弱形式理論による弾性波の有限要素法 及びフィルタの解析 山梨大学 工学部 機械システム工学科 T05MD028 反田雄太 序論 ■ 最小エネルギーの原理を利用した弾性波の有限要素法 ・入出力境界に波を吸収する整合層または緩衝領域が必要 ・計算効率が悪い ⇒ 多くのメモリと計算時間が必要 ↓ ■ 弱形式理論を利用した有限要素法 ・境界でp波とs波を分離してフラックスを定義可能 ・入出力境界で整合層等が不要 ⇒ 計算効率が改善 ■ ナノサイズの弾性波フィルタに適用 有限要素法について 有限要素法の特徴 ・ 連続体を、三角形要素の集まりに分解 ・ 境界形状に合わせた要素分割が可能 エネルギーの原理による有限要素法の変数は、変位ベクトル ⇒・ 変位はp波とs波の重ね合わせ ・ 境界でのフラックスから、 p波とs波を分離できない 境界条件について エネルギー原理による有限要素法 変数 変位ベクトル u 入出力境界 整合層を設置 フラックス 物理的な保存則 エネルギー原理を用いた有限要素法 弱形式による有限要素法 変数 ポテンシャル関数 p, w 1 1 u 2 wez w 2 p ks kp 入出力境界 フラックス フラックスの保存を利用 数学的な保存則 境界条件に未定乗数法を利用 入力端でCauchy条件を利用 出力端でNeuman条件を利用 弱形式理論を用いた有限要素法 弾性波フィルタとは 弾性波フィルタとは、フィルタに弾性波を入射し、透過させたい 周波数の波だけを透過せさるものである。 透過しなかった波は、反射波またはフィルタ内で減衰すること で透過しなくなる。 フィルタは、分光器などに利用可能。 ラム波とその分散関係 対称モード 反対称モード 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 対称モード 33 反対称モード ・ p波とs波が表面で統合し、一体となって伝播する波。 ・ 波の進行方向と表面に垂直な面内で変位しているラム波ならば、 対称モードと 反対称モードの2つの性質の波が発生する。 0.8 フィルタの構造 1.6 6.2 6.2 14 1 0.2 0.3 上図にフィルタの構造を示す。 周波数と波長の関係から上図のフィルタを設計した。 ※ 単位:μm 透過率の周波数依存と透過波の選択 Transmittance (dBm) 0 -5 -10 -15 -20 4.16GHz 3.8 4 4.2 4.4 frequency (GHz) 4.6 周波数のズレによる透過波の比較 4.06GHz 4.16GHz 4.3GHz まとめ • 弱形式理論を用いた有限要素法で新たな解析方法 を提案した • この方法を弾性波フィルタの解析に適用し、GHz領 域のフィルタの効果を確認できた • 今後の課題 本研究ではラム波としてSV-P波のみを扱ったが、 SH波においても検証を行いたい また、材料の圧電性、結晶の異方性を考慮する
© Copyright 2024 ExpyDoc