人「交」密度の高い地域づくりと 災害時支援 平時につながりを育てるために 自治を回復し、まち・むらの課題を、 まち・むらの力で解決するために IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所] 代表者 川北 秀人 http://blog.canpan.info/iihoe/ IIHOEって? 組織目的: 地球上のすべての生命にとって、 (1994年) 調和的で民主的な発展のために 社会事業家(課題・理想に挑むNPO・企業)の支援 隔月刊誌「NPOマネジメント」発行 育成・支援のための講座・研修 地域で活動する団体のマネジメント講座(年100件) 行政と市民団体がいっしょに協働を学ぶ研修(年60県市) 企業の社会責任(CSR)の戦略デザイン ビジネスと市民生活を通じた環境問題の解決 2020年の地球への行動計画立案 専従3名+客員1名、東京(新川)、約3500万円 阪神・淡路大震災での(個人的な)教訓 「被災者に必要な情報」が届かない不条理 自治体職員も被災者 中央省庁の非常識 自治体間連携の決定的な不足 市民・行政・企業の決定的な連携不足 「外国人」という多重被災者 アレルギー・難病患者へのソフト支援の不在 物資があっても配分できない「権限・手続きの不在」 「避難所」というカオス 「自称ボランティア」の禍根 被災(犠牲)者遺児の支援 学校を避難所にして良いのか? 「仮設住宅」という非情 まちの力は、関係の密度がつくる! 人口密度より人「交」密度! 町(区域)でも街(建物の集まり) でもなく、「まち」:人と人との関係 「衣食」「住」の次は、「医移職充」 衣食は外から持ち込み配布も可能 住の安心は、建物だけじゃない! 今後の医療は予防がさらに重要! 移動・職業・充実は、関係そのもの 元気な地域は、人数ではなく姿勢が違う 自分が住み続ける地域の未来の ために、本当に大切なことを 実現できるように、全力を尽くす。 出し惜しみしない できないフリしない あきらめない 「誰かがどうにかしてくれる」なんて 甘えない 自治会・町内会は、 行事を半減して、事業=福祉+経済を! 【現在】 親睦も安全も福祉も行事の連続。。 →地域の住民が気軽に付き合い、 日常生活に必要な情報交換や 安全確保などを行なうとともに、 地域生活をより快適にするため、 自主的・自発的に共同活動しな がら、まちづくりを進める。 問題解決 (交通安全、防火・防災、 防犯・非行防止、資源回収) 生活充実 (福祉、青少年育成、 健康増進、祭礼・盆踊り、 運動会、文化祭など) 環境・設備維持 (清掃・整備、 集会所管理など) 広報・調整 【今後】 「小規模多機能」自治! →行政機能の集約化を補い、 住民減少・高齢化などに伴い 必要性が高まる安全・安心の 確保のための「適地適作(策)」 型の地域づくりを進める。 共通の「基本機能」と 独自の「魅力づくり」 ・最小限の安全・安心の維持 ・文化・伝統の継承 ・経済的な競争力の維持・向上 紀北町も、これまで20年と、これから20年は違う 1990年 計(人) 0~14歳 15~64歳(A) 2000年 A÷B 75歳~ 2020年 2030年 23663 21362 18611 15862 13146 ▲29% ▲21% 3949 2786 1985 1263 14977 12463 9833 879 ▲55% ▲49% (生産人口) 65歳~(B) 高齢者率 2010年 7681 6177 ▲37% ▲34% 4737 6113 6793 6918 6090 20.0% 28.6% 36.3% +43% 48.4% 47.0% ▲10% 3.1人 2.0人 2823 1.4人 3707 1.1人 4057 1.0人 4082 +31% +9% +0% 2020年の紀北町は? 高齢者率は?→48.4%(全国より50年早い)! 高齢者1人を支える生産人口は、わずか1.1人! 75歳以上は?→4057人(4人に1人)! ヘルパーなど、福祉の担い手をどれだけ必要? 社会保障(医療・介護)費は、いくら増える? 高齢者の健康 = 地域の資源 + 資産! 生産人口は?→21%減(00年比 37%減) 人口比43.6%!! 町税収入は? 既存インフラの補修コストは? 道路、橋、公営住宅、上下水道、庁舎・施設、・・・・ 町債残高は? 紀北町の高齢者・後期高齢者のくらしは? 2000年 21,362 2005年 19,963 2010年 18,611 2015年 17,232 2020年 15,862 高齢者 6,104 6,556 6,793 6,989 6,918 後期高齢者 2,823 13.2% 3,310 16.6% 3,707 19.9% 3,922 22.8% 4,057 25.6% 世帯数 8,373 8,205 8,088 7,710 7,203 高齢者単身 1,137 1,283 1,334 1,375 1,362 203+934 280+1003 352+982 394+981 406+956 人口(人) 後期高齢者 単身 630 773 839 874 896 93+537 131+642 164+675 183+691 194+703 後期単身率 22.3% 23.4% 22.7% 22.3% 22.1% 高齢者夫婦 1,012 1,142 1,249 1,319 1,322 262 352 446 498 531 高齢世帯率 25.7% 29.6% 31.9% 34.9% 37.3% 後期世帯率 10.7% 13.7% 15.9% 17.8% 19.8% 後期 夫婦 今後のまちづくり・復興のシナリオは、 高齢者率と被災規模(ダメージ)で異なる 高齢者率(10年3月) 35% 女川町 陸前高田市 釜石市 大船渡市 宮古市 気仙沼市 30% 塩竈市 25% 亘理町 七ヶ浜町 20% 岩沼市 多賀城市 山田町 山元町 南三陸町 高齢者率の高さ×被害の大きさ →「仮設」ではなく中期的な、 石巻市 「福祉・医療特区」型集落を 基幹産業の回復と、 高齢者率に配慮した 東松島市 「福祉・医療+産業特区」型の 集落&産業クラスター再生を 名取市 基幹産業=子育て世代のくらし の回復を早期に、 コミュニティ活動の構築とともに 15% 0% 大槌町 5% 死者・行方不明者率 10% (人口あたり) 被災地と当地を比較すると? 紀北町の財政はどう推移する? 単位:億円 歳入 市税(対 歳入) 個人(同) 法人(同) 固定資産(同) 公債(同) 05年度 10年度(05比) 113.0 107.5 13.8(12%) 15.8(14%) 3.9( 3%) 6.3( 5%) 0.9( 0.8%) 0.9( 0.9%) 7.2( 6%) 6.8( 6%) 9.3( 8%) 14.6(13%) 105.4 102.3 歳出 13.2 職員給与 10.0(-24%) 214 職員数 180(-15%) 14.7 14.4 公債償還 8.4 8.9 公営事業繰入 (国民健康保険) (2.4) (1.8) (上下水道) (0.4) (0.5) (他(介護保険 等)) (5.5) (6.6) 扶助費 8.5( 8%) 10.5(10%) 将来負担(対 税収) 地方債残高 支出予定 積立金 138.2(10倍) 146.0 0.8 8.6 11年度(同) 103.6 15.6(15%) 5.9( 5%) 1.0( 1%) 6.9( 6%) 12.1(11%) 15年度? 10年 個人住民税 34,195円/人 生産人口 10年比 -11% 05年比 -21% 99.4 人件費・扶助費・ 9.8(-25%) 公債費を除く 179(-16%) 歳出額(≒調達額) 14.6 58億円(58%) 9.1 (1.5) 後期高齢者 (0.7) 10年比 + 5% (6.8) 11.0(11%) 05年比 +18% 83.5(5.3倍) 75.0(4.8倍) 10年 448,918円/人 119.8( - 18%) 118.9( - 18%) 0.0( - 95%) 0.1( - 88%) 36.2(+320%) 43.9(+409%) 発災直後から数か月後までに、地域に求められること? 発災直後(~数日) 数週間後まで 数か月後まで 救出・消火 泥出しなど片付け 再定住支援 道路・施設など 側溝清掃など (仮設住宅入居支援) インフラ応急措置 身近なインフラ復旧 (橋・道路・水道再開) 避難支援 避難所運営 安否・状況確認→必要に応じ専門家に 食事準備・片付け→重要な地域力! 物資管理・配布 健康管理 衛生管理(清掃)→重要な地域力! アメニティ改善→女性・高齢者等の配慮 地域には(少数ながら)特別なニーズを持つ方たちも! 例:独居高齢者、介護サービス利用者(特に在宅)、 妊産婦、障碍者、アレルギー・難病患者、外国人 1,400 1,200 1,000 800 多数が一気に 集まるからこそ、 協力・連携する →「班」の確立 +受援・活援! 避難所に求められる役割は 350,000 時間とともに変化する 300,000 「移(れ)る人」と 「残る(しかない)人」 →同時並行ゆえ、 さらに活援! 250,000 「残る人」の固定化 →専門家との 連携が不可欠 600 宮城県 避難所数 200,000 宮城県 避難者数 150,000 400 100,000 200 50,000 0 0 3/12 3/19 3/26 4/2 4/9 4/16 4/23 4/30 5/7 5/14 5/21 つなプロが避難所で確認・集計・分析したこと=避難所力 【基本項目】 電気・水道・トイレ・ガス 電話:固定・携帯電波 運営:キーパーソン名、 班活動、支援団体、 良い点、要改善点 【設備】 入口:受付・案内・掲示 居住:間仕切り・密度 医療:有無・感染症・隔離 福祉・母子スペース:有無 幼児・児童スペース:有無 更衣・調理・談話:有無 【食事・物資】 前日の朝・昼・夕食内容 カロリー計算 アレルギーなど対応 乳児用 高齢者用(きざみとろみ) 医療以外の特別物資 【人の構成】 避難者:数・増減・自宅 男女・子ども(年齢別) 妊産婦、単身者、 1人親、要介護者 アレルギー、その他 障碍者(種別) 外国人 【衛生】 トイレ:女性、バリアフリー 鍵、照明、汚物回収、 清掃ルール、衛生状態 手洗場、風呂・シャワー: 数、利用可能頻度 洗濯:有無、干場、女性 ゴミ:ルール、回収、管理 【情報環境】 掲示板、音声案内、 多言語対応、連絡経路、 場所表示案内、テレビ、 各種相談窓口、 共用電話・FAX・ネット 避難支援にも避難所運営にも、個人情報「共有」が不可欠→本人・家族合意 リーダーシップより「当事者意識+協働力」→「誰かが」じゃなく「自分たちで」 →班体制を早期に確立する! 誰もが協力するよう呼びかける! 「避難」だけでなく「避難所運営」も訓練する! 中西会長、濱中会長のお話から(三重県尾鷲市) 【そばこ会】 「山が海の手助けをしよう」 →手引き通りの訓練から「他地域受け入れ」訓練へ ・つながりの大切さ→孤独死させたら紀州人の恥! ・行政に頼るのは無理→各集落で1000食備蓄 ・手をつながないと、絆(きずな)はできない 【遊木町自主防】 地域内の団体の連携 ・まち協発案で運動場・公園に「かまどベンチ」設置 →流木を燃料に訓練→スグレモノ!と判明 ・日常の取り組みから減災を! → 健全な危機感と、実践を通じた連携力の高さ! 隣の席の方と 「これはやろう!」ということ 「ここはまだわからん」 ということを、 5分間で共有してください。 →後ほど質疑応答します。 中学生が必ず毎年、総合防災訓練に参加する 澄川地区連合会(札幌市南区) ・ベッドタウン、13町内会の連合会、約1万世帯 ・毎年7月下旬に総合防災訓練(600名以上!) 地元中学生も毎年150名前後参加 「平日昼に発災したら、年寄・子どもしかいない」 「地域に2割しか残らなくても、10年で300人」 ・最初の訓練では、住宅解体ガラを倒壊家屋に 見立てて、人形の救出訓練も! →「ノコギリだけじゃダメ」→投光器、チェンソー、 エンジンカッターまで各町内会に配備+訓練! 即応する姿勢を持つ団体との平時からの連携 ・ニーズ別の専門団体との連携 ・アレルギー、難病、障碍者支援、高齢者介護 ・病院・施設、患者・当事者団体 ・(外部との)相互補完原則の共有 ・野外教育系、子育て支援系、カウンセリング系、・・ ・人的つながりの共有 ・自衛隊、警察、建設業界、JC、地方議会、・・・ ・農協など生産者団体、流通・物流企業(物資)、・・・ ・「相互支援」協定 ・自治会・町内会間の「災害時相互支援」協定! ・「同時」だけでなく、連動・連携確認訓練! この地域で、今後どう備えるか? ・危機感の高さをしっかり生かす! ・避難訓練は、要援護者のために! ・避難所運営訓練は、宿泊体験に! 大阪市では、小学校で夏休みに校舎に宿泊 兼 地域在住外国人との国際交流体験! ・被災者を「ずっと避難者」ではなく、 「復旧・復興の担い手」にする! → 食事の準備・配布・片付け、清掃をはじめ、 できる人を募ったり、班編成したり、 とにかく「自分たちでできること」を増やす 村野さんのお話から 2012(H24)年 大分県北部豪雨 竹田市:90年水害対策を上回る豪雨 三重からボランティア61名深謝! 第一報24件「過去上回る→立ち上げ」 2週連続、全半壊78、床上162 高齢者率県内最高→自共助じゃ無理 中津市:ボランティア依頼→確認 旧市内は「行政どうなってる!」 被災しなかったお宅にも支援依頼 総合運動公園に開設:304件・3631人 青年会議所からも支援申し出 フローリング対策:建設業協会に相談 自治委員と社協支所との協議: 水確保:消防団がタンク提供 「大量のボランティアは地域が壊れる」 資機材:建設業協会+県振興局が提供 →足りない部分だけ支援してもらう ←日常の付き合いから頼めた ←自治会ごとニーズに登録者をつなぐ 災害VC:民間病院スタッフが救護に (わかった人を必要な数だけ入れる) 被災された町内会長:負傷しつつ奔走 →2度目の豪雨:落胆が心配 「まだあそこに」→手当間に合った。。 →若い移住者が外部ボラ受入体制! ボラセンなしで515件・3337人の活動 デイサービス代替:つなぎ先が不可欠 →地域の結束力向上、事前把握、 (役職者のみならず)地区全体で対応、 婦人会が備災訓練企画・運営 村野さんのお話から 県災害ボランティアネットワーク: 木製椅子に高齢者が毛布を敷いて 社協、赤十字無線部・奉仕団、 岩手県内の犠牲者(日報記者 談) 老福施設協、介護福祉士協会、 ①「逃げない」人 ②「避難できない」人 トラック協会、漁協、商工会連合会 ③様子を見に行った人 生協、建築士会、LPガス協会、 避難所運営訓練(12年1月) 医師会、薬剤師協、看護協、行政、・・ 県域・市町村域・地域 それぞれに展開 新潟:現地はVoでも大分は人材育成 日常つながりないと災害時機能しない 川で「水の流れの強さを知る」体験 臼杵市災害地域ネットワーク構築研修 阪神震災に派遣された消防隊長も、 受講で終わりじゃない→班編成 聴覚障害体験も、地域特性対応訓練も 防災・総務・福祉・・→手引き作成! テロ対策訓練の被害者役も。 間仕切り:×段ボール→〇布・ネット 訓練企画も県災害VoN選出の検討委で各市で災害ボラセン設立+リーダー育成 当日の司会進行も 役割担える人+現場を知る人を育てる 別府市千代町(380世帯、08年~): 顔を知ってもらう+まとめる力 障碍者自ら体感→「自治会の問題」 被災者の生命+くらしを守る・支える →北中自治会:民児委・行政・消防も 東日本震災:福島県内体育館:半月後 前回訓練終了時の「宿題」! 「5つの宿題」でもっとも気になったことについて、 1)「つなぐ」ことができなかったニーズについて 前回の訓練後の対応について、共有してください。 次の災害に備えて行っておくべきことは? 17:20から、各班からご質問をお願いします。 2)現地でのニーズ把握をよりスムーズにするために、 地元・県域・広域でそれぞれ準備しておくべきことは? 3)県内で対応できるニーズを増やすために必要な ことは? 4)個別のニーズから予測される地域全体のニーズの 総量は把握できたか? できたなら、現在の備災力との不足はどのくらいか? 5)普段から持っておくべき情報は? みなさまのご質問から 業界・専門家団体と、どう交流してる? 被災地からも、気になったことも、電子メールで共有 困ったことは、各団体(事務局)にすぐ相談・問い合わせ +助かったことは発信 「つながなかった」ニーズ:自身で解決+行政を通じて 行政とのつながり強化 広域災害時は行政では無理 自ら避難路造成:平時から使う工夫
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