サイード: 西洋以外の諸国に関する研究・知識体制の中の

ブルデュー、フーコー、サイードの復習
「言説」は、社会(又は社会の中の諸集団)で流行っ
ている規範を表す、すべての表現する物を指摘する。
ブルデューによると、言説はこれらの規範を現す。
フーコーによると、規範は言説を可能にするし、
言説は規範を強化する・維持する。
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ブルデュー、フーコー、サイードの復習
他者とのやり取りやその中に機能する「権力」関係
は、言説の意味や内容を決める力を持つ。
ブルデューによると言説は「観ずる対象そのものを
生起させる」権力も持つ。
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ブルデュー、フーコー、サイードの復習
知識とは、言説に成立されている体制である。
フーコーによると、言説をつくる、維持する施設
は社会を成り立つ施設、主に学校、教育制度、
学問分野である。
言説と言説を維持する社会施設以外にある、
適合しないものは禁止される・知識体制から排
除される可能性が高い。
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ブルデュー、フーコー、サイードの復習
サイードによると、
言説に成立されている知識体制はその知識体制の
対象・客体と同一化される・一体とされる。
知識体制と一体とならない(他者の)知識・言説は、
知識体制に介入しないように排除される、 禁止さ
れる(濾過される)。
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ブルデュー、フーコー、サイードの復習
サイードによると、
知識は以前から伝達されて来た言説にもとづいているため、
権力・信頼性をもつ。
その結果、知識や言説の権力を持つ者(管理する者)は、
そうではない者の現状を代わりに語ってあげる。
この意味で、「東洋」の「従属人種」は、自分について西洋に
語ってもらう者となるはずである。
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サイードの説(歴史的な背景)
西洋以外の諸国に関する研究・知識体制の中
の「オリエンタリズム」とその機能
歴史背景:
古代ローマ帝国に、近東との貿易や外交関係があった。
が、7世紀から、「ヨーロッパ」の中心は地中海と
ローマ帝国から北へ移動しつつあった結果、
昔からの「東方」との貿易などの関係が
その時点から中止され、東方は「他者」にされた。
他者としては、ヨーロッパの知識体制の客体ともなった。
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サイード
十字軍やオリエンタリズム分野のタイムライン
イスラムがローマ帝国の領域に迫って、脅かされたヨーロッパの反応:
イギリスの十字軍
ローマ法王の下での十字軍
1. 第一
1095年~
(1096)
2. 第二
1144年~
(1147)
3. 第三
1187年~
(1189)
4. 第四
1194年~
5. 第五
1201年~
(1204)
6. 第六
1216年~
(1271)
7. 第七
1227年~
8. 第八
1240年~
(1248)
9. 第九
1269年~
(1270)
10.第十
1271年~
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サイード
西洋以外の諸国に関する研究・知識体制
の中の「オリエンタリズム」とその機能
用語の定義:
ブルデューがp37に言う、
言説の「観ずる対象そのものを生起させる」、
「存在へともたらす生産力」による厚生された、
フーコーが言う言説が作った「知識」の領域とその力
(=言説は全ての知識を構築し、全ての知識を濾過する。そして順
次に知識にまた強化されて行く能力)による厚生された
知識的な枠組み、知識体制は、
「事実」と考えられて行くことに基づく政策を実現することを可能にした。
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サイード:
西洋以外の諸国に関する研究・知識体制の中
の「オリエンタリズム」とその機能
1.先入観を強化する(けっして先入観を覆すこ
とをしない)
2.オリエントに関する「学習」を提供するから、
全ての聴衆はオリエンタリズムの「生徒」や「消
費者」になる
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サイード
西洋以外の諸国に関する研究・知識体制
の中の「オリエンタリズム」とその機能
3.オリエント自体からの知識源泉ではなく、オ
リエントに関する西洋人が生産した知識源泉
を提供する
4. 本当のオリエントを「修正」し、
西洋人にとってのみ「真理のオリエント」を提供
する
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サイード
西洋以外の諸国に関する研究・知識体制
の中の「オリエンタリズム」とその機能
5.真理とは、現地からの、性格の事実によるも
のではなく、オリエントに関する判定としての
「真理」になる
6.オリエントまたは「東洋人」に、現実、真理と
思われてしまう単純な表現を適用する 「東
洋人」= ○○
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