地球物質の流動特性と地球内部 のダイナミクス マントルのレスポンス マントルは固体であるが、 流体的な性質も持っていて、時間スケールの違 いにより異なったレスポンス・挙動を示す。 ⇒ マントル内を伝播する地震波(短い時間 でのレスポンス、~105秒以下)は、弾性波 の波動方程式で表現される。 ⇒ 長い時間(> p・107秒)では、流体運動を 表す方程式で記述することができる。 2 地球物質の二面性: レオロジー 弾性体 破壊 1秒 地震波: Vp, Vs (VSH, VSV) 0.1~10 sec 地震断層 10秒 100秒 数時間 力の加わる周 期 半日 1日 表面波: レイリー波とラブ波 自由振動 10~500 sec 100~5000 sec 潮汐: 地球潮汐(Earth Tide) 12h25min, 23h56min 海洋潮汐(Ocean Tide) 太陽潮汐 数万年 粘性流体 流動 月潮汐: 潮汐の歪が地震を誘発: ダム直下の微小地震、月震(地球による潮汐) 木星によるイオの潮汐:マグマ活動 スカンジナビア半島の隆起 2x1011 sec 北米ローレンタイドの隆起 5x1011 sec マントル対流 ~10 cm/year 変形の種類 ・弾性 (elasticity) ・塑性 (plasticity) ・脆性 (brittleness) - 地震波の伝播 - マントル対流 - 地震断層破壊 4 弾性変形 変形を起こしている力が取り除かれれば元に 戻る形や大きさの一時的な変化 塑性変形・脆性破壊 ・応力が取り除かれても回復しない形 や大きさの永久変化。 ・物質の原子や原子の集まりの相対的 なスベリによって起こる。 5 (Deformation of Rocks) 岩石の変形 褶曲や断層に現れる。 ⇒ 構造地質学 6 変形に関わる要素 Factors that affect deformation •・温度 Temperature • Pressure ・圧力 • Strain rate ・歪速度 de/dt • Rock type ・岩石の種類 The variation of these factors determines if a rock will fault or fold. 温度・圧力・変形速度・鉱物組成 7 脆性変形(破壊) ・加えられている応力のもとで、凝集力を失う。 Brittle deformation (rupture) • Loss of cohesion of a body under the influence of deforming stress • Usually occurs along sub-planar surfaces that separate zones of coherent material 8 Ductile-Brittle transition in the Crust 流動のメカニズム(Flow law) 線形流動 Diffusion creep 拡散クリープ 非線形流動 Power law creep べき乗クリープ 拡散クリープとは Diffusion Creep 拡散クリープ: 歪速度は応力に比例する Dislocation Creep n~3, disloction creep 転位クリープ 図34 固体の流動 変形機構図(Deformation mechanism map) 図34 de/dt ~sn 粒界拡散クリープ領域 de/dt ~s 変形機構図 (Deformation mechanism map) n~3 図34bc プレートテクトニクス Mosaic of Earth’s Plates Peter W. Sloss, NOAA-NESDIS-NGDC 20 プレート運動の相対速度(スピードと方向) 21 大陸の縁の形の一致 “Fit” of the Continents Fig. 20.1 22 化石の異常分布 Anomalous Distribution of Fossils Fig. 20.2 23 大陸移動説 1915年 異なった大陸に分布する地質 学的データに基づき、 Alfred Wegener が初期の大陸移動 説を提唱する。 1929年 Arthur Holms は、地殻 下の対流による大陸移 動説を唱える。 後年まで陽の目を見なかった。 24 第二次世界大戦後(1946-50) 大戦中に開発された計測機器を使い、海洋底の 探索を始めた。 ⇓ これにより、海洋底の地殻は玄武岩質で 厚さは数kmで、花崗岩質の大陸地殻が 40kmくらいあるのに対照的であることが 分かった。 25 海洋底の古地磁気 (岩石に記録された古い時代の磁場) の解析により、プレートテクトニクスが構築された。 26 0 140 Million years 240 海洋底で観測される磁化異常(2D) 28 海洋底で観測される磁化異常(3D) 海洋底拡大説 29 Plate Tectonics in the early Mars Connerney et al. (2005) Proc. Natl.Acad.Sci. USA, 102, No.42, 14970-14975 Connerney, co-investigator for the Mars Global Surveyor magnetic filed investigation at NASA’s Goddard Space Flight Center, Greenbelt, Md http://www.nasa.gov/centers/goddard/ news/topstory/2005/mgs_plates.html The Supercontinent of Pangaea (超大陸パンゲア) (~200 million years ago,2億年前) 31 プレート運動の再構築 32 マントル対流とプレートテクトニクス Upper Mantle Convection as a Possible Mechanism for Plate Tectonics Fig. 19.8 33 地震波トモグラフィー - マントルダイナミクスのスナップショット Seismic Tomography Scan of a Section of the Mantle Subducted slab Fig. 19.9 34 島弧 大洋島 海嶺 海洋島 上部マントル マントル遷移層 660 km 下部マントル 2900 km 外核 内核 5150 km
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