テクスト意味空間分析法グループワーク報告書 『愛』

テクスト意味空間分析法グループワーク報告書
『愛』についての分析
総合政策学部4年 加藤恵三
環境情報学部3年 栗本亜実
報告書目次
はじめに
『愛』という言葉への仮説
研究手法
問題点と悩み
考え方の切替
結論
はじめに
『愛』というものは、
人間のなかで最も重要な言葉といっても良
いでしょう。それは、様々な時代において、文学に
なり、歌になり、映像になり人々の感覚に、何かを
訴えつづけてきました。
だからこそ人類はここまで文明を進歩させ、繁栄し
てきたのでしょう。
『愛』という言葉の仮説
愛という言葉の意味(広辞苑第4版より)






親兄弟を慈しみ合う心
広く、人間や生物への思いやり
男女間の愛情、恋愛。
かわいがる事、めでる事。大切にする事
愛嬌、愛想
Etc…
『愛』という言葉の仮説
『愛』は、
単純に想像しただけで、たくさんの意味があ
る。しかし、その中でもその時々において、変
わらない意味があるのではないだろうか。
研究手法
朝日新聞投書欄よりデータを採取
取得件数 『4533』件
比較語として、『恋』も採取(243件)
結論
助詞『は』、『が』の分析
愛
愛
愛
愛
愛
愛
愛
愛
愛
愛
愛
愛
愛
愛
愛
愛
愛
愛
愛
愛
は
は
は
は
は
は
は
は
は
は
が
が
が
が
が
が
が
が
が
が
誇らない
受け入れる
買えない
なる
当てはまる
思う
注ぐ
言う
高ぶらない
強いられる
ある
5件
引き裂かれる
込められる
失われる
すぎる
こもる
残る
信じられない
思う
はぐくまれる
恋
恋
恋
恋
は
は
が
が
伴う
握る
する
する
・感情的要素としての表現のみならず、
対物的要素な表現も多い。
・ネガティブな表現がおおい。
(信じられない、引き裂かれる)
結論
助詞『を』の分析
愛
を
恋
感じる
込める
こめる
できる
注ぐ
はぐくむ
3
3
2
2
2
2
を
する
『恋』は圧倒的に『する』という動詞が後に続く事から、
『恋』は行為である事が読み取れるが、それに対して、
『愛』は、
『できる』→行為
『感じる、込める(こめる)、はぐくむ』→母性的感情
と読み取れる。
12
結論
助詞『に』の分析
愛
に
包まれる
生きる
満ちる
2
2
2
ポジティブかつ母性的な表現として多く用いられている。
結論:総括
愛はその人が生まれて初めて感じた母性である。
『愛』というコトバの多様な表現は、投稿する人の多様な人間性を
表すと共に、その人それぞれが感じ持っている母性という感覚の
相対的な定義につながるのではないか。
つまり、その人が生まれて初めて感じた母性(大体母親から)の
刺激を愛と定義し、成長の過程で外部から受ける刺激を比較し、
言葉にしているのではないだろうか。
問題点と悩み
一字の言葉を分析する事はシステム上難しい。
取得したデータによる分析結果として、『愛知』や『愛子』
などといった意味分析に不適切な語が大量にヒットし、実
際に使えるデータが少なくなった。
『愛』の意味図式として、種類は豊富だが、2回以上使わ
れた意味図式が少なかった。
慣用性という面において、意味図式は2回以上出ていな
いとスクリプトと採用されない。
無機質な単語から、感情や情景を分析する事は簡単だ
が、感情単語から感情や情景を分析する事は難しい。
今後の展開を考える上で
公の場への投書において、感情を投書することは少ない。
しかし、それでもなお投書された言葉には汎用性がある
と考えても良いのではないか?
たとえ一回しか出てこない意味図式でも、分析の対象に
なるのではないか?