小型JASMINE計画の状況

小型JASMINE計画の状況
矢野太平(国立天文台)
丹羽佳人(京大)
イントロダクション
小型JASMINE
・ JASMINEシリーズ第2ステップの衛星
・ バルジの構造や形成史、また銀河系中心にある巨大ブラックホール
とバルジとの共進化の解明といった目的を達成するために天の川
銀河のバルジ領域の星々に対して位置天文観測を行う衛星
イントロダクション
小型JASMINE
・ 小型科学衛星(JAXA宇宙研を中心とし開発が進められている、標
準バスを用いる小型科学衛星シリーズ)を用いた位置天文観測衛星
・ 2015年頃打ち上げを目指し、2010年度ミッション提案(小型科学衛星
第3号機)を目指す。
・ 可視光線では十分観測できないバルジ領域を中心波長2ミクロンの
近赤外線(1.5μm<λ<2.5 μm)で数箇所数平方度にわたって星(数万
個)の位置、距離、固有運動の測定をKw=11magで10μas精度(位
置7μas、年周視差10μas、固有運動~8μas/yr)でおこなう
観測装置(光学系)
ヒッパルコス、Nano-JASMINEのような2方向観測はせず、単一望遠鏡にて
観測をおこなう。(参照天体によるピン止めをおこなう)
光学系
改良コルシュ(3枚鏡)
観測波長
中心波長2.0μm (1.5μm < λ < 2.5μm)
口径
30cm
焦点距離
4.86m
検出器
HgCdTe検出器(2K×2K)
ピクセルサイズ
18μm
検出器個数
2×2
視野角
0.87度×0.87度
観測装置(光学系)
JASMINE光学系概観図
観測手順
• 撮像フレーム内の星の位置を~100
分の1ピクセルで求める。
• 観測領域を撮像フレームで埋め尽く
し、大フレームを構築
• ミッション期間中大フレームを作成し
(数万枚)、そこから外部参照天体を
利用しながら位置、固有運動、年周
視差を求める(~10μas:数万分の1
ピクセルレベル)。
重要課題
• 望遠鏡の熱安定性
0.1nmレベルの画像歪のモデル化が必要
熱構造モデル構築と計算により画像歪量を計算
実証実験にむけた準備
• 望遠鏡の指向安定性
TTMによる制御方式の検討
実証実験にむけた準備
• 星像中心決定
誤差分散が1/√N則で落ちるかの実証実験
~10000枚オーダの画像データによる実験
以上、重要検討課題について検討状況を丹羽さんより報告
鏡材、構造体
• 望遠鏡部は180K程
度以下、検出器部は
80K前後で運用する
予定である。鏡材とし
て合成石英、構造体
についてはCFRPを
候補としている。
衛星位置速度決定精度
・速度決定精度: 1.5mm/s@ミッション期間
(光行差の誤差1μasに抑えるため)
・位置決定精度:150km@ミッション期間
(1pcの星でも1μasの誤差に抑えるため)
衛星姿勢制御精度
・0.1度
軌道
地球周回軌道
(高度600km程度の太陽同期軌道)
中間まとめ
観測の仕様
光学系パラメータ
仕様
観測領域
観測精度
波長
観測等級
バルジ数箇所 数平方度
位置7μas, 年周視差10μas, 固有運動8μas/yr
中心波長2μm(1.5μm< λ< 2.5μm)
Kw=11等
(限界等級14等)
光学系
改良コルシュ(3枚鏡)
観測波長
中心波長2.0μm (1.5μm < λ < 2.5μm)
口径
30cm
焦点距離
4.86m
検出器
HgCdTe検出器(2K×2K)
ピクセルサイズ
18μm
検出器個数
2×2
視野角
0.87度×0.87度
鏡材、構造体
熱環境
軌道
姿勢制御精度
位置決定精度
速度決定精度
合成石英 CFRP
望遠鏡部~180K 検出器部~80K
600km地球周回軌道(太陽同期)
0.1度
150km
1.5mm/s