経済学ワークショップ2の 進め方について

経済学ワークショップ2について
2011年9月
経済学ワークショップ2とは

7つの共通科目のひとつ
高校までの学び(授業)と大学の学び
(講義)のギャップを埋める
経済学ワークショップ1:大学での「学び」
 情報リテラシー入門:ネットワーク、PCスキル
 経済ツール入門:高校数学の復習
 日本経済入門:高校政治経済の復習
 初級ミクロ経済学、初級マクロ経済学

経済学ワークショップ2の内容
毎回、ある経済に関わる問題について
 表計算ソフトExcelを用いて、
 さまざまな経済データから、
 簡単な処理(表やグラフの作成、基本統計量の計算
など)により、情報を引き出します。
 その結果を検討、考察し、自分の意見として文
章に表します。
 以上の分析や考察を、Wordにまとめます。
経済学ワークショップ2の目的

経済データの扱いを身につけ、実証面
(データの動き)から日本経済について知る。
・経済データはどこにあるか
データを扱う能力を身につける
(情報を正しく読み取り、問題解決に役立てる力)

「データを扱う能力」とは


不確実な事象に対する問題解決能力です。
つまり、 コミュニケーション能力 です。
世の中の出来事はみな不確実です。その傾向をデータ
(情報)により正しく読み取り、その特徴をとらえ、対策を
たてることにより、「問題」を解決できます。




問題を、データ(情報)により、的確にとらえる
データ(情報)を読み取り、問題の内容を具体的に明らかにする
問題解決に向けて、筋道をたてて、体系的に対策を考える
自分の考えをわかりやすく説明し、互いに考えを表現する
社会では「データを扱う能力」が求められる
−コミュニケーション能力を身につけよう

データを扱う能力、コミュニケーション能力は、理
系のみならず、文系学生にも求められています。

しかしながら、現状ー企業や公共団体の、大卒者
への評価−には厳しい物があります。
参考:企業や自治体を対象にしたアンケート(2005年3月)
(注意)雇用規模 1000 人以上の企業、500 人以上の公営団体が対象。
達成度の評価は、1)採用した人を対象にしています(学生全般に対し
てではありません)、2)いわゆる「ゆとり世代」を対象にした評価では
ありません。
企業・公共団体で業務に必要とされる能力
(必要と答えた企業・団体の%)
文科系
87.1
理科系
88.4
「B グラフや表の数値を読み取る能力」
87.1
88.4
「C 問題・課題を数量的に認識する能力」
86.8
87.7
「D データ収集のための実験や調査などの企画立案能力」
75.8
83.1
[E パソコンの表計算ソフト等を使い、簡単なデータ集計や分析をする能力」
88.1
88.4
[F 要因分析や予測などのデータ分析を行う能力」
80.5
85.8
「G 分析結果から問題・課題解決の情報を抽出する能力」
86.4
86.8
「H 分析結果を人に伝える(コミュニケーション・プレゼンテーション)能力」
89.7
88.4
「A データ・資料を収集する能力」
企業・公共団体が評価する、新卒者の業
務に必要な能力達成度(達成できていると答え
た企業・団体の%)
文科系
48.0
理科系
59.6
「B グラフや表の数値を読み取る能力」
46.4
60.9
「C 問題・課題を数量的に認識する能力」
35.1
52.6
「D データ収集のための実験や調査などの企画立案能力」
30.8
42.1
[E パソコンの表計算ソフト等を使い、簡単なデータ集計や分析をする能力」
56.0
64.6
[F 要因分析や予測などのデータ分析を行う能力」
30.5
46.0
「G 分析結果から問題・課題解決の情報を抽出する能力」
27.8
42.4
「H 分析結果を人に伝える(コミュニケーション・プレゼンテーション)能力」
31.8
39.4
「A データ・資料を収集する能力」
文系学生について、業務に必要な能力の
需要度と達成度を並べてみると(必要、達成
していると答えた企業・団体の%)
業務に必要
である
達成度に
満足している
「A データ・資料を収集する能力」
87.1
48.0
「B グラフや表の数値を読み取る能力」
87.1
46.4
「C 問題・課題を数量的に認識する能力」
86.8
35.1
「D データ収集のための実験や調査などの企画立案能力」
75.8
30.8
[E パソコンの表計算ソフト等を使い、簡単なデータ集計や分析をする能力」
88.1
56.0
[F 要因分析や予測などのデータ分析を行う能力」
80.5
30.5
「G 分析結果から問題・課題解決の情報を抽出する能力」
86.4
27.8
「H 分析結果を人に伝える(コミュニケーション・プレゼンテーション)能力」
89.7
31.8
自由記述欄から見る、
企業・団体の必要とする人材
大学卒業生は、全般に、
「統計知識を知ってはいるが、実践できない」
 応用能力を身につけてほしい



その方法が、なぜ必要なのか、どんな場面で使えるのか
他の物事とのつながり、社会でどのように役立つか、考
えてほしい
統計や数学の知識以前に、まず論理的思考ができ
ることが必要ではないか。マニュアルに頼らず自ら
考える力が弱まっている。
今年から小中高校の教育が変わります
もっとも大きく変わるのは「統計的知識」の(激)増加



2002年度より実施された指導要領では、学習すべき内容がすべ
ての科目において大きく減っていました(科目によらず3割削減)。
その影響を大きく受けた統計学は、小学校で簡単なグラフ(棒・
円・帯・折れ線)と算術平均について、中2で確率の基礎を学ぶ
だけになっていました。
このため、世の中にはデータがあふれている(情報化社会)のに
その動きを理解し、正しい意思決定を行い・表現し、社会に参加
していく基礎能力が不足するのではないかと心配されてきました。
=>ゆとり教育見直しの際、統計学をいかに盛り込むかが
最重要課題の一つに
この10年間の日本の義務教育と、
他の国を比べると(1、記述統計量)
年齢
5 - 7
アメリカ
最大値
イギリス
8
9
10
平均/メディアン/モード/範囲/外れ値
範囲/モード
11
12
13
平均/四分位範囲/関係/近似線
平均/メディアン
時系列
ニュージーランド
シンガポール
平均
韓国
平均
日本
メディアン
母集団と標本他
相関係数/回帰線
範囲/平均/メディアン
範囲/標準偏差/四分位 範囲
分散/標準偏差
相関係数
平均
15
相関/回帰
平均/メディアン 他
中国
14
標準偏差
この10年間の日本の義務教育と、
他の国を比べると(2、グラフ)
年齢
アメリカ
7
8
絵・棒・線グラフ
イギリス
絵・棒グラフ
ニュージーランド
シンガポール
中国
韓国
日本
5
6
絵・棒グラフ/幹葉図
棒グラフ
絵グラフ
絵グラフ
9
棒グラフ
11
度数分布表/ヒストグラ ム/線グラ フ
ドットプロット
線グラフ
棒グラフ 累積棒グラフ 線グラフ
表/グラフ
10
12
13
ヒストグラム/箱ひげ図/散布図
散布図
円グラフ
14
15
箱ひげ図
度数分布表 /ヒストグラム 箱ひげ図/累積棒グラフ
円グラフ
円グラフ
ヒストグラム
線/棒グラフ
幹葉図
円グラフ
線グラフ
円グラフ
ヒストグラム
ヒストグラム
幹葉図
散布図
箱ひげ図/累積棒グラフ
散布図
これからの小中高生に対する新しい指導要領では
小学校1年から高等学校1年までのすべての学
年で、統計学的な思考力・表現力の育成(つまり、
コミュニケーション能力の育成)に関する内容が
必修となります。
 単なる「資料(データ)の整理」ではなく、「資料の
活用」が目標です。

根拠を明らかにし筋道を立てて体系的に考える。
 図表、グラフを理解し、適切に用い、問題解決を行う。
 自分の考えをわかりやすく説明し、互いに考えを表
現する。

新しい指導要領のもとでの統計教育
小1
小2
小3
小4
小5
小6
中1
中2
中3
高校
ものの個数を絵や図などを用いて表したり読み取ったりする。
身の回りにある数量を分類整理し、簡単な表やグラフを用いて表したり読み取ったりする。
資料を分類整理し、表やグラフを用いて表したり読み取ったりする。棒グラフ。
目的に応じて資料を集めて分類整理し、表やグラフを用いて分かりやすく表したり、特徴を
調べたりする(資料を二つの観点から分類整理して特徴を調べる。折れ線グラフ)。
目的に応じて資料を集めて分類整理し、特徴を調べる。円グラフや帯グラフ。
資料の平均や散らばりを調べ、統計的に考察したり表現したりする(資料の平均。度数分布を
表す表やグラフ。具体的な事柄について、起こりえる場合を順序よく整理して調べる)。
ヒストグラムや代表値の必要性と意味を理解する。ヒストグラムや代表値を用いて
資料の傾向をとらえ説明する。平均値、中央値、最頻値、相対度数、範囲、階級。
確率の必要性と意味を理解し、簡単な場合について確率を求める。
確率を用いて不確定な事象をとらえ説明する。
標本調査の必要性と意味を理解する。簡単な場合について標本調査を行い、
母集団の傾向をとらえ説明する。全数調査。
数学I[必履修] データの分析(データの散らばり、データの相関)
数学A[選択] 場合の数と確率(場合の数-数え上げの原則、順列・組合せ-、
確率-確率とその基本的な法則、独立な試行と確率、条件付き確率-)
数学B[選択] 確率分布と統計的な推測(確率分布-確率変数と確率分布、二項分布-、
正規分布、統計的な推測-母集団と標本、統計的な推測の考え-)
大学生活の間に「データを扱う力」を
身につけよう

残念ですが皆さんが小中高で学んだ「データを扱う力」
は、一世代前と比較しても、一世代後と比較しても、他
の国々と比較しても、少ないのが実情です。

一方、社会での 「データを扱う力」の重要性はいよい
よ高まっています。
この夏、グーグルやマイクロソフトが「次の10年、統計分析
が、もっともホットな職業になる」と表明

大学の間に、しっかりと「データを扱う力」を身につけて
おきましょう。
授業の進め方について
経済学ワークショップ2 クラス表(敬称略)
向かって左:AV-PC1教室、右:AV-PC2教室、*CAL教室
1組(火2)橋本(紀)
4組(火3)小林*
5組(木4)村上
7組(木5)村上
10組(土1)田畑
12組(土2)田畑
13組(土3)米崎
15組(土4)米崎
8組(火2)小林
6組(火3)片山
2組(木4)横山
3組(木5)横山
9組(土1)高木
11組(土2)高木
14組(土3)布施
16組(土4)布施
授業回数は15回
(休講があった場合は、補講を行います)
火曜日
9月20日
木曜日
9月22日
土曜日
9月24日
9月27日
9月29日
10月1日
10月4日
10月6日
10月8日
10月11日
10月13日
10月15日
10月18日
10月20日
10月22日
10月25日
10月27日
10月29日
11月8日
11月10日
11月12日
11月15日
11月17日
11月19日
11月22日
11月24日
11月26日
11月29日
12月1日
12月3日
12月6日
12月8日
12月10日
12月13日
12月15日
12月17日
12月22日
12月24日
1月10日
1月5日
1月7日
1月17日
1月19日
1月21日
11月1日
評価について

その1
毎回の課題 @5点
翌週の冒頭に解説します。(締切後の提出は評価の対象に
しません。) (最終回以外)添削・評価を記載し、返却します。

出席点 @2点
「公欠」制度はありません。出席点は与えられません。
授業開始後15分でドアロックされます。
それ以降の遅刻には出席点はカウントされません。
※実習科目ですので、出席することが前提の科目です。
欠席回数が3回を超えた場合(4回になった時点で)、不合格と
します。
評価について

その2 課題提出、遅刻
課題(@5点)
(1回を除き)PC実習課題です。課題は「課題フォルダ」内にあり
ますので、欠席した場合も(提出期限までは)提出することが可
能です。配点が大きいので、ぜひ毎回提出して下さい。

遅刻したときは



遅刻しても、講義を聴いた方が理解は深まります。遅れたとき
は、ドアをノックしてもらうと中から開けますので、着席し、講
義を聴いて下さい。
ただし、遅刻すると出席点はありません。
電車の延着の場合、講義終了時、延着証明書を提出して下
さい(記名するのを忘れないこと)。この場合、出席点が加点
されます。
評価について
その3 欠席の扱いについて
特殊なケースの欠席の扱いについて説明します。

スポーツ大会等に参加、忌引きによる欠席
出席していないので、出席点は与えられません。(経済学部に公欠制度はあ
りません。) ただし申し出てもらえば、ペナルティ回数には加算しません。
課題は提出できますので、ぜひ提出してください。

長期療養や、法定感染症(インフルエンザなど)による欠席
出席点はありません(ペナルティ回数には加算しません) 。ただしこの場合、
大学へ出ることができませんので課題を提出することができません。この点
配慮します。講義に出れるようになったら、申し出て下さい。

その他、事情があるときは(早い機会に)申し出て下さい
課題の評価について

いずれの課題も、期限を厳守してください。
期限を過ぎた物は、評価の対象になりません。

毎週の課題も試験の一貫です。不正行為に対しては、
期末試験と同様、厳格に対処します。

モノクロ印刷した物を基準に、評価を行います。

ワード2003、エクセル2003の形式(拡張子が doc また
は xls )のファイルを対象とします。(2007形式、docxや
xlsxは対象としません。)
参考文献、著作権について

考察を行う際、本やウェブページを利用した
時には、その参考文献・URL名を明記してく
ださい。
(参考文献名を書いていても、安易な引用は
できませんので、注意してください。)