書評 『1万円の世界地図』 -図解 日本の格差、世界の格差 著・佐藤拓 祥伝社新書 2007 06A2140C 馬場文也 この本を選んだ理由 • グラフや図表がふんだんに使用されており、 データを把握しやすいと思ったから。 • 世界規模や日本規模など、様々な面での格 差状況を理解できると思ったから。 主な内容 • 現在、大量の一万円札が流通され、多くの給与を得 られるようになった(図1-4) →日本人の暮らしはより豊かなものに(「世界第2位の 経済大国」とも) • しかし、「生活の質」が高い国ランキングで、日本は 17位に(政治面、生活面などの9つの要素で評価) →日本人は本当に幸せなのか? • 二章で日本と世界を比較、三章で世界の格差、四 章と五章で日本の格差を見ていく 印象深いデータ • 世界では5人に1人が、3ヶ月を一万円で暮らしてい る(図3-4) →サハラ以南のアフリカの、45%が、1日1ドル以下の 生活 • どうやら、日本は民主主義の遅れた国らしい(図4- 26) →世界の「報道の自由と市民の権利・自由」ランキン グで、日本は52位に • 衝撃!足立区では2人に1人が就学援助世帯(図5 -9) →墨田区、板橋区などでも、3人に1人は就学援助を 受けている • あろうことか、日本の幸福度は世界第90位!?(図6 -1) →調査対象国178ヶ国の中では、なんと半分以下であ る • 一方、日本は世界から非常に好意的に見られてい る(「世界に好影響を与えている国」ランキングで、 単独の国としては第1位、欧米の評価も、日中韓の 中では群を抜いて高い) →国内では、自分は幸福でないと思う人が多いが、日 本は世界に好かれており、十分に幸福なのである。 感想・私見 • とにかくデータが豊富で多岐に渡っており、格差状 況のみならず、世界における日本の位置を知るの にはうってつけの著書だと考える。 • 先述のような極端なデータはあるものの、全体的に 日本は上位にランク付けされていることが多い。 →幸福を感じるべき要素は十分にある →政治的自由で下位であることなどが、「生活の質」ラ ンキングで低迷した原因?
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