修士論文 中間発表 校長採用に至るプロセスが

修士論文 最終発表
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教育改革における校長任用施策の意義と
その効果的な運用方法に関する研究
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政策・メディア研究科 修士課程2年
Network Community Project
坂爪 あや子 (80231840)
[email protected]
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発表の流れ
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■ 研究の概要
■ 研究の背景と意義
■ ケーススタディ: 津市立南が丘小学校
■ Research Questionと仮説
■ アンケート/ヒアリング調査の概要と結果
■ インタビュー調査の概要と結果
■ 結論と今後の展望
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研究の概要
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■ 本研究では、教育改革が目指している方針を3つにまとめた
目
■ 学校の自主性・自律性の確立/地方分権化
■ 地域との連携の促進/アカウンタビリティの担保
■ 特色のある教育の推進/多様性の確保
的
■ その方針を推進させられるような校長任用施策を行うために必要な
要素を抽出し、提案を行う
結
■ 校長任用施策を効果的に運用するには、校長候補とともに任用する
側の教育委員会も、どれだけ具体的なビジョンを持っているかが重
要である
論
■ 校長任用施策は教育政策の1つの側面に過ぎない。包括的な提案
の中で講じられて、実施されなければ、教育改革の方針を推進させ
るような運用はできない
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研究の背景[教育改革の流れ]
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ここ十数年にわたる教育改革の流れ
■ 臨時教育審議会 (1986~1988)
■ 中央教育審議会答申「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」 (1996,97)
■ 中央教育審議会答申「今後の地方教育行政の在り方について」 (1998)
■ 教育改革国民会議 (2000)
■ 総合規制改革会議 (2001)
■ 文部科学省 「新しいタイプの学校運営に関する実践研究校」 (2002~2004)
これらにおける提案を以下の3つの方針に集約した
■ 学校の自主性 ・ 自律性の確立/地方分権化
■ 地域との連携の促進/アカウンタビリティの担保
■ 特色ある教育の推進/多様化の確保
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研究の背景[教育改革における他の施策]
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■ 学校評議員
■ 学校評価
■ 特別非常勤講師
■ 中高一貫教育校
■ 通学区域の弾力化
■ 学校選択制
■ 教育特区への申請
■ 校長任用施策
本研究の意義との関連
■ 各自治体で積極的に実施されているという先進性・注目性
■ 他の教育改革政策よりも上記3つの方針をすべて満たしうるという網羅性
■ 他の教育改革政策の実施状況との関連性
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ケーススタディ: 津市立南が丘小学校
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校長任用施策のいちばん進んだ例として
■ 津市立南が丘小学校
■ 学校の自主性・自律性の確立を目指す
□ 学校の裁量権の拡大による学校改革
□ 地域学校協議会の設置
2003年 遠藤正芳氏が津市立南が丘小学校の校長に就任
■ 全国に対する一般公募
■ 募集段階で配属先を明記しての公募
■ 校長選考に、地域住民の意見を採り入れた
このケースは、全国でもっとも先進的な例の1つである
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校長任用の現状
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現在、通常の校長任用はどのようにして行われているか
■ 県の教育委員会による「配置」
■ 例えば、神奈川県の場合 ・・・
■ 高等学校: 181校
中学校: 417校
小学校: 878校
■ 任命権者である県教育委員会が、一括して配置する
このような状況で、問題意識を持った的確な学校運営ができるのか
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現在、実施されている校長任用のパターン
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平成15年版 文部科学統計要覧において
公立小中高の合計 38088校 (小:23560校 中:10392校 高:4136校)
その内訳は・・・
■ 一般公募による任用 ・・・15 (小:1校
中:1校
高:13校)
■ 企業団体への推薦依頼による任用 ・・・41 (小:1校
中校
高:40校)
■ 教職員出身者に対する公募による任用 ・・・7 (高:7校)
■ 公募かつ選考過程で地域住民の意見を採り入れた任用 ・・・1 (小:1校)
■ 従来どおりの配置による任用 ・・・ その他のほとんど
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南が丘小学校の校長公募
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遠藤氏の略歴:
2003年3月31日現在 56歳
三晃金属工業(株) 取締役技術部長
校長に応募した動機
■ 企業の管理職の立場から見て、若者の目的意識の希薄さや、社会に
貢献したい、何かを実現させたいというロマンの欠如を実感
■ 自分の可能性に気づかせるとともに、その可能性を実現し伝達するた
めの表現力を磨く場としての小学校に興味を持ち始めて10年
■ モデル校としての南が丘小の取り組みに共感
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南が丘小学校における取り組みの意義
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南が丘小学校においては ・・・
■ 文部科学省指定の研究校であり、校長公募も取り組みの1つ
⇒ 全国でも先進的な施策の実施が可能となった背景
■ 地域住民 ・ 教職員 ・ 保護者間での準備ができていた
⇒ 研究指定校だからということで、周囲の理解も速かった
■ 遠藤校長自身が、素晴らしい人物である
⇒ 校長のパーソナリティに左右される可能性
学校現場全体にとって、このような方法が本当に相応しいかどう
かについては評価が難しいが、教育改革の方針には沿っている
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現状と先行研究
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校長任用施策という分野において、学術論文はまだ存在しない
2000年の学校教育法施行規則一部改正以来、校長任用施策が
教育専門誌で採り上げられた件数 : 20誌程度
そのすべてが、「民間人校長」という切り口から校長任用施策を採
り上げており、プロセスを重視した記事は1件もない
前に挙げたように、いくつかある校長任用パターンを個々に採り上
げ、それぞれが教育改革の方針において、どの部分を網羅する
かを分析することで、より効果的な校長任用施策の運用方法を模
索することはできないか
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Research Questionと仮説
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「民間出身の校長」という要素の代わりとなるポイントとして ・・・
■ 任用プロセスにおいて、以下の3つのポイントを満たす必要がある
■ 自分から手を挙げることによる「意欲」
■ 配属先の学校があらかじめ決まっていることによる「明確なビジョン」
■ 校長選考の過程で「地域住民の意見」を採り入れている
■ 実際の学校運営にあたって、校長の裁量権を拡大する必要がある
以上の合計4つが、教育改革の方針に沿った校長任用施策を
行うために必要なポイントなのではないか
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Research Questionと仮説
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■ プロセスにおける3つのポイントと任用パターンとの対応表は下図のようになる
■ したがって、縦方向に見て下のパターンほど、教育改革の方針をより多く満た
す任用パターンとなるはずである
自分から手を挙げること
配属校があらかじめ
決まっていること
選考過程で地域住民の
意見を採り入れる
一般公募
○
○ or ×
×
企業団体への推薦依頼
×
○ or ×
×
教職員出身者への公募
○
○
×
公募かつ地域住民の意見を
採り入れている
○
○
○
■ 教育委員会がどのパターンを選択するかは、校長任用施策に何を期待してい
るかによって変わってくる
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アンケート/ヒアリング調査[概要]
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対象 : 全国47都道府県の教育委員会
回答状況 : 積極的に任用施策を行っているところを中心に30自治体
目的 : 校長任用に関する施策における、各都道府県の実態を把握す
る。質問項目は以下の点が分かるように設定されている
■ いつから、具体的にはどんな施策を行っているのか
(前のスライドに挙げた、いくつかのプロセスを具体例に)
■ 任用施策を実施するに至ったきっかけと、期待している成果
■ その期待はどれほど達成されたのか
■ 今後の展望 (施策を続けるか様子見か、やり方を変えるかなど)
■ 校長の裁量権拡大の現状について
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アンケート/ヒアリング調査[結果]
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回答を得た30自治体における校長任用施策の実施状況
図 校長任用施策の実施状況
4
一般公募
企業団体への推薦依頼
3
13
1
教職員出身者への公募
3
公募かつ地域住民の意見を
採り入れている
検討中
合計数が回答した自治体数と一
致しないのは、
■ 並行して2つ以上の施策
を進めている
■ 実施状況が移行している
などの自治体があるためである
現在のところ実施する予定
なし
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■ 注目した点
■ 一般公募と教職員出身者への公募との違い
■ 推薦依頼から一般公募へという、実施形態移行の流れ
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アンケート/ヒアリング調査[結果と分析]
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施策実施の前提 ⇒ 2000年の学校教育法施行規則一部改正
それを踏まえて ・・・
校長任用施策に対して期待したこと
■ 民間出身の校長の場合
■ 教育現場に新しい風を吹き込んでもらいたい
■ 他の校長や学校の刺激となってもらいたい
■ 柔軟な発想力や企画力、組織のマネジメント能力を発揮してもらいたい
■ 教職員出身の校長の場合
■ 学校の特色を生かした学校運営において、リーダーシップを発揮してもらいたい
■ 公募制にすることで、やる気のある教職員の意欲喚起を狙った
同じようなレベルの期待を両者にしているのに、
待遇の仕方が違うのはなぜか
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アンケート/ヒアリング調査[結果と分析]
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今後の展望について
■ とりあえず様子見という自治体が圧倒的多数
■ 自治体によっては、民間出身の校長はそろそろ打ち止めという声も
■ 教職員出身者に対する公募を行っている自治体では、今後も続行する予定
⇒ 同業者に対する安心感と、従来の校長に対する配慮
⇒ 配属校をあらかじめ決めておくことは可能
■ 推薦依頼から一般公募へと施策を移行している自治体も存在している
⇒ より広範囲から意欲のある人材を採用する
⇒ 校長任用施策に対するある程度の信頼性の確保
民間出身の校長については、まだ実験段階
しかし、他自治体の動向をうかがっている状況なので、
少数の自治体が今後の牽引役になって波及していく可能性はある
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アンケート/ヒアリング調査[結果と分析]
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校長の裁量権拡大について
■ 実施状況は、大きく2つに分けられる
■ 裁量権拡大を実際に行っている自治体
■ 検討はしているが、まだ実施はしていない自治体
■ さらに、実施している自治体も2つに分けられる
■ 人事 や 予算 など、大規模な裁量権の拡大に取り組んでいる自治体
■ 校務分掌 や 職員会議の実施 など、学校内で解決できる範囲の裁量権の
拡大に留まっている自治体
予算や人事に関しては、闇雲に権限委譲をすることがその自治体の
地域性や方針にそぐわない場合がある
⇒ 現場と行政との意思疎通
校長を任用するにあたって「プロジェクト型」か「池ぽちゃ型」か
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インタビュー調査[概要]
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対象 : 任用パターンの異なる校長7名と南が丘小学校に関る地域住民
■ 一般公募で任用された高校の校長3人
■ 教職員出身者に対する公募で任用された高校の校長3人
■ 南が丘小学校校長(公募かつ選考過程で地域住民の意見を採り入れて任
用された小学校の校長)と、選考に関った地域住民組織のメンバー
目的 : 次の2点を明確にする
■ 任用パターンの異なる校長の間における、 「4つのポイント」についての見解
の相違があるだろうか、あるとすればどのような点についてか、ということを
抽出し、インタビューの結果を教育委員会に対するアンケート/ヒアリングの
結果と比較する
■ そのうえで、これからの校長任用施策における課題は何か、どうすれば教育
改革の方針を推進させるにおいて効果的に校長任用施策を実施するために
は何が必要かを考察する
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インタビュー調査[結果]
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「公募」という方法について
■ 「情熱度」 を量るには、推薦より公募の方が相応しい
■ 公募に応募するということは、自分の中で覚悟を決めることであるとともに
後で言い訳をしないための担保にもなる
インタビュー対象全員が公募である = 公募が望ましいと出るのは当然
しかし、推薦依頼で任用された校長の中には、「なりたくなかったのになってしまっ
た」という例も存在した。企業からの推薦を断るのは非常に難しい
教育委員会側からすれば、「ピンからキリまで」の人材が集まってしまう公募
制
は費用対効果の点から見てあまり効率のいい方法ではない
しかし、「推薦依頼 → 公募」という流れがあって逆がないということは、広く人
材を求められるという意義とともに、上記のようなことが求められ始めた結果
だ
と考えられる
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インタビュー調査[結果]
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配属校があらかじめ決まっていることについて
■ どのような学校の運営を任されるのか、あらかじめ知っていた方が、自分の
方針をまとめることができる。研修の効率から考えても望ましい
■ 配属校が決まっていることは、応募時にその学校をどうするかという具体的
なビジョンが求められるということである。校長に決まったということは、その
点が認められて採用されたということだから、自分が出したビジョンに対する
責任が発生する
ある程度、教職員の協力を得られる担保にはなる。ただし、その要因となるの
は「心の準備」とともに、校長の出身が民間か教職員かということもありうる
「学校改革」とはいえ、どこかに校長を入れればいいということではない。実際、
どうしてこの学校に自分のような校長を入れなければならなかったのかよく分
からないと考えている民間出身の校長も存在する
配属校が決まっているかどうかということは、教育委員会がその学校の特色
を把握しているかどうかを測る材料となり得る
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インタビュー調査[結果]
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地域住民の意見を採り入れることについて
■ 校長側の意見
■ まず学校のことをよく知ってからでないと本末転倒
■ 人選などに問題は生じないのか
■ 地域住民側の意見
■ 自分たちの選んだ校長には誇りが持てるし、意見も言いやすい
■ しかし、活動メンバー以外の人間にまで意識が浸透しているとは言いがたい
南が丘小学校以外の学校にとってはまだ馴染みのない考えで、疑問視する声
が多かった。ただし、地域との連携という点については推進していない学校は
なく、相互理解が進めばこのような選択肢も出てくる可能性はある
少なくとも、南が丘の地域住民代表は肯定的に評価している。しかし、話を聞
いたメンバーが南が丘地区全体の地域住民の声を反映しているわけではない。
課題としては、まず一般住民に広く活動を知ってもらうことである
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インタビュー調査[結果]
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校長の裁量権拡大について
■ 民間出身の校長の意見
■ ボトムアップでがんばって工夫して、抜け道を考えることはできるけれども、それは
本質的な解決策ではない。その先生が異動したら学校も元に戻ってしまうのでは
どうしようもない
■ 教職員出身の校長の意見
■ 現行の制度下でも、工夫次第でできることはたくさんある。どちらにしろ、校長の裁
量権は拡大していくだろう
民間出身の校長と、教職員出身の校長との認識の差がもっとも顕著に出た
■ 教職員出身者にとっては、もともとないも同然だった概念
■ 何もないところから、工夫して捻出することが当たり前であった教職員出身者と、
変わらない制度として確立されなければ意味がないという民間出身者
しかし、「工夫次第」や教育委員会との関係によって学校運営の条件が変わる
ようでは、教育改革の方針を推進させることはできない
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結論
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■ 南が丘小学校において実施されている校長任用施策から導き出した4つの
ポイントが、教育改革の3つの方針との整合性において、欠かせないもので
あるということは、他の政策との関連性からも、ある程度は実証された
■ 4つのポイントの中で、まず満たされなければならないのが、「公募」というポ
イントである。さらに、広く人材を求めるという点で、資格の幅を限定しない
「一般公募はもっとも相応しいと言える
■ 任用プロセスに関るその他2つのポイント、「配属校が決まっていること」「地
域の意見を採り入れること」が実現されることの重要性は認識されつつある
が、実現にあたっての現実性も含めて考えると、評価をすることは難しい
■ 校長の裁量権に関しては、双方に進めなければならないという認識はある。
しかし、教育委員会だけでなく、校長側の意見にも差がある。ただ、本来の
教育改革の方針から考えると、校長任用施策と裁量権とは不可分の関係
にあるはずである。今後は、教育委員会とともに校長の意識改革も行って
いく必要がある
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研究の限界と今後の課題
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■ 「いい校長」とは?という疑問に対して、答えるのは難しい
■ 最終的には、校長が学校改革の誘引になったと言い切るのは、事実上
不可能であることが多い
■ 成果が「校長のパーソナリティ」によるものでないと言い切れるか
■ いい校長の資質として○○が必要だ、という断定的な表現はできるか
■ 地域住民の意見を採り入れる機会を設ける際の問題点
■ 何をもって「地域住民の代表」とするか
■ 地域住民全体が満足するような人選をどのように実現させるか
■ 地域代表と一般の地域住民との意思疎通を効果的に図るための方法
■ 学校と地域住民との継続的な信頼関係はどうしたら築けるか
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展望と示唆
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校長任用施策を効果的に運用する方法の1つの具体例として
■ 長野県における多部制・単位制高校の設立の提案書
■ 地域との連携・ニーズを汲み上げられる学校
■ 新しいタイプの学校の設立
このような包括的な計画の中で、校長任用施策も提案されている
校長任用施策はあくまでも独立した施策ではなく、学校運営を考えるう
えでのパッケージの1つであり、いわゆる「万能薬」ではない
どれだけ効果的に運用できるかは、「教育に新風を吹き込む」という漠
然とした期待ではなく、「この学校をどうしたい」という明確なビジョンを
校長だけでなく、教育委員会が持てるかどうかに左右される
それを持つことが、4つのポイントを満たすことにもつながるはずである