【問題症例1.】 44歳、女性。4年前より頻脈発作があった。 図は頻脈発作時の心電図である。診断は? HR 163/min I II III V1 V2 V3 aVR V4 aVL V5 aVF V6 【症例1の解説】 HR 163/min I II III V1 V2 V3 ・心拍数163/分で 頻脈性不整脈である. ・R-R間隔が規則正しい. ・QRS幅が狭い. aVR V4 aVL V5 aVF V6 Narrow QRS Tachycardia (regular) 【電気生理学的検査(EPS)】-心房期外刺激法にて、突然のAH時 間延長に伴い発作性上室性頻拍(PSVT)が誘発された。 S1-S1 600ms, S1-S2 300ms S1 S1 A PSVT誘発 AH 506ms AH 140ms S2 H A H V H A V A V 【EPS時のカテーテル位置および 逆行性心房最早期興奮部位】 HRA 1-2 HRA 3-4 HBE 1-2 H V A HBE 3-4 HBE 5-6 HBE 7-8 HBE 9-10 HRA CS 1-2 HBE CS CS 3-4 CS 5-6 CS 7-8 RV CS 9-10 RVd A RVp HRA:高位右房 HBE:ヒス束 CS:冠静脈 RV:右室 ・逆行性心房最早期興奮部位 (↑)は冠静脈入口部 【症例1の解説】 ・心房期外刺激法で、AH時間が突然延長して誘発された。 →房室結節の順行性伝導は遅伝導路(Slow Pathway:SP)であ る。 ・PSVT時の逆行性伝導は、最早期興奮が冠静脈入口部である →逆行性伝導は速伝導路(Fast Pathway:FP)ではないと考えら れる。 逆行性に心室と心房を伝導するもの? Kent束の関与はないのか? ・Reset現象---ヒス束の不応期に与えられた心室期外刺激が 頻拍周期を変化させる現象 AVNRT WPW症候群 A 副伝導路 A Atrium His Ventricle No Reset Reset 【症例1では心室期外刺激(S1)により頻拍周期は変化せ ず、房室結節回帰性頻拍(AVNRT)と診断した。】 449msec 451msec S1 【症例1: Slow Pathway ablation施行しAVNRTは治癒した。】 S1-S1 600ms, S1-S2 350ms S1 S1 A HRA HBE ABL CS RV S2 H V A AH block 【問題症例2.】 68歳、女性。5年前より頻脈発作があった。 図は頻脈発作時の心電図である。診断は? HR 149/min I V1 II V2 III V3 aVR V4 aVL aVF V5 V6 【症例2の解説】 HR 149/min I II V1 V2 ・心拍数149/分で 頻脈性不整脈である. ・R-R間隔が規則正しい. III V3 ・QRS幅が狭い. aVR V4 aVL V5 aVF V6 Narrow QRS Tachycardia (regular) 【EPS】-心房期外刺激法にて、突然のAH時間延長に伴い発作 性上室性頻拍(PSVT)が誘発された。 A1-A1 650ms, A1-A2 290ms A1 AH 108ms A1 A PSVT誘発 AH 320ms A2 A H 108msec V 320msec H A V H V 【症例2では心室期外刺激(S1)により頻拍周期は変化し、 副伝導路によるPSVTと診断した。】 418msec 344msec S1 【症例2: 副伝導路に対するアブレーションを施行しPSVTは治癒 した。】 副伝導路離断 RV pacing A A A 【症例2: 副伝導路に対するアブレーションにより遅伝道路も離 断されていた。】 S1-S1 500ms, S1-S2 320ms S1 S1 A H V HBE CS ABL RV S2 A AH block
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