労働市場・マクロ班 Iyou.K Itou.R Shirai.D Ooshiro.R Manita.O 前提 「市場を活性化し本来のトレンドに 向けて、労働力それに伴う諸問題を 考察する」 定義 有効活用されていない 「能力(人)」 需要の低下 (A) -10 -20 -40 -50 2001年 1999年 1997年 1995年 1993年 1991年 1989年 1987年 1985年 過剰感・増→需要・減 2002/3月 -30 1983年 雇用過剰感 大企業 中堅企業 中・小企業 40 30 20 10 0 需要・低下 ↓ 投資・減+企業収益・減 ↓ 失業者の増加 需要の低下(A) ↓ 企業収益・減 ↓ コスト削減(B) (D 労働分配率(C)↓ ) (C 失業者・増(D) ) ・バブル期の過剰な雇用によって、崩壊後に雇用の 過剰感が生まれて需要の低下してきている。 コスト削減 (B) 生産関数 デフレ+賃金の下方硬直性→失業率の上昇 デフレP↑→実質賃金の上昇(W/P)↑ →労働コスト上昇→賃下げW↓or解雇L↓ 賃金の下方硬直性→解雇L↓→失業率の上昇 Y Y1 Y2 (W/P)1 (W/P)2 L2 L1 雇用量 L (W/P)=F(L)’(古典派の第一公準) 実質賃金は労働生産性に等しい 実質賃金(W/P) 労働生産性F(L)’ (W/P)=F(L)’(R=0.73,t=3.06) 5年周期で実質賃金一定 労働生産性はほぼ一定 (W/P)=F(L)' 上昇率 0.08 0.06 0.04 0.02 0 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 -0.02 -0.04 -0.06 出所:日経マクロデータ 実質賃金上昇率(製造業)(W/P) 労働生産性上昇率(製造業)(f(L)') 実質賃金(W/P) 5年周期で実質賃金一定 …デフレに対し、賃下げで労働コスト調整を行い、 解雇は避けている しかし、バブル期の過剰労働コストの水準を維持 …現状の賃下げは、デフレ対策にはなるものの、 過剰労働コストの傾向を払拭できるほどの水準 ではない→解雇による調整 大幅な賃下げができない原因は賃金の下方硬直性 需要の低下(A) ↓ 企業収益・減 ↓ コスト削減(B) 労働分配率(C)↓ (D ) 失業者・増(D) (C ) ・現状の賃下げは賃金の下方硬直性により極端には で きないため、過剰労働コスト対策にはなり得ていな い。 そのため労働時間削減や解雇によって対応して いる。 ↓ 失業者の増加 (C) 就業者数 6600 6550 6500 6450 系列1 6400 6350 H9年から減少し続けている 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 平 成 3年 度 6300 労働力人口 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 平成元年度 6900 6800 6700 6600 6500 6400 6300 6200 6100 6000 循環的失業の割合が90年以降増加傾向にある 失業理由 13% 9% 10% 12% 会社倒産・事業所閉鎖のため 人員整理・勧奨退職のため 事業不振や先行き不安のため 10% 定年又は雇用契約の満了 より良い条件の仕事を探すため 結婚・出産・育児のため 家事・介護・看護のため 12% 健康上の理由のため その他 11% 12% 自発的失業 11% (出所) 厚生労働省 →自発的失業と非自発的失業が半々 フィリップス曲線(名目賃金) 賃金の下方硬直性の原因 労働組合、効率賃金理論 効率賃金理論 ・高賃金→離職率の低下 →労働者の訓練コスト削減(終身雇用制 度) ・労働意欲促進 (所得の増加による労働意欲増加、 高賃金によって発生する失業の恐怖) ・有能な人材の確保 需要の低下(A) ↓ 企業収益・減 ↓ コスト削減(B) 労働分配率(D)↓ 失業者・増(C) コスト削減の影響によってリストラなどの 人員削減が行われ失業者が増えている。 労働分配率 (D) 労働分配率 労働分配率=労働コスト/売上高 (経常利益) 労働分配率の推移 (%) 72 71 70 69 68 67 66 65 64 63 全産業 製造業 1996 1997 1998 1999 2000 売上高の減少以上の失業率上昇による労働コストの削減 により労働分配率は低下している 需要の低下(A) ↓ 企業収益・減 ↓ コスト削減(B) 労働分配率(D)↓ 失業者・増(C) 労働分配率=労働コスト/売上高(経常利益) ・失業率上昇による労働コスト削減によって 労働分配率は減少している。 再就職 (E) 労働生産性F(L)’(R=0.74,t=2.21,1.79) 上昇率 労働生産性はほぼ一定…生産量の低下に対し、 労働生産性F(L)' 労働時間削減や解雇で対応 0.25 0.2 0.15 0.1 0.05 0 1990 1992 1994 1996 1998 2000 -0.05 -0.1 出所:日経マクロデータ 労働時間上昇率 失業上昇率(u) 労働生産性上昇率(製造業)(f(L)') 失業期間別失業の割合 15% 平成5年 平成13年 28% 34% 19% 3か月未満 50% 3~6か月未満 6か月~1年未満 1年以上 16% 16% 22% →一年以上失業している失業者の割合が13%も上昇 (3ヶ月未満が16%減少) (出所)厚生労働省 雇用変化率の散らばりの推移( 1955~2000 年) 高度経済成長期は現在よりも産業構造 変化が大きく行われた。 (出所) 労働経済白書平成13年度版 再就職(E) ↓ 雇用のミスマッチ (F) 失業期間が1年以上の割合がH5から13%も上昇。 =再就職しにくい・または再就職願望が少なくな っている。 また雇用変化率の散らばりが低くなっていることから、 産業構造の変化が遅くなっている。 雇用のミスマッチ (F) UV曲線(70~02年) UV曲線 Y軸:雇用失業率 7 U>V X軸:欠員率 6 5 (出所) 総務省統計局「労働 力調査」 厚生労働省「職業安 定業務統計」 より作成 4 3 2 1 U<V 0 0 1 2 3 4 5 6 7 UV曲線 ・90年代後半から構造的失業が高 まっている。 ・欠員率が99〜2000年に高まった が、失業率は依然高くなっている。 →構造的失業が年々高まっている =失業率↑+欠員率↑ →失業>欠員率 年齢別雇用情勢 *若年の離職率上昇とは裏腹に有効求人倍率は高い *中高年の求職率の高さとは裏腹に有効求人倍率は低い 年齢 ~24 25~34 35~44 45~54 55~ 年齢計 有効求人倍率 0.93 0.76 1.02 0.39 0.12 0.59 単位(倍、%、万人) 完全失業率 完全失業者数 9.2 70 5.6 84 5.6 42 3.2 52 4.5 71 5.3 320 求人が充足しない理由 (出所) 労働経済白書平成13年度版 再就職先を探すのが困難な理由 (出所) 労働経済白書平成13年度版 ミスマッチ 求人側 1、やる気、人柄 2、能力や経験 労働者側 1、中高年層→年令、労働条件 2、若年層→求人倍率、技術、労働条件 ミスマッチ指標 0.3 0.25 0.2 年齢間 職業間 都道府県間 0.15 0.1 0.05 19 94 19 95 19 96 19 97 19 98 19 99 20 00 93 19 92 19 19 91 0 年齢間のミスマッチが年々増加傾向にある 非求職就業希望者とGDP増加率 非求職就業希望者・増→GDP増加率・減 非求職就業希 望者 GDP増加率 1060 3.0 1040 1020 2.5 2.0 1000 1.5 980 1.0 960 940 0.5 920 0.0 900 -0.5 880 860 -1.0 840 -1.5 1993年 1994年 1995年 1996年 1997年 1998年 1999年 2000年 再就職(E) ↓ 雇用のミスマッチ(F) 年々構造的失業率が上昇している。 ・若年層:供給>需要 理由は主に労働条件への不満。 ・中高年層:供給<需要 理由は主に年齢制限・能力の不一致。 非就職就業希望者数は全体的に増加傾向に あり、GDP増加率と負の相関にある。 潜在成長率の低下 (G) デフレ・ギャップ 総需要 Y*:均衡国民所得 Y:現実のGNP デフレ・ギャップ デフレ・ギャップ =必要な有効需要が足りない状態 オークンの法則 (Yp-Y)/Yp=a(U-Uf) →(Yp>Y)/Yp=a(U>Uf) Yp:潜在的産出量、Y:現実のGNP、a:オークン係数、U:現実の失業率、Uf:完全雇用失業率 →非自発的失業者の存在 失業と成長率の相関(R=-0.85) 第1軸:成長率 第2軸:失業変化 (出所) 総務省統計局、内閣府 オークンの法則 潜在産出量と現実の産出量の ギャップと失業率との関係 オークンの法則 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 -2.00 -1.00 0.00 1.00 2.00 3.00 4.00 5.00 6.00 7.00 -0.2 -0.4 Y:失業変化 X:GDP成長率(1981年〜2001年) (出所) 総務省統計局、内閣府 オークンの法則 実質GDP成長率=3.57-6.74×失業率の変化 (R2=0.73 R=0.85) 3.57→t値=13.36 -6.74→t値=-7.17 3.57以下の成長率=失業率↑ 労働生産性と失業の相関 労働生産性↓=失業率↑ 労働生産性↑=失業率↓ 成長率と労働力人口の相関 (R=0.75) (出所) 厚生労働省、内閣府 成長率と労働力人口の伸びが平行 成長率↓=労働力人口↓ →潜在成長率の低下 フィリップス曲線(名目賃金) (R=0.77,t=3.69) 賃金高水準では垂直傾向、賃金低水準では水平傾向 名目賃金上昇率(w) フィリップス曲線(1990-2000) →賃金の下方硬直性が成立している 0.06 0.05 0.04 0.03 0.02 0.01 0 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5 -0.01 -0.02 出所:日経マクロデータ 失業率(u) フィリップス曲線(名目賃金) 賃金の下方硬直性の原因 労働組合、効率賃金理論 効率賃金理論 ・高賃金→離職率の低下 →労働者の訓練コスト削減(終身雇用制 度) ・労働意欲促進 (所得の増加による労働意欲増加、 高賃金によって発生する失業の恐怖) ・有能な人材の確保 フィリップス曲線(物価) デフレ→失業の増加 長期フィリップス曲線右シフト→構造的失業の増加 短期フィリップス曲線上右へ移行→循環的失業の増加 p 物 価 長期 短期 失業率 u フィリップス曲線(物価)(R=0.81,t=-4.14) 全体として右下がり…総需要の減少→循環的失業の発生 97年以降、インフレ率の上昇+以前の低失業率が実現せず …構造的失業の増加→潜在成長率の低下 フィリップス曲線(1990-2001) 消費者物価上昇率(p) 0.035 0.03 0.025 0.02 0.015 0.01 0.005 0 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5 -0.005 -0.01 出所:日経マクロデータ、総務省統計局 失業率(u) AD-AS曲線 (長期) 潜在成長率の低下→長期AS曲線左シフト →構造的失業の増加 総需要の減少→AD曲線左シフト 潜在成長率の低下+総需要の減少 →実質成長率低下+デフレ 長期 AS’ AS P 物 価 AD’ AD Y(実質 GDP) AD-AS曲線 (短期) 総需要の減少→AD曲線左シフト →GDPギャップの発生→循環的失業の発生 短期 P AS 物 価 AD’ AD Y(実質 GDP) AD-AS曲線 (データ) 均衡点は左下がり→潜在成長率の低下+総需要 の減少 →実質成長率低下+デフレ AD-AS曲線(1990-2000) 物価上昇率 (GDPデフレータ-) 0.04 0.03 0.02 0.01 -0.02 -0.01 0.00 0.00 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 -0.01 -0.02 -0.03 実質成長率 出所:日経マクロデータ、総務省統計局 潜在成長率の低下(G) GDPギャップ 要因 ・労働投入量の低下 ・需給ギャップ まとめ マクロ班のまとめ 構造的失業+循環的失業 ↓ 労働投入量の低下 需給ギャップ ↓ 潜在成長率の低下 GDPギャップ 参考文献 マンキュー経済学Ⅱマクロ編(N・グレゴリ-・マン キュー) ゼミナール経済学入門(福岡正夫) バイブル経済原論(早稲田公務員セミナー) デフレの経済学(岩田規久男) 労働経済学(小島旭、東洋経済新報社) 入門マクロ経済学(中谷巌、日本評論社) 労働経済白書(厚生労働省) 経済財政白書(内閣府) マクロ経済学(吉川洋、岩波書店) 財務省統計局センター 労働経済学(日経文庫)
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