スライド 1

The seminar of policy science
◆第一章◆
男女共同参画は少子化を防げるか
Presenter
2005.5.24
2015/10/1
政策科学ゼミ
1
「男女共同参画社会が実現すれば、少子化を防げる」
国際比較
国内比較
個票分析
リサーチ・リテラシーの観点から検討
2015/10/1
政策科学ゼミ
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国際比較 ①
「男女の就業機会の均等な国ほど、出生率も高い」(八代尚宏氏)
GDI(ジェンダー開発指数):基本的の能力の達成度を測定する際、
女性と男性の間でみられる達成度の
不平等に注目したもの。
GDI数値が高い
男女が公平である。
「男女が平等に能力開発される国になれば、出生率も上がる」
男女共同参画社会が形成されれば、少子化は止まる
2015/10/1
政策科学ゼミ
3
問題点
・サンプル16カ国の選択根拠が不明確。
OECD加盟国29カ国で、相関係数を算出
r=ー0.021≒0 → 相関関係ない
相関が高くなるサンプルを恣意的に選んだ!
2015/10/1
政策科学ゼミ
4
国際比較 ②
「子育て支援支出が大きい国ほど、出生率が高い」(原田泰氏)
サンプル選択の基準が明確
OECDのうち1998年の国民一人当たりGDPが
1万ドル以上の23カ国
しかし、
問題点あり!
2015/10/1
政策科学ゼミ
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国際比較の問題点
① 特定の国家を偶像崇拝視しやすい。
② お国事情の違いを無視した論法に陥りやすい。
国内データを用いて、
要因を探ったほうが良いのでは?!
2015/10/1
政策科学ゼミ
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国内比較
“人口と経済の相互依存関係について” (山口三十四)
→1900~1970 時系列データ使用
教育水準
出生率
農業シェア
一人当たりの所得
実質賃金率
女性の労働力率
年齢構成
乳幼児死亡率
医療水準
2015/10/1
政策科学ゼミ
7
山口氏の分析
農業シェア
男性の教育水準
UP
出生率
UP
女性の労働力率
Down
女性が職場に出ると、出生率が下がる。
2015/10/1
政策科学ゼミ
8
女性が働いている家計と
働いていない家計の
出生率の違いについて
分析不可能
時系列分析
一時点の地域別データを
用いた分析
《重回帰分析》
従属変数の分布に対して、どういう変数が、
どの程度影響を与えているのかを、実証的に分析
2015/10/1
政策科学ゼミ
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原田氏と高田氏による重回帰分析
従属変数
(説明されるべき変数)
女性賃金UP
住宅費UP
教育費UP
県別の合計特殊出生率
独立変数
(出生率を上下させる要因)
出生率
家計所得
女性賃金
住宅価格
大学進学率
2015/10/1
Down
政策科学ゼミ
10
注目すべき点
児童手当を増加 → 出生率の回復は、ほんのわずか
児童手当を5000円増 → 出生率わずか0.01上昇
児童手当で出生率を回復させるには、
莫大な財政負担が必要になる。
2015/10/1
政策科学ゼミ
11
児童手当で出生率を回復させるのは困難
【国内比較 原田氏&高田氏の分析より】
子育て支援支出が大きい国ほど出生率も高い
【国際比較② 原田氏の分析より】
児童手当は出生率回復効果なし。
保育サービスは出生率回復効果がある。
2015/10/1
政策科学ゼミ
12
国際比較 ②
子育て支援支出
「子育て支援支出が大きい国ほど、出生率が高い」(原田泰氏)
児童手当は出生率回復効果なし。
サンプル選択の基準が明確
保育サービスは出生率回復効果がある。
①保育サービスへの助成金など「保育関連支出」
国際比較と
②児童手当など各種「家族給付関連支出」
②
国内比較の
矛盾
2015/10/1
政策科学ゼミ
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重回帰分析における注意点
単なる擬似相関?!
「独立変数が従属変数に影響を与える」
この因果関係は
分析者が自ら設定した
子供が多く生まれる
社会だから、女性も働かざる
を得ない
2015/10/1
政策科学ゼミ
既婚女性の労働力率が
高いから、出生率も高い
14
擬似相関
相関関係
女性の労働力率
出生率
因果関係
第3の要因
【都市化】
2015/10/1
政策科学ゼミ
15
都市化
都市化…第三次産業従事者比率
女性労働力率を低下させ、出生率も低下させている。
都市化の影響を取り除く
↓
女性労働力と出生率の間に相関関係はない
2015/10/1
政策科学ゼミ
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出生率と相関する変数
相関関係
住宅面積
出生率
持ち家比率
老人ホーム率
因果関係
自殺者数
二変数の連関を
思いつく
↓
因果関係の成立を
勘違いする
世帯平均構成人員
2015/10/1
政策科学ゼミ
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実証分析の限界①
人口学・経済学
個人の主観ゼロ
客観的で実証的な学問
どう解釈するか?
どう利用するか?
政策提言
2015/10/1
分析者の恣意が入り込む
政策科学ゼミ
18
実証分析の限界①
実証分析
都合の良い事実
都合の悪い事実
政策提言
2015/10/1
政策科学ゼミ
19
実証分析の限界 ②
《過去志向》
実証分析 既存の社会構造の中から変数探索
《未来志向》
政策提言 既存の社会構造の変革、
あるべき未来予想図を提示
2015/10/1
政策科学ゼミ
20
実証分析の限界 ②
政策提言
《未来》
実証分析
《過去》
未来
過去の中に未来を探る
→ 限界がある
2015/10/1
政策科学ゼミ
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出生率の高い県
出生率の低い県
沖縄・島根
宮崎・福島
東京・京都・大阪
神奈川・千葉
www.kikkoman.co.jp/ manns/manns-letter/
www8.ocn.ne.jp/.../ tusin/topic/sundytalk.htm
出生率を高める要因を
持っている地域
出生率の低下(都市化)が
急速には進んでいない地域
2015/10/1
出生率の低下(都市化)が
急速に進んでいる地域
政策科学ゼミ
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《実証分析・過去》
出生率を高める要因を
持っている地域である
《政策提言・未来》
日本を農村にしよう!
過去に戻る政策しか
生まれない
《未来》
要因
2015/10/1
政策科学ゼミ
23
次章では…
個票調査に基づき、
既婚女性が産む子供の数を増減させる
社会的要因について
以上
2015/10/1
政策科学ゼミ
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