確率・統計Ⅰ 第4回 確率変数の平均(続き)、確率変数の分散 ここです! 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 確率論とは 確率変数、確率分布 確率変数の独立性 / 確率変数の平均 確率変数の平均(続き)、確率変数の分散 確率変数の共分散、チェビシェフの不等式 ベルヌイ試行と二項分布 二項分布(続き)、幾何分布など 二項分布の近似、ポアソン分布、正規分布 正規分布とその性質 i.i.d.の和と大数の法則 中心極限定理 統計学の基礎1(母集団と標本、確率論との関係) 統計学の基礎2(正規分布を用いた推定・検定) 確率変数の平均(続き)、 確率変数の分散 1. 「平均」の概念 2. 確率変数の平均の公式(1)(2)(3) 3. 確率変数の分散 (定義と意味) 4. 確率変数の分散の公式(1)(2)(3) 「平均」の概念 x1 , x2 ,, xn の平均 x1 x2 xn と思っていたら小学 生! n 1 1 1 x1 x2 xn n n n つまり、 x1 , x2 ,, xn のそれぞれに1/nず つの重み(重みの和=1)をつけて合計 「平均」の概念 x1 , x2 ,, xn の平均 (重みつき) 1 1 1 x1 x2 xn n個全部同じ重みなら n n n x1 , x2 ,, xn のそれぞれに異なる重み(重 みの和=1)をつけて合計 m1 x1 m2 x2 mn xn 「平均」の概念 x1 , x2 ,, xn の重みつき平均 m1 x1 m2 x2 mn xn ただし、 m1 + m2 + ・・・ + mn = 1 「平均」の概念 x1 , x2 ,, xn の重みつき平均 m1 x1 m2 x2 mn xn ただし、 m1 + m2 + ・・・ + mn = 1 例 a と b を結ぶ線分を m : n に内分する位置ベクトルは a m n b na mb mn n m a b mn mn 確率変数の平均 確率変数 X のとりうる値すべて x1 , x2 ,, xn に関する 確率重みつき平均 m1 x1 m2 x2 mn xn ↑ ↑ ↑ P(X=x1) P(X=x2) X の平均 E(X) = x k k 期待値の略 P(X=xn) P( X xk ) 離散的確率変数の平均 X の平均 E(X) = x k P( X xk ) k 連続的確率変数の平均 E(X) = x P( X dx) x f ( x)dx 確率密度 確率変数の平均(続き)、 確率変数の分散 1. 「平均」の概念 2. 確率変数の平均の公式(1)(2)(3) 3. 確率変数の分散 (定義と意味) 4. 確率変数の分散の公式(1)(2)(3) 平均の公式 ① E( aX + b ) = aE(X) + b ② E( X + Y ) = E(X) + E(Y) ③ X と Y が独立ならば、 E(XY) = E(X) E(Y) 確率変数の平均(続き)、 確率変数の分散 1. 「平均」の概念 2. 確率変数の平均の公式(1)(2)(3) 3. 確率変数の分散 (定義と意味) 4. 確率変数の分散の公式(1)(2)(3) 確率変数の分散 確率変数 X のとりうる値すべて に関する偏差の2乗の、確率重みつ き平均 偏差…平均との差(平均からのズレ) E(X)=μ とすれば V(X) = E[ (X -μ)2 ] 確率変数の分散 例: サイコロを1回投げ、出た目の数を X とする。 1 1 1 1 1 1 E (X ) 1 2 3 4 5 6 6 6 6 6 6 6 1 21 (1 2 3 4 5 6) 3 .5 6 6 確率変数の分散 偏差は X=1 : 1 3.5 2.5 X=2 : 2 3.5 1.5 X=3 : 3 3.5 0.5 X=5 : 5 3.5 1.5 X=4 : 4 3.5 0.5 X=6 : 6 3.5 2.5 したがって分散は 1 2.5 1.5 0.5 0.5 1.5 2.5 6 2 2 2 2 2 2 2.91666 確率変数の分散 (離散型) 式で書くと Var.の略 X の分散 V(X) = x k E( X ) P( X xk ) 2 k 見やすくするため E(X)=μ, P(X=xk) = pk と書いて ∑ (xk -μ)2 pk 離散的確率変数の分散 X の分散 V(X) = (x k ) P( X xk ) 2 k 連続的確率変数の分散 V(X) = ( x ) f ( x)dx 2 確率密度 分散の意味 • 同じ平均でも、分布のバラツキが大きいと、 分散が大きい 0.30 0.30 0.25 0.25 0.20 0.20 0.15 0.15 0.10 0.10 0.05 0.05 0.00 0.00 1 2 3 4 5 1 6 23 V (X ) 1.916 12 < 2 3 4 5 6 47 V (X ) 3.916 12 確率変数の平均(続き)、 確率変数の分散 1. 「平均」の概念 2. 確率変数の平均の公式(1)(2)(3) 3. 確率変数の分散 (定義と意味) 4. 確率変数の分散の公式(1)(2)(3) 分散の性質(1) X の一次式で与えられる確率変数の 分散については、次の式が成り立 つ: V (aX b) a V ( X ) 2 (課題1) これまでに習った公式を用いて、これ を証明せよ。 分散の性質(1) 例: サイコロを1回投げ、(出た目の数×2)-3 を Y とする。 Y の分散 V(Y) を求めよ。 V (Y ) V (2 X 3) 4V ( X ) 4 2.91666 分散の性質(2) 2つの独立な確率変数 X と Y の和 X+Y の分散について、次の式が成り 立つ: V ( X Y ) V ( X ) V (Y ) 分散の性質(2) したがって、n個の独立な確率変数 X1,…Xn の和 の分散については、 V ( X1 X 2 X n ) V ( X1 ) V ( X 2 ) V ( X n ) 分散の性質(2) 例: サイコロを10回投げ、出た目の数の和 を Y とす る。Y の分散 V(Y) を求めよ。 i 回目に出る目の値を Xi とすると、 V( Xi )=2.91666… で、 X1,…,X10 は独立だから、 V (Y ) V ( X1 X 2 X10 ) V ( X1 ) V ( X 2 ) V ( X10 ) 2.9166 10 29.166 分散の性質(3) 分散と平均の関係 V ( X ) E( X ) E( X ) 2 二乗平均 2 平均の二乗 (課題2) 確率変数 X の分散 V(X) は、E[ (Xμ)2 ] と書けることを用いて、これを証明せよ。た だしμ=E(X) 分散の性質(3) 例: サイコロを1回投げ、出た目の数 を X とする。 X の分散 V(X) を求めよ。 1 91 E ( X ) (1 2 3 4 5 6 ) 6 6 2 2 2 2 V ( X ) E( X ) E( X ) 2 2 2 2 2 前の計算と一致 91 91 49 35 2 3.5 2.91666 6 6 4 12 分散の公式(まとめ) ① V( aX + b ) = a2E(X) ② X と Y が独立ならば、 V( X + Y ) = V(X) + V(Y) ③ V(X) = E(X2) - E(X)2 [演習]確率変数と分布関数・平均・分散 (離散型) [1] 偏りのないコインを3回投げる実験で、表の出る 回数を X とする。 (1) 確率変数 X の確率分布を求めよ。 (2) Xの平均E(X)、分散V(X)を求めよ。 (3) 表が出たら2ドル貰え、裏が出たら1ドル失うとし て、獲得金額を Y とするとき、確率変数 Y の平 均E(Y)、分散V(Y)を求めよ。 [演習]確率変数と分布関数・平均・分散 (連続型) [2] 区間[0,1]に針を落とすとき、落ちる位置 の座標を X とする。風の影響で、確率変数 Xの確率分布が右下図のような形をしてい るものとするとき、次の問いに答えよ。 (1) X の確率密度関数 f (x) を求めよ。 (2) P ( 0.2 < X < 0.6 ) を計算せよ。 f(x) (3) X の平均 E(X) 、分散 V(X) を求 a めよ。 0 0.5 1 メニューに戻る メニューへ
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