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人類進化 担当 近藤修(人類科学大講座)
1月8日「人類進化 1 ― ヒトの特殊性と普遍性」
1月22日 古生物(大路先生)
1月27日「人類進化 2 ― ホモ・サピエンスと隣人たち」
パワーポイントをホームページよりダウンロード可能予定
形態人類学研究室
http://www.biol.s.u-tokyo.ac.jp/users/keitai/
人類進化の概略(ヒト化石分類名)
Genus Homo (ホモ属)
700~
直立二足歩行
(万年) 犬歯の縮小
400~
歯のエナメル質厚さ増大
(硬い食べ物に適応)
250~
石器製作
脳の大型化がはじまる
200?~
体毛の喪失?
180~
1st Out of Africa
80?~
火の使用?
7.5~
シンボリックな表現
6.0~
Grotte Chauvet, France
~32,000 years
Homo 属の時代
ネアンデルタール人
2nd Out of Africa
3.5~
芸術
1.0~
農耕の開始
Homo sapiensの時代
ホモ・ネアンデルタレンシス Homo neanderthalensis
ネアンデルタールの起源はヨーロッパのハイデルベルゲンシスに求められる。
40-20万年前ごろまでに頭骨の独特な諸特徴がモザイク状に進化したようである。
身体特徴は頑丈でずんぐり型。男性の身長170cm弱、体重70-80kg程度。現代
人のエスキモーよりさらに前腕と下腿が相対的に短いなど、極端に寒冷適応
した体型を持っていたと考えられている。四肢骨も頑丈であり、手や指の骨なども
太く大きい。脳容量は1200-1700cc 平均値1500ccは現代人より
大きいが、これは体サイズが大きいことによると解釈されている。
•大きな立派な鼻
•長くて低い脳頭蓋
•長い顔
•顔面部が前に突き出る
•アーチ状の眼窩上隆起
•おおきな前歯
•おとがいがない
•脳頭蓋の後頭部が隆起
•脳が大きい
•幅広の胸部
•がっしりした胴体
•短い手足
•筋肉隆々
ホモ・サピエンス Homo sapiens
ホモ・サピエンスの形態特徴
1)頭骨が高く丸まった形 2)顔面部が縮小し、脳頭蓋に対して下後方に位置
する 3)連続した眼窩上隆起が消失し、正中部の眉上弓と側方の三角隆起と
が分離した構造になる 4)オトガイが形成される
アフリカではネアンデルタールと同時代、古くからサピエンスが存在したこ
とは疑う余地がない。20-15万年前ごろまでにはアフリカで出現し、10万年
前ごろまでに西アジアにまで分布を広げた。ヨーロッパには5万年前ごろ以
降に中近東経由で拡散していった。
Homo sapiensの
speciation
St Cesaire, France
Herto in Ethiopia
~160,000 years
Atapueruca, Spain
2003年発見
Niewoehner et al., 2003 Nature
後期旧石器
中期旧石器
後期旧石器Homo sapiensのヨーロッパへの拡散
中期旧石器
Mousterian
考古学的証拠 (間接的)
シャテルペロニアン
(ウリジアン)
(スゼレティアン)
後期旧石器
Aurignacian
最後のネアンデルタール人 (30 to 28 kyr ago)
シャテルペロン文化
真の製作者は?
模倣か自己開発か?
新人(Homo sapiens)の文化 = 中期石器時代((South) Africa)
1970-90年代
R. Klein “神経仮説”
現代人の認知・行動能力はおよそ5万年前 (LSA)
にアフリカで急速に進化した
Blombos Cave, South Africa
~77,000 years
deliberate selection and transport by humans for
symbolic use (ca. 100,000 years ago)
Two Neanderthal Middle Paleolithic sites
yielded perforated and pigment-stained
marine shells (ca. 50,000 years ago)
ホモ・フロレシエンシスの衝撃
年代 約18000年前
身長1m足らず
成人女性
脳容量 380cc
(Brown et al., 2004. Nature)
脳が小さくても賢い?
上肢、下肢のプロポーションは
島嶼化 (Island dwarfism)
人類進化のわき道
人類進化の可塑性
アウストラロピテクスに似る
高度な文化(石器、渡航技術)
新生児~幼生ステゴドン
小頭症のホモサピエンス?
起源・系統?