第5章.資産運用と投資信託・年金 • (1)投資信託の仕組みと種類 • ○投資信託の仕組み 投 資 家 資金 投 資 信 収益分配 託 投資 投資収益 証 券 市 場 等 1 ○投資信託の種類 ○投資対象による分類: • 株式投資信託: – 主として株式で運用、公社債等も組み入れ可 • 公社債投資信託: – 公社債等で運用、株式の組み入れは不可 • MMF:Money Management Fund – 短中期の証券・金融商品で運用し、出し入れが自由 で、銀行預金と競合する金融商品 ○運用方法による分類: – :独自の分析・予測に基づき対象を選別して 運用、市場平均を上回るパフォマンースを目指す – :積極的銘柄選択をせず、市場の平均的パ フォーマンスを実現するよう運用 2 投信残高(契約型公募)の推移 (出所)投資信託協会 3 投信残高(契約型公募)の推移 (出所)投資信託協会 4 日本証券経済研究所『現代日本の証券市場2004年版』p.225 5 ・投資信託の種類:仕組み上の分類とその 残高(07年10月末) 設定場所 国内(123兆円) 海外(42兆円): 外国投信 (119) (4) 設立形態:(国内 投信中の残高) 買取請求有無 追加設定有無 募集形態 追加型 (86) 単位型 (37) 6 ・設立形態: – 契約型投資信託(投資信託): • 信託契約(投信会社と信託銀行の間)に基づ いて設定されたファンドで、法人格を持たない – 会社型投資信託(投資法人): • 資産運用を目的として設立された投資法人 • 米国の投信(ミューチュアルファンド)は会社型 • 日本では98.12.の投信法改正により解禁 • 日本の不動産投信は会社型 7 川村雄介『証券市場』財経詳報社 p.77 8 川村雄介『証券市場』財経詳報社 p.78 9 ・買取請求権の有無: – オープンエンド型 – クローズドエンド型 ・追加設定: – 単位型(ユニット型):追加設定しない – 追加型(オープン型):随時時価で追加設定 10 ゴールドマンサックス投信『投資信託革命』日経新聞社 11 (2)投資信託の機能 • ①小口資金にも証券投資を可能にする。 • ② を可能にする – • cf.前期証券経済論 • 第3章2.資産運用・投資のリスク分散 – しかし個人が自分で分散投資を実行しようとする と、巨額の資金が必要 12 ・分散投資によるリスク削減 ポートフォリオ:複数の資産の組み合わせ ボディ&マートン『現代ファイナンス論』p.356 ピアソン 13 • ③ – プロとしての知識・情報・ノウハウ(情報生産機能) – 分析・意思決定にかける時間 • ④ • cf. 前期証券経済論第1章.日本における金融仲介構造の変化 – これまで個人資産は預金へ一極集中 – 銀行預金はワンパターンだが、投資信託は様々な特性を 持った金融商品を自由に作り上げることができる。 • 例えば、高配当株投信、ご当地ファンド、毎月分配型海外投資ファ ンド、リスク限定型投信、不動産投資信託 14 ・ご当地ファンドの例:東海3県ファンド (東京海上火災アセットマネジメント) 15 ・毎月分配型海外投資ファンドの例 (国際投信投資顧問) 16 ・高配当株投信の例:日本好配当株投信(野村アセットマネジメント) 17 (3)ビッグバンと投資信託 • 金融ビッグバン1997 ~2001: ○日米個人金融資産の比較 日本1980 2006 米国1980 2006 • 投資信託: 預金 61% 48% 33% 16% 債券 3% 2% 10% 8% 株式 7% 7% 23% 16% 投資信託 1% 4% 3% 17% 年金 3% 11% 22% 35% 保険 11% 15% 5% 3% 18 投資信託:国際比較 投信残高の対名目GDP比率 • 投信残高(07年6月末、オープンエンド公 募)/GDP(2005) – オーストラリア:160%、 フランス:94% – アメリカ:91% 、 ブラジル:66% – カナダ:59%、 イギリス:42% – 日本: 14.6% 19 ○ビッグバンにおける投信改革 • ①業務自由化・商品多様化 • ②投信業への新規参入:運用業務 • ③投信業への新規参入:販売業務 20 ①業務自由化・商品多様化 • 1995.投信業務と投資顧問業務との兼営可 • 98.投信法改正 – 投信業務(ファンドの設定・運用): 免許制から認可制へ – 私募投信、会社型投信の解禁 – 銀行・保険、郵便局による投信の窓口販売の 開始 21 • 多くの投資家からの資金をプールし、数多 くの不動産に分散投資 – 主として会社型投信、クローズドエンド型 – 2001.9.東京証券取引所に上場 • 現在42本、時価総額約5.1兆円 ⇒ • 不動産への流動性付与、不動産投資の小口化、不 動産の金融商品化 – cf.アメリカのREIT(Real Estate Investment trust): 183社、時価総額4380億ドル(約48兆円) 22 ・J-REITの時価総額推移 面:時価総額推移(左目盛、億円) 線:東証株式時価総額に対する 割合(右目盛、%) ・J-REITのプロパティタイプ別 投資実績(評価額ベース) 不動産証券化協会 23 ・不動産投資信託の銘柄 24
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