブルデュー、フーコー、サイードの復習 知識とは、言説に成立されている体制である。 ・フーコーによると、言説をつくる、維持する施設は社会 を成り立つ施設、主に学校、教育制度、学問分野である。 言説と言説を維持する社会施設以外にある適合しない ものは禁止される・知識体制から排除されることが多い。 8 言説→知識体系→実現されること 用語の定義: ブルデューがp37に言う、 言説の「観ずる対象そのものを生起させる」、そして 「存在へともたらす生産力」による構成されてきた知識体系、 フーコーが言う言説が作った「知識」の領域とその力(=言説 は全ての知識を構築し、全ての知識を濾過する。そして順次に知識 によるまた強化されて行く能力) による構成された知識体系、 知識的な枠組み、知識体系は、 「事実」と考えたいことに基づく政策を通して事実を実現する。 9
© Copyright 2024 ExpyDoc