3.ドイツ語・英語・日本語の 擬音語・擬態語 英語コミュニケーション専攻 安達 千夏 擬音語 物が発する音や声を真似て字句で描写した語句のこと 例 独:quietschen(P36, 6行目) 英:squeak(P35, 7行目) 日:キーキー(P51, 後ろから3行目) 独:Klingeling/英:ting-a-ling/日:チリンチリン(鈴が鳴る 音) 独:miauen/英:meow/日:ニャーオ(猫の鳴き声) 擬態語 状態や心情など、音のないものを音によって表す言葉 例 独:der Herr hatte eine spiegelnde Glatze(P59,14行目) 英:as bald as an egg(P57,5行目) 日:その紳士はテカテカのはげ頭だったのです。 (P87, 13行目) 独:schlendern/英:amble/日:ぶらぶら 独:flattern/英:flutter/日:ひらひら 独:lächeln/英:smile/日:にこにこ 擬音語・擬態語が豊富な理由 日本語に擬音語・擬態語が多いのは、他の言語に比べ て動詞や副詞が少なく、それを補うために擬音語・擬態 語が発達したのではないかと言われています。 例えば同じ歩き方を表現するにも「ヨチヨチ歩く」「ブラブ ラ歩く」「トボトボ歩く」「ヨタヨタ歩く」を英語では「toddle」 「stroll」「plod」「hobble」、ドイツ語では「trippeln」 「bummeln/lungern/schlendern」「sich fortschleppen」「wickelnd gehen」のように、どのよう に歩いているかによって使われる動詞が変わってきます。 オノマトペの数の比較 (オノマトペとは擬声語・擬音語・擬態語の総称) 日本語:約2200/英語:約1500/ ドイツ語:541 最もオノマトペが多い言語は韓国語で約8000 例1 独: „ Ich weiß was”, sagte ein dicker Junge mit einer hohen Mädchenstimme,… (P.24 4行目) 英:„I know,“ said a fat boy with a high-pitched voice. (P.25 4行目) 日本語:「あるよ。」ふとった男の子がキンキンしたボー イ・ソプラノで言いました。(P.35 後ろから4行目) 例2 独:Dazu klatschte sie in die Hände und sprang im Takt herum. (P.32 17行目) 英:As she sang, she clapped her hands and pranced around in time to the refrain. (P.32 11行 目) 日:モモザンは歌にあわせて手をたたきながら、 ピョンピョンとびまわります。(P.47 後ろから2行目) ドイツ語と英語の例文には擬態語がありません。 例3 “Diese Summe”, sagte der graue Herr und tippe mit dem Stift mehrmals so hart gegen den Spiegel, daß es wie Revolverschüsse klang,…(P64, 8行目) ‘And that figure,’ said that man in grey, rapping the mirror which his chalk so sharply that it sound like a burst of machine-gun fire. (P61, 12行目) 日:「この合計が、」と灰色の紳士は、えんぴつで鏡をい きおいよくカタカタとたたきました。(P93, 最後の行) まとめ 日本語は英語やドイツ語に比べ、動詞や副詞の数が少 ないが、それを補うための擬音語・擬態語が豊富である。 ドイツ語のオノマトペは間投詞などが派生して生まれた オノマトペが多く存在し、それらは動詞としてよく文中で 使用される。そのため、オノマトペの統計としてはドイツ 語は少ないが何気なく使っている動詞の中にもたくさん オノマトペが存在するのではないかと思いました。 英語やドイツ語などの母語話者にとって、日本語を学ぼ うとするときに擬音語・擬態語が大きな障害になる。また 同様に、私たちが日本語から英語やドイツ語に翻訳す る際に、豊富な擬音語・擬態語をいかに移し替えていく かが大きな問題となる。 参考文献 http://100.yahoo.co.jp/detail/%E6%93%AC%E5%A3%B0%E 8%AA%9E%E3%83%BB%E6%93%AC%E6%85%8B%E8%A A%9E/ (2012年5月6日) http://dictionary.goo.ne.jp/onomatopedia/ (2012年5月6日) http://ushi8.com/mau/design2/index.html (2012年5月7日) http://www.rondely.com/zakkaya/dic5/gt1.htm#a9 (2012年 5月7日) http://homepage3.nifty.com/k_tomita~s/romarin/data/Onom atope/Onomatope_E0.htm (2012年5月7日) http://www.k3.dion.ne.jp/~prun/dup5manga.html (2012年5 月7日) http://www.rondely.com/zakkaya/dic5/eng.htm (2012年5月 15日)
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