空間反転に対する非対称性を有す る散乱体におけるマイクロ波散乱 の逐次伝達法による解析 T07MD007 井上祐貴 研究背景 • ディーゼルエンジンから排出される粒状物質(PM)などの 有害物質を分解するマイクロ波照射システムがある。 • マイクロ照射システムの開発には、システムのエネルギー 吸収過程を高精度で解析することが必要となる。 有力な手法に逐次伝達法がある。 高精度な解析が可能である。 研究目的 • 対称性を崩した場合の散乱体形状における散乱現象の 逐次伝達法による解析精度の検討を行う。 • 散乱体形状は下記の図に示す。 • 検討方法は、実験値と理論値の透過率を比較し解析精度を検討する。 対称性のある場合 透過波 入射波 散乱体 (ピラー) 対称性を崩した場合 解析法について 有限要素法 • • 形状に合わせ要素分割し、解析を行う方法 極在波から入射波、反射波、透過波を分離できない 逐次伝達法 • • • スカラー波の散乱を解析する数値計算法として発展してきた方法である。 波動を伝播軸に垂直な平面にフーリエ展開し、1次元の波動方程式として扱 う 極在波から入射波、反射波、透過波を完全に分離できる 実験方法 • 測定機器 • 計測範囲 • 計測対象 ネットワークアナライザ 12.4~18.0[GHz] 導波管幅の1/3の位置にピラーを一本立てたものを使 用 • 測定内容 マイクロ波の入射波、反射波、透過波のSパラメータを 測定し、透過率を算出する 透過波 入 射 波 ネットワーク アナライザー 透 過 波 ピラー 反射波 同軸導波管変換器 入射波 結果 対称性を崩した場合 t=0.5mm 対称性を崩した場合 t=0.5mm 4.0 -0.5 3.5 逐次伝達法 3.0 有限要素法 透過率 [dB] -1.0 -1.5 -2.0 逐次伝達法 -2.5 有限要素法 -3.0 実験値 -3.5 -4.0 12.4 13.8 15.2 f[GHz] 16.6 18 実験値との差 [dB] 0.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 12.4 13.8 15.2 f[GHz] 実験値との差を比較する 最大誤差 [dB] 平均 [dB] 逐次伝達法 0.2964 0.1034 有限要素法 3.3440 1.7440 16.6 18 結論 • 逐次伝達法は、対称性を崩した形状でも有限要素 法より誤差が1/10小さく非常に高い精度で解析で きる事がわかった。 <今後の課題> • 逐次伝達法の解析精度を利用し、マイクロ波照射 システムの開発を行うこと。 対称性のある場合の結果 対称性のある場合 t=0.5mm 対称性のある場合 t=0.5mm 0.0 -1.0 -3.0 -4.0 逐次伝達法 有限要素法 実験値 -5.0 -6.0 -7.0 12.4 13.8 15.2 16.6 18 実験値との差 透過率 [dB] -2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 逐次伝達法 有限要素法 12.4 13.8 15.2 f[GHz] f [GHz] 最大誤差 [dB] 平均 [dB] 逐次伝達法 0.2712 0.1315 有限要素法 1.6731 1.0829 16.6 18
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