高周波加速空洞 1. 装置の概要と設計パラメータ 2. 高周波加速空洞がビームに与える影響 RFコアが作るCODとその対策 3. FFAG電磁石の漏れ磁場が加速空洞に与える影響 磁気シールド 4. まとめ FFAG加速器に必要とされる高周波加速空洞 繰り返しが速い加速 非常に高い電場勾配が必要 8kVpp 加速と共に軌道が 移動する。 加速と共に周回周波数 が変化する。 従来の加速空洞では実現困難であった 磁性体合金 (MA=Magnetic Alloy) 比較的自由な形状を選択できる 非常に高い電場勾配が発生可能 広帯域なインピーダンス 半径方向に大きな口径の 加速空洞が必要。 広い周波数帯域を 持ったコアが必要 1.5MHz~ 4.6MHz 約1m 高周波加速空洞 RF Cavity RF amplifier Acceleration cycle 100Hz RF output power 55kW Harmonic Number 1 Class B class, Push-Pull RF frequency 1.5MHz~4.6MHz Power Tube 4CW25000A x 2 Acceleration voltage 8kVpp/1 Cavity 高周波加速空洞 (RFコア) Core material FINEMET (FT-3M) Outer size 1700×950mm Inner size 980×230mm Core Length 25mm Number of core 4 高周波加速空洞がビームに与える影響 RFコアがFFAG電磁石 の漏れ磁場を吸収し、 CODが発生する COD補正用電磁石 1. COD補正用マグネット 2. RFキャビティーの構造を変える コアを4枚から2枚に減らした コアの枚数と空洞のインピーダンス 使用範囲(1.5~4.2MHz) 高い周波数(取り出しエネルギー付近)で比較した場合、 インピーダンスの差は小さい。 高周波増幅器と空洞の不整合の問題 コアの枚数を減らすことで、空洞のインピーダンスが減少し (400Ω→200Ω)、増幅器の出力インピーダンス(1kΩ)との間に 不整合が発生 beam beam 2ターン巻き 1ターン巻き インピーダンス:Z インピーダンス:4Z N1 N2 Rp’ P Rp 巻き数の比を2倍にすると 増幅器から見た インピーダンスは4倍になる Vcav 2 Rp Vtube 2 Rp ' Vcav Vtube N1 N2 Rp ' P R N2 2 N1 p 高周波増幅器と空洞の整合 巻き数を増やす前後のインピーダンスの比較 増幅器から見たインピーダンスが4倍になっていることがわかる FFAG電磁石漏れ磁場の加速空洞への影響 ー共振周波数ー FFAG電磁石を励磁時の共振周波数の変化 400 励磁有 350 インピーダンス(Ω) 300 250 励磁無 200 150 100 50 0 0 5 10 15 20 25 周波数. (MHz) FFAG電磁石を励磁すると共振周波数が大きく動く。 30 FFAG電磁石漏れ磁場の加速空洞への影響 ー空洞表面の磁場と共振周波数の関係ー FFAG電磁石を励磁したときの空洞表面における磁場と 共振周波数および空洞のインピーダンスの関係 空洞表面の磁場が250gauss以下ならば 共振周波数はほとんど変化しない。 空洞磁気シールド ー空洞表面磁場ー 磁気シールド FFAG電磁磁石の漏れ磁場をシールドするために 鉄製の磁気シールドを装着する 500 cavity 6枚 9枚 9枚 6枚 ビーム 4.2mmの鉄板 ギャップの上下 両側6枚 リターン部 両側9枚 Cavity表面の磁場(Gauss) 磁気シールドあり 磁気シールドなし 400 300 200 100 0 0 磁気シールドを装着することで、 漏れ磁場を250gauss以下に抑制した 200 400 600 800 FFAG電磁石の電流値(A) 1000 運転モード 空洞磁気シールド ー共振周波数ー 磁気シールドによる共振周波数の変化 30 シールあり シールドなし 共振周波数(MHz) 25 20 15 10 5 0 0 200 400 600 800 FFAG電磁石の電流値(A) 磁気シールドを装着することによって 共振周波数が大きくすれることがなくなった 空洞磁気シールド ーインピーダンスー 磁気シールドによるインピーダンスの変化 800 FFAG磁場なし FFAG磁場あり 空洞のインピーダンス (Ω) 700 600 500 400 300 200 100 0 0 5 10 15 20 周波数 (MHz) 磁気シールドを装着することによって、FFAG電磁石を励磁しない 場合と同程度までインピーダンスが回復した 加速ギャップの出力電圧 電圧モニターの出力波形 出力 電圧 V V 加速ギャップ電圧: 6kVp-p まとめ 高周波加速システムを開発を行い、ビームの加速に成功した。 高周波空洞に関して以下のような問題点を解決した。 ① CODと帯域の問題 空洞のコアの枚数を4枚から2枚へ減らすことで、ビームに対する影響(COD)を 減らした。2枚でも十分なインピーダンスは得られている。 ② インピーダンスの不整合の問題 RF 空洞を改造し、増幅器からみた空洞のインピーダンス整合をとった。 ③ 漏れ磁場の問題 磁場計算および空洞表面での磁場測定の結果を踏まえ、磁気シールドを 作成した結果、FFAG電磁石の漏れ磁場よる空洞特性の変化を抑制できた。 コアを追加し、空洞のインピーダンスを増加させる予定 beam beam FFAG電磁石からの漏れ磁場の問題 Half Cell RF core FFAG加速器はリングがコンパクトである FFAG電磁石の磁極ギャップが広い
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