リージョナルガバナンス論B

リージョナルガバナンス論B
第10週
6月24日 2限
伊藤 裕一
本日のテーマ
地域統合理論のジレンマ
 社会・雇用政策のケース
 マルチレベルガバナンス


カントリーレポートに利用することを考えて見
ましょう。「リージョナルガバナンス」核心部分
です。
地域統合理論?

Supranationalism VS
Intergovernemntalism
EUはひとつの超国家?
それとも国家の集まり?
‘One Europe or Several?’

超国家と考える人の主張

「スピルオーバー」「シナジー効果」



Loyaltyの移動



ひとつの分野での統合が他の分野へ波及する
下位の政策から上位の政策へ
超国家が権力を持つようになると人々はそちらに従うよ
うになる→ますます権力が移行する
では国家は弱体化したのか?
実際に統合はそのように進展したか?
国家の集まりと考える人の主張
EUは政府間が集まってできている
=合意されたのは政府間の最小公倍数
 国民国家の「救済」



自発的に主権を保留したのであって、別に超国
家に取り上げられたのではない
現実にある欧州委員会の影響力は・・・?
結局のところ。。。
現実と理論の整合性にどちらの理論も難あ
り
 例に挙げる政策によって当てはまる理論が
違う

そもそもGrand Theoryはあるのか?
 EU Conventionは何らかの貢献をする?

社会・雇用政策のケース
労働者の権利=ローマ条約より
 単一市場=加盟国間の競争
→社会保障制度が同一でないと、競争ができ
ない‘Social Dumping’, ‘Level Playing
Field’
 社会保障の中には、調整の難しいものも・・・

北欧の社会保障制度
 イギリス・フランスの医療制度

規制・制度の調整
男女機会均等・同一賃金
 労働者の自由移動

職業資格(美容師など)の相互認証
 教育資格(大学・高校など)の相互認証

EUレベルで認定・規制
 欧州委員会が主導

調和をはかる

単一市場形成後、「労働者の権利」から「欧州市民
権」へ

対象政策領域の拡大

失業問題

年金・医療保険制度

社会保障権のポータビリティ
→国家主権に深く関わり、国民が敏感な領域

欧州委員会は「調和」を進めるが実行力に疑問=
Social Partnersを政策過程に加えるように
Open Method of
Coordination

1998年からルクセンブルクプロセス・2001年よりOMC

欧州理事会で雇用戦略を策定(4)
閣僚理事会でガイドラインを策定(20)
各国が実施→レポートを欧州委員会がまとめる→
理事会へ報告→翌年のガイドライン作成





欧州委員会から欧州理事会へ中心が移動
各国のGood Practice を集め、伝播させる
「プロセス」=続いていく点が重要
マルチレベルガバナンスという考
え方
政策に参加するレベルの多様性
 政策の運営の仕方の多様性
 ネットワーク上

政策領域によっては中心が変化
 各国の利害や国内状況に応じて

ここからわかるポイント

EUレベルでの意思決定・制度改革が各国の国内
政治と密接に関連している


戦略の立案から政策の実施まで


制度改革の難しさ
プロセスの中で監視された流れ
開かれたEUを目指している


地方政府・各国の利害代表・学者なども政策立案に参加
している
コーディネート能力がすごい!