FMEA/FTAの複雑化、形骸化の回避

シリーズ:著者の回答
060914版(rev01)
質問-069 ( 060906 Hg社 *P事業部・PF*開発部 H.N 様 ) 設計FMEA/FTA実践の受講者
早速ですが、Web上で最近見つけたFMEA関連情報ですが、
「~~そこで、前者を 故障モード、後者を 故障 という。 つまり、停止、油漏れ、騒音・振動
・・・・というような機能障害が故障であり、ひび割れ、欠け、腐食、磨耗、曲がり、折れ、断線、
ピンホール~などの物理・化学的な変化を故障モードと呼ぶのである。」 とある。
國井先生の講義のとき、ここはあまりこだわらなかったように記憶している。
教科書を見ても、故障と故障モードが一緒になっているFMEAと綺麗に故障モードしかない
ものとが載っている。
厳密な区分けは必要なのでしょうか?不要なのでしょうか?
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シリーズ:著者の回答
060914版(rev01)
回答 – 069
今は、不要です。Hg社の、今の皆様には不要です。
なぜなら、FMEAだけで飯を食う、FMEAだけで学位を採るという人なら話は別ですが、
FMEAの形骸化を防ぎ、FMEAを普及させようというHg社の方々には不要です。
先ずは、「シンプル・イズ・ベスト」の簡単FMEA版の普及を優先してください。
日本人は、レコード店(CD店)に行くと、ジャズだ、クラシックだ、和音楽だ、洋楽だとやたら、
分類したがるそうです。
ある時、富田 勲氏というシンセサイザー奏者が、クラシックでは有名なドビッシィーの「月の
光」のレコードを出したのですが、どこのレコード会社もレコード店も「ジャンル別」できないと相
手にされなかったそうです。
もちろん、日本国内の話しです。
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シリーズ:著者の回答
060914版(rev01)
怒った富田氏は米国内のみで発売し、絶賛を得ました。その後、日本へは逆輸入されたの
です。
さて、故障モードの件ですが、
現時点におけるHg社の性格、技術力、目指すもの、得るべきものを判断すると、「故障モー
ド 」と「故障」を分ける必要はありません。
私は、「故障モード」とは、「トラブルの名前もしくは、設計変更書のタイトル名と暗記してくだ
さい!」と教えている程です。
もちろん、記述テストでは「×」になるかもしれません。
暗記法として、上記のように教えているのです。
FMEAの普及を優先している、その結果です。
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シリーズ:著者の回答
060914版(rev01)
ところで、
円周率は、いくつですか?
円周率は、「3」です。
円周率は「3.14」でも、「π」・・・でもありません。
私も、当初、「えっ!」と驚きました。
しかし、小学校で、算数の遅れてしまった子供の心理を考えたことがありますか?毎日、毎
日辛い辛い算数の授業、なんと45分間もじっと座って耐えなくてはならない、その心理を。
八百屋さん、ラーメン屋さんに「3.14」や「π」は必要でしょうか?
「3」で、良いではないですか。
正確に言いましょう。最初は「3」で良いではないですか?
それが理解出来て、次に「3.14」や「π」に進んでいけば良いではないですか。
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シリーズ:著者の回答
FMEAもFTAも、VEも品質工学もシンプル・イズ・ベストが普及のコツです。
下記をもう一度、読んでみてください。
「シリーズ 著者の回答:No.067」を是非、お読みください。
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シリーズ:著者の回答
以上
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