これまでの研究成果

1854年安政東海地震に伴う
余震の特徴と推移
小山研究室
30516008
葛馬 拓
研究目的
東海地震の本震は、M8クラスの巨大地震が
予想される。その余震はM7クラスが考えられる。
よって、そのおき方・影響を知ることは防災上重要で
ある。
1854年安政東海地震は、歴代の東海地震と比較し
て史料の質量とも十分であり、地震の影響を考える
上で今回の研究に適している。
研究方法
図1:『袖日記』本文 安政元年
11月4日の記述
①安政東海地震の震源域である静岡
県内で書かれた日記のうち最も記述が
詳細な『袖日記(7番)』(富士宮)と『日
記・見聞雑記』(沼津)の2つの史料を読
み、地震に関係する記述を抜き出す。
②抜き出した記述を時間、規模、回数
等についてまとめた地震カタログを作
成する。この際、他の天変地異(風水
害、日食・月食)についても抜き出し、
筆者の災害等に対する感度を得る。
⇒日食・月食から史料の正確性が
わかる。
作業結果-地震カタログの作成『袖日記』、『日記・見聞雑記』とも地震カタログ
を作成した。
図2 『袖日記』地震カタログ(冒頭部分)
記述の場所
P12・ru7
年号
天気
月日
嘉永甲寅七年 11・4
時間
晴天 朝静也 五ツ時
地震の
記述
地震の
回数
大地震
夜明方 地震ゆる
P13・lu12
P13・ld6
11・5
P14・lu5
11・7
P14・ld5
11・8
P15・ru10
P15・lu8
P15・lu1
晴天
11・6 晴天
昨夜
昼夜
晴天
薄曇り
朝雨降 八ツ
11・9
今夜
過 晴曇
11・1
0
11・1
1
晴天
今夜
地震の具体的な記述
地響雷の如く 初メ二ツ
小ニして三ツめ地割
ル・・・
大ニ枕ニ響く
今夕日輪の色朱の如く赤
シ
地しん大小 10程度
地しん
七八度
少しツヽ、 万の村・・・(村々の被害
地しん
数度ゆる の程度)
地震
折々ゆる 大阪ハ五日の津浪のよし
地しん大1
ツ、小三度
地しんなし
寒気 晴天 昼
夕七ツ時 小地しん 一ツ
風立
自然現
象
その他
矛盾点・関
係箇所
七つ時地震やむ 本震(M8.4)
2つの史料から・・・
11月4日の本震以降毎日余震の記録があった。
11月9日にどちらの史料も強い余震があった。
(今夜地しん大一ツ・・・/八ツ時分又〃大地震)
余震は本震後1~2ヶ月間が最も多く、徐々に減少
していくこと。また、最大余震は余震が小康状態と
なった本震後10ヶ月の時期に起きていた。
余震の感じ方(回数)に差が見られた日があった。
地震の発生事体の記述に差異が見られた日が
あった。