ブルデュー 第3週

ブルデュー
第3部
1.「コミュニケーションの逆説」
共通言語 ⇔ 個人言語
2.言語交換 =
社会関係を実現する(表現の)やり取り
3.言語市場 =
社会における実際的な関係の中に存在する
言葉のやり取り
4.表現は社会状況の中で交換されるからこそ、
「中立的」な言葉は存在しない。
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ブルデュー
第3部
言説の逆説:
条件・発話者、受信者の個別性による言説の
特異性はあるが、
その特異性(特徴、個別性)さえ
社会枠組みの中に起源がある。
ほかの条件で使われた言語表現との共通点もあるし、
共通する「読み方」も可能にする。
(p24)
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ブルデュー 第3部
• 言語に社会関係の中の「意味」・「読み方」を
付けられること(状況、条件):
ⅰ.文法はその一部に過ぎない
ⅱ.その当時の社会状況・条件による個々人の社会位置
ⅲ.個人や集団の社会位置を決める、変える行動交換
でもある
ⅳ.交換する「市場」=言語市場、社会の中の
全体的なやり取りの場である
ⅴ.上記のi,ii,iii,ivは、意味を(完全に?)決定する。
(p25)
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ブルデュー 第3部
主な引用文
• 言語の共通意味を構成することは「社会的に性格づけられた関係の
うちにおいてのことだ・・・
• コミュニケーションの逆説とはそれが共通の媒体を想定しているもの
+
「個人的経験が社会的に有標であればこそ、コミュニケーションも成立する」
「コミュニケ-ションの逆説」 復習
共通言語 ⇔ 個人言語 この2つ間の相互関係の付け合い。
双方とも我が言語を成立する。
社会の場で使われるからこそ、共通言語が交換のかたちでされる、
共通で解釈されることとなる。 (p26)
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ブルデューの第3部
主な引用文
「共通言語」と「個人言語」の関係性について
もう一度
「ひとつの単語の異なった意味は、
不変の核と、 (+)
異なった市場(状況)に特有の論理との、
両者の関係において定まる」
(p27)
不変の核=共通語=個人以外において定まる言語の使用
市場での特有=個さ又はある集団・層の特徴的な言語使用
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ブルデューの第3部
主な引用文
1.言語交換 =
社会関係を実現する表現。
2.だからこそ、
「中立的」な言葉は存在しない。
(p27の終わりからp28のあたままで)
3.「実は中立=中性の単語など存在していない・・・
階級=階層しだいで、相違した意味や、時に対立した
意味を担う」ことまでも、ある。
(p27ー28)
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ブルデューの第3部 ~
「社会」状況に異なる 表現の読み取り
“靖国神社”
“日本国憲法”
“靖国神社”
“日本国憲法”
湖錦濤
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ブルデューの第3部
主な引用文
「言語というものには・・・起源となる能力がある・・・
集合的に認知されたがゆえに実現され=実現する存在、
というものの表象生を産する・・・
「存在へと もとらす生産力」とでもいうべき権力が受けられて
いるから・・・」
「言語は絶好的権力という夢にとって、
絶好の媒体=支持体なのである。」
P31
言語表現には、現実を「実存へとする・生起する力がある」。
例 : 政治的な演説・政策・法。
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ブルデュー
第3部 ~
言語表現においての現実を実存へとする・生起する力
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