十勝沖地震

十勝沖地震
1.地震の概要
1.1地震の概況
1.2地震の規模
1.3余震
1.4津波
1.1地震の概況
・1968年5月16日09時50分頃、青森県東部と北海道南西部を
中心に震度Ⅴ以上の地震が襲う。
・同10時20分ごろから三陸沿岸を中心に津波が襲来 する。
・被害の特徴は、前日まで三陸沖に停滞した大型低気圧によ
る大雨のために、地盤がゆるんでいた青森県下のシラス地
帯で被害が大きく出た他、築後日の浅い鉄筋コンクリート構
造物の破壊、石油ストーブ転倒による出火の多発、津波に
よるタンカーの損傷による重油の流出などが挙げられる。
1.2地震の規模
・発 震 時:5月16日09時48分53.0±0.5秒
・震
央 : E 143°35′±3′N 40°41′±1′
・深さ(H) : 0km
・規模(M) :7.9
・被害状況:死者52人, 建物全壊673, 半壊3004
各地域の震度分布
1.3余震
・5月以降のこの地方に発生した地震の震央分布で注目されるの
は、その時間的推移である。本震および余震のうちの規模の
大きい地震の震央を結ぶ線のほぼ西側の地域で、ブロック的
に移動しているのが見てとれる。
・6月12日の地震(M=7.2)及び、それを本震とするようにその周
辺でおこった地震を5月16日の余震とみなすのは、5月16日以
後にこの方面で続発した地震の震央域の面積が約50,000平
方kmで、宇津・関の余震域と地震規模との関係から期待され
る値内にあり、従来余震と呼ばれていた概念から逸脱しない本
震の直後5月17日の地震(M=6.7,6.1)と、この震源域が近接
することから、この三陸沖一帯の地震活動の一つという意味で
余震と呼ぶこととしている。
余震分布図
1.4津波
・津波の最大振幅は大槌湾における5.7mが最大
で、1960年のチリ地震のときより大きかった所
もあるが、一般にはたいした大きさではなかっ
た。
・過去のこの地方の津波に比べて大きな特徴な
のが、北部において翌日になっても波動が認
められ、港によっては漁船が出港するのを見合
わせる程で、その波動現象が長期にわたった
ことである。
津波の高さの分布
津波にあらわれる館鼻漁港の岸壁
2.建物への被害
2.1耐震設計がなされた鉄筋コンクリート造建物が振動によって
本格的な被害を受けた初めての例。
2.2耐震壁のほとんどない建物の桁方向において短柱となった
鉄筋コンクリート柱に顕著なせん断破壊が生じた。
2.3壁などによる建物の余力が重要な問題
→十分な壁量、柱量をもつ建物はこの地震でも安全であった。
→逆に被害を受けた建物はいずれも壁の極めて少ないもので
あった。
2.4突出煙突、ペントハウスの被害が著しかったことも注目され
た。
1968年十勝沖地震による家屋倒壊率