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運動誘発性喘息とは
喘息を既往に持つ場合,激しい運動をすると一過性に喘息発作を起こすことがあり,これを
運動誘発喘息(EIA : exercise induced asthma)といいます.
風邪を引いた後とか季節の変わり目で気管支の過敏性が亢進しているときは,急ぎ足で
歩く,階段を登るなどの軽い運動だけでも喘息が生じ息苦しくなることがあります.このように
運動は喘息の増悪因子の一つです.運動によって起こる気管支の収縮は通常,運動を始め
て数分で起き,運動を中止すると30分ほどで自然に回復します.しかし,なかには気管支の収
縮が長引いて,中発作ないし大発作になることもあります.
このようなことから,喘息患者は運動を避けがちになりますが,その結果,運動不足により身
体活動量が低下し肥満を招きやすくなります.肥満は高血圧や脂質異常症,糖尿病といった
生活習慣病のリスクを高め,動脈硬化を促進し脳梗塞や心筋梗塞などの心血管疾患のリスク
を高めます.
喘息を持つMetsおよびMets予備軍に対して運動指導を行う際には,喘息についても考慮し
て「EIAを起こしやすい運動」と「EIAを起こしにくい運動」を把握し,適切な運動指導を行うこと
が重要です.これら喘息を持つMetsおよびMets予備軍への運動の利点として,体力や運動
能力を高めるほか,精神面でも自信がつくなど良い効果がり,普段から適切な運動を続けると
軽い呼吸で運動ができるようになるので喘息の治療になると言われています.また,喘息発作
を起こすことなく健康な人と同じようにスポーツを楽しむことは,生活の質(QOL: Quality of
Life)の向上になり,喘息治療の目的の一つでもあります.
以下に,EIAについてまとめましたので指導の際の一助としていただければ幸いです.