経済学ワークショップ2について 2013年9月 経済学ワークショップ2について その内容と目的 7つの共通科目のひとつ • 日本経済を、データから把握する • データを扱う力(問題解決能力、コミュニケーション 能力)を身につける 授業の進め方 授業回数と評価のしかた 経済学ワークショップ2とは 7つの共通科目のひとつ 高校までの学び(授業)と大学の学び (講義)のギャップを埋める 経済学ワークショップ1:大学での「学び」を知る 情報リテラシー入門:ネットワーク、PCスキル 経済ツール入門:高校数学の復習 日本経済入門:高校政治経済の復習 初級ミクロ経済学、初級マクロ経済学 経済学ワークショップ2の内容 毎回、ある経済に関わる問題について 表計算ソフトExcelを用いて、 さまざまな経済データから、 簡単な処理(表やグラフの作成、基本統計量の計算 など)により、情報を引き出します。 その結果を検討、考察し、自分の意見として文 章に表します。 以上の分析や考察を、Wordにまとめます。 経済学ワークショップ2の目的 経済データの扱いを身につけ、実証面 (データの動き)から日本経済について知る。 ・経済データはどこにあるか データを扱う能力を身につける (情報を正しく読み取り、問題解決に役立てる力) 「データを扱う能力」とは その1 不確実な事象に対する問題解決能力です。 コミュニケーション能力 につながります。 世の中の出来事はみな不確実です。その傾向をデータ (情報)により正しく読み取り、その特徴をとらえ、対策を たてることにより、「問題」を解決できます。 問題を、データ(情報)により、的確にとらえる データ(情報)を読み取り、問題の内容を具体的に明らかにする 問題解決に向けて、筋道をたてて、体系的に対策を考える 自分の考えをわかりやすく説明し、互いに考えを表現する 「データを扱う能力」とは その2 ビジネスでもプライベートでも、「問題」の正しい把握・ 解決は必要。しかも、ビッグデータ時代を迎え、データ が正しく扱えることは社会での必須能力 しかし 企業の、大卒従業員に対する評価は高いとは限ら ない データは扱えないと困るのに、必要な能力のない人が少なくない 皆さんが小中高時代に学んだ統計的知識は? 現在のカリキュラムと比べると、外国のカリキュラムと比べると、学んだ 項目は少ない。 社会では「データを扱う能力」が求められる −コミュニケーション能力を身につけよう データを扱う能力、コミュニケーション能力は、理 系のみならず、文系学生にも求められています。 しかしながら、現状ー企業や公共団体の、大卒者 への評価−には厳しい物があります。 参考:企業や自治体を対象にしたアンケート(2005年3月) (注意)雇用規模 1000 人以上の企業、500 人以上の公営団体が対象。 達成度の評価は、1)実際に採用した人を対象にしています(学生全般に 対してではありません)、2)いわゆる「ゆとり世代」が対象ではありません。 (1世代前の人が対象)。 企業・公共団体で業務に必要とされる能力 (必要と答えた企業・団体の%) 文科系 87.1 理科系 88.4 「B グラフや表の数値を読み取る能力」 87.1 88.4 「C 問題・課題を数量的に認識する能力」 86.8 87.7 「D データ収集のための実験や調査などの企画立案能力」 75.8 83.1 [E パソコンの表計算ソフト等を使い、簡単なデータ集計や分析をする能力」 88.1 88.4 [F 要因分析や予測などのデータ分析を行う能力」 80.5 85.8 「G 分析結果から問題・課題解決の情報を抽出する能力」 86.4 86.8 「H 分析結果を人に伝える(コミュニケーション・プレゼンテーション)能力」 89.7 88.4 「A データ・資料を収集する能力」 企業・公共団体が評価する、入社2-3年程度の 新卒者の、業務に必要な能力達成度 (達成できていると答えた企業・団体の%) 文科系 48.0 理科系 59.6 「B グラフや表の数値を読み取る能力」 46.4 60.9 「C 問題・課題を数量的に認識する能力」 35.1 52.6 「D データ収集のための実験や調査などの企画立案能力」 30.8 42.1 [E パソコンの表計算ソフト等を使い、簡単なデータ集計や分析をする能力」 56.0 64.6 [F 要因分析や予測などのデータ分析を行う能力」 30.5 46.0 「G 分析結果から問題・課題解決の情報を抽出する能力」 27.8 42.4 「H 分析結果を人に伝える(コミュニケーション・プレゼンテーション)能力」 31.8 39.4 「A データ・資料を収集する能力」 文系学部卒新入社員について、業務に 必要な能力の需要度と達成度を並べてみ ると(必要、達成していると答えた企業・団体の%) 業務に必要 である 達成度に 満足している 「A データ・資料を収集する能力」 87.1 48.0 「B グラフや表の数値を読み取る能力」 87.1 46.4 「C 問題・課題を数量的に認識する能力」 86.8 35.1 「D データ収集のための実験や調査などの企画立案能力」 75.8 30.8 [E パソコンの表計算ソフト等を使い、簡単なデータ集計や分析をする能力」 88.1 56.0 [F 要因分析や予測などのデータ分析を行う能力」 80.5 30.5 「G 分析結果から問題・課題解決の情報を抽出する能力」 86.4 27.8 「H 分析結果を人に伝える(コミュニケーション・プレゼンテーション)能力」 89.7 31.8 自由記述欄から見る、 企業・団体の必要とする人材 大学卒業生は、全般に、 「(統計)知識を知ってはいるが、実践できない」 応用能力を身につけてほしい その方法が、なぜ必要なのか、どんな場面で使えるのか 他の物事とのつながり、社会でどのように役立つか、考 えてほしい 統計や数学の知識以前に、まず論理的思考ができ ることが必要ではないか。マニュアルに頼らず自ら 考える力が弱まっている。 小中高校の教育が変わりました (1) その背景は? 2002年度より実施された指導要領では、学習すべき内容がすべ ての科目において大きく減らされました(科目によらず3割削減)。 すでに、この時点で20年間にわたり生きる力を育むための「ゆと り教育」が行われていました。さらに、すべての科目で学習内容 を3割減らすというドラスティックな変更が行われ、その影響が心 配されていましたが、主要な国際学力テストで順位が大きく下 がったことを受け、ようやく見直しが行われました。 通常学習指導要領は10~12年で見直され、準備期間を2~3年 おきますが、異例の早さで2011年改定、理数科目では1年前倒 して実施されています。 =>小中高1は全科目で移行済み、高2は理数科目は新課程 小中高校の教育が変わりました (2) どこが変わったの? 国際学力テストの結果から、「理数科目」の力が落ちていました が、たとえば算数・数学についてより詳細に見ると、 計算問題は、従来同様の正答率 文章題では以前より正答率が低い。問題の内容が理解できていないため の誤答が少なくない。 このため、新しい指導要領では 理数系科目の重視 に加え 文章力 (文章を読み理解する・自分の意見を表現する) 論理的に考える力 ← 問題解決能力 が重要課題と考えられています。 小中高校の教育が変わりました (3) もっとも大きく変わったのは「統計的知識」の激増加 では、論理的に考えたり、問題を解決したりするにはどのような 知識が必要でしょうか。その答えの一つは、世の中の出来事は ほとんどが不確実な事象であること、情報化が進展していること から、算数/数学、中でも「統計学」(データを扱う力)です。 実は、2002年の改訂で、統計学はほとんど小中高で扱われない 状態になっていました。小学校で簡単なグラフ(棒・円・帯・折れ 線)と算術平均、中2で確率の基礎を学ぶだけになっていました。 一方、他の国々では、情報化社会(世の中にデータがあふれる 状態 )の動きを理解し、正しい意思決定を行い・表現し、社会に 参加していく基礎能力として統計学が重視されています。 比較をしてみると..... 義務教育の算数・数学で学ぶ統計学の知識 (1.記述統計量) 年齢 5 - 7 アメリカ 最大値 イギリス 8 9 10 平均/メディアン/モード/範囲/外れ値 範囲/モード 2005年頃 11 12 13 平均/四分位範囲/関係/近似線 平均/メディアン 時系列 ニュージーランド シンガポール 平均 韓国 平均 日本 メディアン 母集団と標本他 相関係数/回帰線 範囲/平均/メディアン 範囲/標準偏差/四分位 範囲 分散/標準偏差 相関係数 平均 15 相関/回帰 平均/メディアン 他 中国 14 標準偏差 義務教育の算数・数学で学ぶ統計学の知識 (2.グラフ) 年齢 アメリカ 7 8 絵・棒・線グラフ イギリス 絵・棒グラフ ニュージーランド シンガポール 中国 韓国 日本 5 6 2005年頃 絵・棒グラフ/幹葉図 棒グラフ 絵グラフ 絵グラフ 9 棒グラフ 11 度数分布表/ヒストグラ ム/線グラ フ ドットプロット 線グラフ 棒グラフ 累積棒グラフ 線グラフ 表/グラフ 10 12 13 ヒストグラム/箱ひげ図/散布図 散布図 円グラフ 14 15 箱ひげ図 度数分布表 /ヒストグラム 箱ひげ図/累積棒グラフ 円グラフ 円グラフ ヒストグラム 線/棒グラフ 幹葉図 円グラフ 線グラフ 円グラフ ヒストグラム ヒストグラム 幹葉図 散布図 箱ひげ図/累積棒グラフ 散布図 そこで、世界に並ぶために 現行指導要領では 小1年から高1までのすべての学年で、統計学的 な思考力・表現力の育成(つまり、コミュニケー ション能力の育成)に関する内容が必修に。 単なる「資料(データ)の整理」ではなく、「資料の 活用」「データの分析」が目標です。 根拠を明らかにし筋道を立てて体系的に考える。 図表、グラフを理解し、適切に用い、問題解決を行 う。 自分の考えをわかりやすく説明し、互いに考えを表 現する。 新しい指導要領のもとでの統計教育 赤字:前要領で必修だった内容 (オレンジは選択科目) 小1 小2 小3 小4 小5 小6 中1 中2 中3 高校 ものの個数を絵や図などを用いて表したり読み取ったりする。 身の回りにある数量を分類整理し、簡単な表やグラフを用いて表したり読み取ったりする。 資料を分類整理し、表やグラフを用いて表したり読み取ったりする。棒グラフ。 目的に応じて資料を集めて分類整理し、表やグラフを用いて分かりやすく表したり、特徴を 調べたりする(資料を二つの観点から分類整理して特徴を調べる。折れ線グラフ)。 目的に応じて資料を集めて分類整理し、特徴を調べる。円グラフや帯グラフ。 資料の平均や散らばりを調べ、統計的に考察したり表現したりする(資料の平均。度数分布を 表す表やグラフ。具体的な事柄について、起こりえる場合を順序よく整理して調べる)。 ヒストグラムや代表値の必要性と意味を理解する。ヒストグラムや代表値を用いて 資料の傾向をとらえ説明する。平均値、中央値、最頻値、相対度数、範囲、階級。 確率の必要性と意味を理解し、簡単な場合について確率を求める。 確率を用いて不確定な事象をとらえ説明する。 標本調査の必要性と意味を理解する。簡単な場合について標本調査を行い、 母集団の傾向をとらえ説明する。全数調査。 数学I[必履修] データの分析(データの散らばり、データの相関) 数学A[選択] 場合の数と確率(場合の数-数え上げの原則、順列・組合せ-、 確率-確率とその基本的な法則、独立な試行と確率、条件付き確率-) 数学B[選択] 確率分布と統計的な推測(確率分布-確率変数と確率分布、二項分布-、 正規分布、統計的な推測-母集団と標本、統計的な推測の考え-) 大学生活の間に「データを扱う力」を 身につけよう 残念ですが皆さんが小中高で学んだ「データを扱う力」 一方、社会での 「データを扱う力」の重要性はいよい よ高まっています。 は、一世代前と比較しても、一世代後と比較しても、 他の国々と比較しても、極端に少ないのが実情です。 ・最近、ビッグデータ時代、データ・サイエンティストといった 言葉を聞く機会が増えました。 ・グーグルやマイクロソフトが「次の10年、統計分析が、 もっともホットな職業になる」と表明しています。 大学の間に、しっかりと「データを扱う力」を身に つけておきましょう。 授業の進め方について 経済学ワークショップ2 クラス表(敬称略) 向かって左:AV-PC1教室、右:AV-PC2教室、 1組(火2)橋本(紀) 6組(火3) 片山 5組(木4)山口 7組(木5)渡邊 10組(土1)田畑 12組(土2)田畑 13組(土3)村上 15組(土4)村上 8組(火2)小林※CAL教室 4組(火3)小林 2組(木4)伊藤 3組(木5)伊藤 9組(土1)高木 11組(土2)高木 14組(土3)布施 16組(土4)布施 授業回数は14回 大学祭のため、 11/2(土)は休講になりま す。 回数調整のため、 火曜と木曜は 1月の最終回(1/21、1/16) を休講にします。 土曜クラスは12月25日に 講義があります。注意してくだ さい。 評価について 14回の授業は PC実習 13回 毎回、課題提出が課されます。 グループ実習 1回 (出席点を含め5点満点) PC実習 その1 課題 @5点満点 (最終回のみ10点満点) 翌週、 添削・評価を記載し返却し、解説します。 出席点 @2点 評価は 満点 (5×12+10) + 2×13 + 5 = 101 PC実習課題 出席点 のうち獲得した点数で行います。 グループ実習 評価について その2 課題提出 PC実習課題(@5点、最終回は10点満点) 課題は「課題フォルダ」の「経済学WS2」フォルダ の「担当者名」フォルダの中にあります。 欠席した場合も(提出期限までは)提出する ことが可能です。 配点が大きいので、ぜひ毎回提出して下さい。 評価について その3 出席について(1) 講義開始時に出欠を取ります。(出席点:2点) 授業開始後15分でドアロックされます。この時間まで の遅刻には出席点:1点 それ以降の遅刻には出席点はカウントされません。 入室はできますので、ドアをノックしてください。 (遅刻しても、講義を聴いた方が理解は深まります。 ) 講義開始60分以降の入室は欠席とみなします。 評価について その4 出席について(2) 実習科目ですので、出席することが前提の科目です。 欠席回数が3回を超えた場合(4回になった時点で)、 単位取得はできません(不合格)。 評価について その5 欠席の扱いについて 特殊なケースの欠席の扱いについて説明します。 電車の延着の場合、講義終了時、延着証明書を提出して下さい(記名 するのを忘れないこと)。出席扱いにします。 スポーツ大会等に参加、忌引きによる欠席 出席していないので、出席点は与えられません。(経済学部に公欠制度は ありません。) ただし申し出てもらえば、ペナルティ回数には加算しません。 課題は提出できますので、ぜひ提出してください。 長期療養や、法定感染症(インフルエンザなど)による欠席 出席点はありません(ペナルティ回数には加算しません) 。ただしこの場合、 大学へ出ることができませんので課題を提出することができません。この点 配慮します。講義に出れるようになったら、申し出て下さい。 その他、事情があるときは(早い機会に)申し出て下さい 課題の評価について いずれの課題も、期限を厳守してください。 期限を過ぎた物は、評価の対象になりません。 毎週の課題も試験の一貫です。不正行為に対しては、 期末試験と同様、厳格に対処します。 注意:景気の悪い時期が長引いています。コスト削減 のため、少なくない企業でいまだにモノクロプリンタの みが、古いソフトが使われています。 モノクロ印刷しても読みやすい文書を作成しましょう。 ワード2003、エクセル2003の形式(拡張子が doc または xls )でファイル保存するくせをつけましょう。 参考文献、著作権について 考察を行う際、本やウェブページを利用した 場合、その参考文献・URL名を明記してくださ い。 (参考文献名を書いていても、安易な引用は できませんので、注意してください。)
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