§2. 立憲主義の思想と歴史 2007年4月24日 社会科学部 憲法 §2.立憲主義の思想と歴史 1.人為的組織としての 「国家」 と 〈社会契約〉 2.市民革命と 「近代国家」 の成立 3.近代における 「市民的法治国家」 4.現代における 「社会的法治国家」 5.立憲主義の今 §2.立憲主義の思想と歴史 1.人為的組織としての 「国家」 と 〈社会契約〉 ・憲法=国家を構成する法規範 ・憲法=国家権力を制限する法規範 ・「立憲主義」→歴史的カテゴリー 近代立憲主義 →資本主義経済の確立と国民国家への権力集中に 対応して生み出された理念体系 現代国家→基本的にはこの歴史段階の延長線上 §2.立憲主義の思想と歴史 1.人為的組織としての 「国家」 と 〈社会契約〉 ・啓蒙主義的自然法論・社会契約論 典型としてのJ.ロック(1632-1704) - 自然状態(自由で平等)→ →社会契約 (life,liberty,propertyを守るため)→ →抵抗権(政府の専制に抵抗する権利) - 人間の自由と所有 =身分に依存しない「個人」の基本的権利 …天賦人権論 §2.立憲主義の思想と歴史 2.市民革命と 「近代国家」 の成立 「国家の権力独占」の成立 …身分制における 「不自由」 を打破する 「国家権力」 …自由を守るものとしての国家 「自由」 による権力の制限 …権力独占の主体としての国家に、憲法によって 自由のための権力制限 §2.立憲主義の思想と歴史 3.近代における 「市民的法治国家」 ・「身分から契約へ」 …身分制の解体 …「個人」の成立 …個人の意思に基づく自由な秩序 ・近代における基本的人権の構造 →君主制的行政府の恣意を民主的立法府が抑制 …「自由と所有」に対する侵害→法律によって (典型的には: 罪刑法定主義) 立 憲 主 義 的 議 院 内 閣 制 国王 立法権 指名 議 内 閣 責任 行政権 (法律に基づく行政) 選挙 国 民 会 §2.立憲主義の思想と歴史 4.現代における 「社会的法治国家」 ・自由放任主義の経済的帰結→経済的不平等の拡大 …それに対抗する思想→「労働者の権利」 ・「社会的法治国家」の思想 「人間らしい(人間の尊厳に対応した)生活の確保 ⇒国家の任務」 §2.立憲主義の思想と歴史 4.現代における 「社会的法治国家」 ・帰結としての「行政国家」現象 …社会福祉に関わる行政の専門性・技術性 ∴行政の側に情報と能力が集中 ∴立法府の政策立案能力の低下 ・同時に起こる「司法国家」現象…選挙権の拡大により …立法府内部における利害対立の明確化 ∴法律=一般意思、という構図に対する不信 ∴違憲立法審査権の登場と比重増加 §2.立憲主義の思想と歴史 5.立憲主義の今 ・「保護」の思想による国家責任の拡大 =「社会の自律性の喪失」 ポスト 「福祉国家」 段階 ・コミュニケーション的国家における国家と国民個人の 相互尊重? or ・新しい権威主義の導入?
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