スライド 1

イメージと環境的文脈依存効果の
関係の検討
1613070069-5 澤野 貴弥
はじめに
環境的文脈
実験が行われた部屋や、ニオイなどの物理的な情報
環境的文脈依存効果
符号化時の環境的文脈が検索時に再現されると、そ
れが検索の有効な手がかりとなる
⇒符号化時に学習項目と環境的文脈がともに符号化される
Smith(1979)の実験
符号化時
検索時
今自分がいる部
屋の絵を描く
部屋A
部屋A
部屋B
今自分がいる部
屋の絵を描く
符号化時と同じ部屋で検索する
条件の方が正再生率が高かっ
た
環境的文脈依存効果の生起
が確認
目的
多くの研究では検索時に符号化時の環境的
文脈を物理的に再現している
例:符号化時の部屋と同じまたは異なった部屋を使用
検索時に符号化時の環境的文脈をイメージ
として再現しても環境的文脈依存効果の生起
が見られるのでは?
イメージと環境的文脈依存効果の
生起との関係を調べる
方法
被験者大学生10名(男性6名・女性4名)で、平均年
齢は21.3歳
環境的文脈を部屋として内装の異なる2つの実験
室を使用(部屋A,B)
検索時に符号化時の環境的文脈のイメージを再現
しない条件(1)とする条件(2)に分ける
参加者は単語の読み上げを行い単語にまつわるエ
ピソードを文章化し読み上げる
次に絵の模写を行い、その後1000から7ずつ引き算
をしてもらう
符号化時とは異なる部屋で自由再生課題を行う(条
件1は課題の直前に符号化時の部屋の絵を描いて
もらう)
符号化時
条件1
検索時
部屋B
部屋A
条件2
部屋B
部屋Aの絵
を描いても
らう
結果
t検定の結果、( t=0.46,p<0.5)となり条
件1と条件2の平均の差は有意であっ
た。これは条件2の場合の方が条件1
よりも正再生率が高く、環境的文脈依
存効果の生起がみられたこととなった。
条件2の参加者の正再生率と絵の再現度
についての散布図を示し相関を調べた。
相関係数はr=0.54となり中程度の正の相
関が見られ、イメージの再現度が高いほ
ど正再生率も高くなることが示された。
考察



仮説を支持する結果となった。
環境的文脈依存効果は環境的文脈の物理
的な再現だけでなく、イメージとして再現され
た場合にも生起するものと考えることができ
る。
環境的文脈のイメージが正確なほど環境的
文脈依存効果は生起しやすい
反省
被験者数が少ない
条件を増やして考える
符号化時と検索時で同じ部屋を使う条件も加
えてみる
符号化時
部屋A
検索時
部屋A
参考文献
Smith, S.M. (1979). Remember in and out of context. Journal of Experimental
Psychology: Human learning and Memory,5,460-471
Smith, S.M.(1988). Environmental context-dependent. Memory. In G. M. Davis
& D. M. Thomson(Eds.), Memory in context in memory. New York: Wiley. pp. 1333.
山田恭子(2008). 自由再生課題における環境的文脈依存効果の検討. 広島
大学心理学研究 第8号 . pp33-40
山田恭子・鍋田智宏・岡かおり・中條和光(2009). 虚再認の生起に及ぼす環
境的文脈の効果 心理学研究, 80