量子力学(前回の復習) 波動関数 ( q, t ) :波動関数 物理現象は波動関数と呼ばれる複素数で 定義された統計分布関数で記述される P(q, t ) (q, t ) :確率分布関数 2 粒子の干渉 q (t ) ( q, t ) 2 シュレディンガー方程式 波動関数の時間発展は、時間について1次,座 標について2次微分を含んだ微分方程式(シュレ ディンガー方程式)で記述される。 pˆ 2 2 2 i ( q, t ) U (qU) (q) (q, t()q, t ) 2 t 22mm q プランク定数 運動量 運動エネルギー pˆ i q ポテンシャルエネルギー 調和振動子(バネ)ポテンシャル i 2 2 1 2 2 ( q, t ) m q ( q, t ) 2 t 2 2m q 4000 ( x) cn H n ( x) U(q) (cm-1) 任意の関数は規格直交関数系で展開できる。 2000 n 参考: 任意の関数をsin (又はcos)で展開 → フーリェ変換 f ( x) cn sin(n x) n 0 0 20 q フーリエ変換と周波数 任意の関数はsin, cosの和で表される cos3 cos3 q q cos5 qq cos(2 n 1) sin nq sin 2 q sin 3 q sin 2 q n 1 cos q coscos q (q1) sin qsin sin q q 3 32n 51 2 n2 3 特殊関数による展開 2 2 1 2 2 2m q 2 2 m q f n (q ) En f n (q ) (n 1, 2 ) となる関数系(n=1,2,…)が存在するなら シュレディンガー方程式 i 2 2 1 2 2 ( q, t ) m q (q, t ) 2 t 2 2m q は (q, t ) cn e n と解く事が出来る。 i Ent f n (q) 特殊関数 そのような関数系は固有関数系と呼ばれる。 異なる微分方程式には異なる関数系が定義され る。(エルミート、ルジャンドル、ベッセル関数等) エネルギーが飛び飛び(波の性質) 調和振動子ポテンシャルの場合: エルミート関数(黄色の部分) f1 (q) e q2 f 2 (q) q e q2 f3 (q) 8q 12q e 3 q2 f 4 (q) 16q 48q 12 e 4 2 q2 井戸型ポテンシャルの解 0 ( a q a ) U (q) V0 (a | q |) エネルギー準位は飛び飛び 粒子が外まで染み出す (トンネル効果) 自由粒子が障壁にぶつかった時 散乱と透過(トンネル現象) 複雑なポテンシャルに対しては数値計算に頼る しかない。(化学反応の動的過程の研究) 水素原子から分子へ 水素原子のシュレディンガー方程式の復習 2 2 Ze E r 2m xyz座標系 2 2 2 2 2 2 2 y z x 極座標系 1 2 1 2 2 r 2 r r r r 1 1 2 sin r sin sin 2 2 原子軌道(AO) 原子の周りの電子軌道(水素原子の基底) n l (r , , ) Rnl (r )Yl m ( , ) n 1 l 0 m l 動径分布関数 R20 (r )Y00 ( , ) R21 (r )Y11 ( , ) 球面調和関数 R32 (r )Y22 ( , ) 注:別の特殊関数系で展開してもかまわない。(効率が悪いが) 分子の電子状態を調べる 分子の電子状態の固有関数を求める 分子軌道(MO)を原子の電子状態で表す。 (固有関数系は異なる固有関数で展開可能) 現在ではパッケージソフトとして配布、 市販されている。(Gaussian03、 Mopac等) Gaussian03 1電子原子(Gaussian03) シュレディンガー方程式 2 2 Ze E r 2m H 1S 2px 2S 2py 2pz 多電子原子の電子状態(F) シュレディンガー方程式 2 2 e Ze 2 j E 電子間 rjk 核電子 rj j 2m F 1S 2px 2S 2py 2pz 分子の電子状態 2 2 Zae e 2 j 核間エネ E 電子間 rjk 核電子 raj j 2m 分子の電子状態も、各原子の電子状態を 基底として表そう。 原子軌道(AO) → 分子軌道(MO) •単なる重ね合わせでない(多電子の効果、他の原子核の電場) 定数 A 1S B 1S 2つの水素原子と水素分子 A 1S B 1S A 1S B 1S 2AS 2BS 2AS 2BS 2Apz 2Bpz 2Apx 2Bpx 2Apz 2Bpz 2Apx 2Bpx LUMO HOMO エタンの分子軌道 LUMO (Lowest Unoccupied Molecular Orbital) 最低空軌道 HOMO (Highest Occupied Molecular Orbital) 最高被占軌道 異なる配置でエネルギーを計算することで 反応過程のポテンシャルが求まる
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