7.ドイツ語、英語、日本語の色彩名称 上吉原由佳 1、ドイツ語・英語・日本語の色彩名称の違い ドイツ語、英語、日本語では同じ色を見ているのに違うで、 また違う意味を表現することがある。一番指摘されるのは、 ドイツ語のBlau,Grün 英語のBlue, Green日本語のあお (青、蒼、藍)と緑である。 日本語のあおは緑色の意味も持つ。 草木の名称や緑色の生き物の名称にあおが多く使われ ている。 1、ドイツ語・英語・日本語の色彩名称の違い 独:der grüne Bambus 英:green bamboo 日:青竹 独:der grüne Frosch 英:green frog 日:青蛙 また、ドイツ語、英語ではGrün、Greenは未熟な、若いの 意があるが、日本語ではその意味を表す色彩は青である。 2、日本古来の色彩名称 日本語で色彩を表す語彙は、赤、白、青、黒の4語が基 礎となっている。 赤は明るい色、白は顕(あき)らかな色、青は漠然とした 色、黒は暗い色を総称した。今日でもこの体系は基本的 に変わっていない。葉の色・空の色・顔色などをいずれも あお(青、蒼、藍)と表現するのはここに理由がある 3、太陽、月の色 日本では一般的には太陽は赤、月は黄という認識である。 ドイツでは太陽はGold, Orange, Gelb、月はWeiß。 3、虹の色 虹の色は日本では7色であるが、ドイツ語話者、英語話 者は必ずしもそうと思っていなく定まっていない。 日本以外では6色という認識が多く、藍色が一色少な い。しかし、Indigo という名称はドイツ語、英語ともに存 在する。 4、曇り空の色 例) 独 Er sah zu, wie der Regen auf die Straße platschte, es war ein graue Tag, und auch in Herrn Fusis Seele war trübes Wetter.(P58,L6) 英 Raindrops were spattering the Pavement and the sky was bleak and dreary-as bleak and dreary as Mr. Figaro’s mood.(P56,L3) 日 道路にはねる雨をながめていました。いやな灰色の 日です。フージー氏の気持ちも灰色でした。(P84、L15) 5、まとめ 色に対する認識は人種や目の見え方、能力の差ではな く、住む地域や文化、受けた教育により異なるのではな いかと考えた。 また、色が表す意味範囲が文化によって違うので、目で は同じ色に見えていても、文化的に名称が異なるのでは ないかと思った。 参考文献 DUDEN独独辞典 Bibliographisches institute &F.A. Brockhaus AG, Mannheim 2007 クラウン独和辞典 第4版 三省堂 2009 オックスフォード現代英英辞典 7th edition Oxford University Press 2006 ジーニアス英和辞典 大修館書店 200~2008 デジタル大辞泉 小学館 http://ja.wikipedia.org/wiki/日本語 http://www.netlaputa.ne.jp/~tokyo3/iro.html
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