「バリアフリーのための心理学」(10/20) 補足資料 (3)携帯メイルの「教授」実践の 手続きを考える 望月昭 [email protected] HP: http//www.ritsumei.ac.jp/~mochi/ ブログ: http://d.hatena.ne.jp/marumo55/ 1 携帯が認められたら 携帯電話? 2 前回のアンケート集計から・・・・ 「携帯ってTCM?」前回のアンケー 1020バリアフリ心理学 1)自分のペースで確認可能 要議論 2)再現可能なC(不揮発モード) 要議論 3)防犯ベル、GPS、安否メール (管理的デメリット?) 要議論 4)実は、日本語教育にも役立つ のでは(助詞の使い方など日常的に)要議論 3 1)自分のペースで確認可能 • かつて(現在も)パソコン通信時代、この利用につ いては障害のある個人(とくに肢体不自由系)の普 及率は高かった。 ・BBS(掲示板)を通じたコミュニケーションは、 「時間遅延」を許す言語行動 (参考文献) 望月昭・正木茂夫(1989): 「BBSネットの開設と運営:愛知県コロニーMARUMONETを 例に」.行動分析学研究、4, 57-70. 4 2)再現可能なコミュニケーションモード • コミュニケーションモード? モード:表出の形態 メディア:感覚系としての分類:聴覚・視覚 ●揮発系モード:表出と同時に消えてしまう (日常的な口話や手話) ●不揮発性モード:痕跡が残る (書字、写真、動画ファックスetc) 5 3)防犯ベル・GPS・安否メイル • 従来の障害のある個人に対する携帯電話 の利用についての研究の多くは、地域生活 のsafty(安全確保)に関わる研究が多い。 • しかし「安全確保」は個人のQOLを拡大と一 致するか? • 「電源を切る」スキルは教えるべきか? 「リスクを冒す権利」もあるのでは? 6 4)日本語教育にも役立つ? • ろう(重複)者の日本語使用において、助詞 の使い方が難しいという研究もある • 携帯電話(メイル)の使用は、教科書などで 学ぶ場合と異なり、実際の生活の文脈の中 でその内容がシェイプアップされる。 • 手話が寄宿舎という生活圏の中で磨かれた きたように、日本語は携帯使用によって日常 的に効率よくシェイプアップされる可能性も 持つ 7 実践的な教授方法を考える • 仮想事例: 自閉的傾向もあるろう重複の障害のある 聾学校生徒、17歳。 ・一部、書字と文字理解あり。 ・携帯電話を遠隔地ではなく、文字表示をし て楽しむ。50音構造は理解している(入力 が可能) 8 具体的課題 1)携帯電話(メイル)をどのような設定の中で具体 的に「教授」するか? 2)宿題:携帯電話の受信・送信の操作をどのよう に教えるか? ・まず操作に関する「課題分析表」を作ってみよう。 ・それに従って「全課題提示法」で援助つきで教 授をするための細かい手続きを考える。 9 課題分析の例 • 以下の表は、高齢者にPCでメイルを送信 することを教授するための課題分析表で ある。 これも参考にしながら携帯電話メイルの課題 分析をしてみよう。 10 高齢者におけ るPC操作の支 援 (課題分析) 斉藤(2001) Mさんの課題分析 : メールを送信する 1 電源ボタンを右に引く。 2 スタートボタンの横にある「Outlook Express」のアイコンをクリックす る。 3 「ダイヤルアップの接続」の[オフライン作業]ボタンをクリックする。 4 [Outlook Express]の青い帯の端の×印をクリックする。 5 「新しいメール」アイコンをクリックする。 6 メッセージの作成が出るので「宛先:」の横の白い枠をクリックし、送信 先のメールアドレスを入力する。 7 キーボードの「半角/全角」キーを押し日本語入力ができる状態にす る。 8 「件名:」の横の白い枠をクリックし、メールのタイトルを入力する。 9 下の白い画面をクリックし、本文を入力する。 10 メールができたらツールボタンの「送信」アイコンをクリックする。 11 「送受信」アイコンをクリックする。 12 「オンラインに切り替えますか」で「はい」ボタンをクリックする。 13 「ダイヤルアップの接続」の[接続]ボタンをクリックする。 14 「送信済みアイテム」ホルダに移動したのを確認して、×印をクリック して「OutlookExpress」を終了する。 15 「今すぐ切断する」をクリックして回線を切断する 16 「スタート」ボタンを押し「Windowsの終了」をクリックする。「電源を切れ る状態にする」にチェックがついてることを確認して「OK」ボタンを押 す。 11
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