労働市場マクロ班 「期待」の定義 • 人々は経済主体の不確実な将来に対して合理 的な期待を形成する。 したがって、人々が、(予測可能な範囲での)将 来への期待を下げるのであれば、現実の経済へ も影響を及ぼすことになる。 Y=Ye したがって 人々の期待は、現実の成長率に影響を与える 期待とは・・・・人々が抱く期待が、現実の経済にも 反映されてしまう。 マクロ班では、「賃金」「雇用の創 出」 「失業率の増加」 今回マクロ班では、 失業 「雇用の創出」 「賃金」 「失業率」 は、期待に影響を与え ているのではないかと 考えた。 期待 賃金 雇用の創出 「雇用の創出」 全産業 10 8 6 4 2 (%) 0 -2 -4 -6 -8 既存部分変化率 雇用損失率 雇用創出率 雇用変化率 78~81 81~86 86~89 89~91 91~94 (年) 94~96 96~99 開廃業と経済成長との関係 8 6 4 開業率 廃業率 実質経済成長 (%) 2 0 年 1985 86 87 88 89 90 91 92 -2 (年) 93 94 95 96 97 98 99 予想経済成長率と開業率 予想経済成長率と開業率 8 単年度見 通し 7 6 5 % 今後3年 間見通し 4 3 今後5年 間見通し 2 1 0 -1 89 90 91 92 93 94 95 年 96 97 98 99 2000 開業率 産業計 開業率と成長率の 回帰回帰分析 Y=0.4396X+4.2699 開業率 8 7 6 5 4 開業率 3 2 1 0 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 回帰分析 Y=0.2471X+1.7973 廃業率 4.5 4 3.5 3 2.5 廃業率 2 1.5 1 0.5 0 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 地域別に見た雇用の創出率 • 年あたりの実質総生産成長率 • バブル崩壊以前 • 都市圏 49.3% • 地方圏 39.1% • バブル崩壊後 • 都市圏は地方圏の1.43%を大きく下回る 地域別に見た雇用の創出率 • 都市市場の特徴 • バブル期の雇用創出率が高かったが、 バブル崩壊による反動は大きくバブル 後は大きく落ち込む。 • 地方市場の特徴 • バブル期の雇用創出率が低かったため、 バブル崩壊による反動小さく都市ほど の落ち込みはない。 賃金 賃金指数の推移 01 20 99 19 97 19 95 19 93 19 19 89 19 87 19 85 19 83 19 19 年 度 3.0 2.0 1.0 0.0 -1.0 -2.0 81 8.0 7.0 6.0 5.0 4.0 91 賃金指数 名目賃金の下方硬直性 • 一般労働者とパート労働者の賃金格差は拡大 している この背景として、パート労働者の賃金が1998年以 降大きく減少しているのに対し、一般労働者では ほとんど減少していないことがある。 すなわち、一般労働者の賃金はパート労働者に比 べて下方硬直的であり、デフレ傾向のもとでは賃 金調整が行われにくいことから、一般労働者の 雇用が減少し、パート労働者への労働需要のシ フトや失業の増大に結びついている可能性があ る。 名目賃金の下方硬直性 80-90年代のフィリップス曲線 8.0 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 名目賃金の下方硬直性 90年から2000年のフィリップス曲線 4 3 2 1 系列1 0 -1 0 -2 -3 1 2 3 4 5 6 「失業」 年代 (1998) (2000) (2002) 10 12 14 8 (1996) 6 (1994) 4 (1992) 2 (1990) 63 (1988) 61 (1986) 59 (1984) 57 (1982) 55 (1980) 53 (1978) 51 (1976) 49 (1974) 47 (1972) 46 (1971)※ 44 (1969)※ 42 (1967)※ 40 (1965)※ 38 (1963)※ 36 (1961)※ 34 (1959)※ 32 (1957)※ 30 (1955)※ 昭和28年(1953)※ 6 5 4 %3 2 1 0 失業率 フィリップス曲線にみる、物価下 落と失業の関係について • 失業率の増加 デフレ期待・・・デフレ的状況の中では、失 業率が高い(フィリップス曲線)働きたいと 思っているのに、働けない(U-Un)失業 者が多いことは、健全な状況ではなく、社 会全体の産出量を下げるため、大変な経 済資源の浪費になる。 フィリップス曲線 • フィリップス曲線=物価上昇率(インフレ率) 失業率との トレードオフ関係 ↓ 物価が下がりつづける現状では、失業率は 下がりつづけてしまう • フィリップス曲線は、(π=πe-Φ(U-Un)) 「失業とインフレ率のトレードオフ」を意味してい る。 すなわち、この式から言えることは、物価下落と いう現在のデフレ経済の状況下では、失業率の 増加は歯止めが効かない状況であるといえる • 期待インフレ率とは人々が期待する今後の物価 のことで、人々は、デフレになるという考えを持っ ているのだから、期待インフレ率は低下している と考えられる。 (物価が低下する(デフレになる)と考えれば、 人々は不動産などの実物資産の購入を出来る だけ先送りし、借り入れを返済しようとし、一方で 余ったお金を債券などのより安全な投資に向け るようになり、金利は低下/債券価格は上昇す る。) 90-00年代のフィリップス曲線 • 90年代の後半から、2000年にかけてのフィリップ ス曲線は80年代と比べ、垂直的になっている。す ると、ケインジアン的な総需要政策の有効性が 失われている。 つまり、「経済に構造的な問題(金融不安や過剰 規制、過剰設備など)が存在するときには、総需 要政策だけで景気を良くすることは困難であ る。」 といえる。 • アメリカは、クリントン政権の下、教育や情 報インフラの整備を行い、供給面での整備 を図ることで、経済の失業率の低下と、イ ンフレ率の沈静化を進めていくことができ た まとめ 雇用の フィリップス曲線によれば、物価の下落は失 業率の増加につながっている。失業率の 増加は、社会全体の産出量の低下だけで なく、社会全体への「期待」の低下へとつな がってしまっている。
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