住民のイメージ調査に基づく 防災用語選定の試み

小山研究室
30716009
奥田直哉
研究目的
低頻度の自然災害は一般の社会の常識とかけ離れたもの
が多い。適切な防災情報伝達のためには、まず防災につい
て住民の意識や基礎知識の理解の仕方・程度を調べる
ことが重要である。
防災用語の見直しや改善方法をさぐり検討していくこと
住民と専門家のよりよいコミュニケーションを図るため
の改善に役立てること
過去の研究で、
噴火現象などの
イメージ調査の
研究が行われた。
今回の研究
「地震防災用語の呼称」
のイメージ調査に基づく研究
研究方法・調査対象
情報呼称に関する記号選択のアンケートを作成し静岡大学の
学生327名を対象に実施する。そのアンケートをExcelに
データを集計しAccessで統計処理を行い分析する。
実施日
調査対象(講義名)
人数
総合科学への招待
46人
地震防災(静岡)
55人
地震防災(浜松)
62人
10月14日
地震防災
116人
10月24日
地震防災
19人
11月6日
科学データ処理習
29人
7月18日
計327人
使用した8つの用語
緊急地震速報
東海地震注意情報
東海地震観測情報
東海地震予知情報
津波警報
東海地震の警戒宣言
地震注意報
地震警報
架空の用語であるが、警報と注意報という名称は認知度が高いと
思われるため、用語のイメージ検証のためにあえて含めた。
アンケート設問1
8つの用語に対して3段階で答えてもらう。
全体の用語の認知度の結果
緑 赤青
: ::
聞 聞意
い意い味
た味たが
こはこだ
と知とい
がらはた
ななあい
いいるわ
がか
る
8:津波警報
7:東海地震の警戒…
6:東海地震観測情報
5:東海地震予知情報
用語の意味を
正しく理解していない
4:地震警報
3:緊急地震速報
2:東海地震注意情報
1:地震注意報
0%
20%
40%
60%
80%
100%
「緊急地震速報」「津波警報」は住民の認知度が高く80%を占
めている。架空の用語(地震警報、地震注意報)が津波警報、緊
急地震速報についで認知度が高く50%を占めている。
青:恐い
アンケート設問2
赤:どちらかと言えば恐い
8つの言葉を聞いた第一印象を5つのスケール(恐い、暗い、心配、重
緑:どちらとも言えない
い、急ぐ)のそれぞれにおいて、イメージと合う言葉を選んでもらう。
聞いたことはあるが意味はしらない
黄色:どちらかと言えば恐くない
聞いたことがない
意味がだいたいわかる
紫:恐くない
アンケート設問2(用語のイメージ測定:恐さ)
8:津波警報
274人
7:東海地震の警戒宣言
147人
6:東海地震観測情報
113人
5:東海地震予知情報
130人
4:地震警報
165人
3:緊急地震速報
274人
2:東海地震注意情報
156人
1:地震注意報
171人
0%
20%
40%
60%
80%
100%
0%
20%
40%
60%
80%
100%
「地震警報」は「地震注意報」より恐怖感が30%以上上回って
いた。
⇒「注意報」より「警報」が危機感を与えている。